転職の判断
40代で未経験の職種に移るのは無理?資格は先に取らなくていい
40代で未経験の職種に移るのは無理ではありません。2026年に中途採用を予定している担当者のうち、業種も職種も違う40代の採用に積極的と答えたのは42.9%です(見通し)。ただ行き先で難しさが大きく違い、一般事務は探す人に対して求人がかなり少なく、IT開発は未経験の枠が狭い。年齢は変えられないので、今の経験を使える行き先を選びます。事務やITに移るなら、資格は先に取らなくてかまいません。
公開 2026年11月4日 · 集計 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・40代で未経験の職種に移るのは無理ではない。2026年に中途採用を予定する担当者のうち、業種も職種も違う40代の採用に積極的なのは42.9%(見通し)。ただし一般事務は探す人に対して求人がかなり少なく、IT開発は未経験の枠が狭い。年齢は変えられないので、今の経験を使える行き先を選ぶ
- ・事務やITに移るなら、資格は先に取らなくていい。当サイトの掲載求人では、未経験OKの事務求人の必須欄に資格名があるのは5%未満。資格や免許が効くのは、介護・建設・運転のように資格や免許がないと始められない、または給料に効きやすい職種
- ・移りたい理由が仕事の中身でなく、座り仕事や土日休みといった条件なら、職種名でなく条件で探すと候補が広がる。年収は手当と残業代を分けて比べる
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立ち仕事や土日の勤務がきつくなってきて、40 代で事務や IT のような未経験の仕事に移りたいと考えている。調べると「40 代未経験は無理」「まず資格を取ってから」という記事が並び、応募する前に手が止まっている。
40 代で未経験の職種に移るのは無理ではありません。ただ、どこに移るかで難しさが大きく違います。 2026 年に中途採用を予定している担当者のうち、業種も職種も違う 40 代の採用に積極的だと答えたのは 42.9%(見通し)で、20 代の 62.1% より低いものの、4 割強は受け入れる気があります。そのうえで、ゼロから入る事務や IT の開発は入口が狭い。年齢は変えられないので、差をつけられるのは、今の仕事の経験を使える行き先を選ぶことと、その経験の書き方です。事務や IT に移るなら、資格は先に取らなくてかまいません。 当サイトの掲載求人では、未経験OK の事務求人の必須欄に資格名があるのは 5% 未満でした。そして、移りたい理由が仕事の中身なのか、座り仕事や土日休みといった条件なのかを確かめると、探せる職種が広がります。
40 代の未経験採用に前向きな担当者は 4 割強。差をつけられるのは行き先と書き方
マイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」は、2026 年に中途採用をする予定の担当者に、年代ごとに未経験者の採用に積極的かを聞いています。ここでの未経験者は、前の職場と業種も職種も両方違う人です。積極的と答えたのは 20 代 62.1%、30 代 54.9%、40 代 42.9%、50 代 34.0% でした。年齢が上がるほど下がりますが、40 代でも 4 割強の担当者が、未経験者の採用に前向きです(マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」、2026 年 11 月 4 日に確認)。
同じ調査では、応募条件に年齢の希望範囲を挙げる企業(83.2%)が、同じ職種の経験年数を挙げる企業(86.8%)とほぼ同じくらいありました。年齢は変えられないので、今の経験を使える行き先と、その経験の書き方で差をつけます。
未経験で入りやすい仕事、入りにくい仕事
下の表の当サイトの割合は、掲載している求人のうち、応募条件に「職種の経験」と「業種の経験」を分けて書いている 1 つの掲載元の求人だけを数えたものです(2026 年 11 月 4 日時点、会社ごとに数えて 5% 単位に丸めた割合)。ほかの掲載元の求人や、日本の求人全体の割合ではありません。有効求人倍率はハローワークの令和 8 年 9 月の値で、仕事を探している人 1 人あたりの求人の数です(厚生労働省「参考統計表」、2026 年 11 月 4 日に確認)。
| 行き先 | 入口の広さ | 今の経験の使い方 |
|---|---|---|
| 今の経験を使える仕事(チェーンの本部、採用担当、法人営業など) | 当サイトの掲載求人のうち「職種未経験OK」と書いてあるものは、営業で約 55%、人事で約 40% | 人の配置、数字の管理、社内外との調整の経験を、そのまま、または言い換えて使える可能性がある |
| 資格・免許が効く仕事(介護、建設、運転など) | 有効求人倍率は介護 3.94、建設・採掘 5.13、自動車運転 2.56 で、探す人より求人が多い | 資格や免許がないと始められない仕事や、給料に資格が効きやすい仕事がある |
| ゼロからの事務 | 一般事務の有効求人倍率は 0.30 で、探す人に対して求人がかなり少ない。当サイトの掲載求人では事務の約 60% が「職種未経験OK」と書くが、応募の多さとは別 | 事務の経験はないので、PC・Excel で何をしてきたかが材料になる |
| ゼロからの IT 開発 | 情報処理・通信技術者の有効求人倍率は 1.33 で求人のほうが多いが、当サイトの掲載求人で IT エンジニアの「職種未経験OK」は約 20% | 必要な知識が今の仕事に無く、ゼロから学ぶことになる |
当サイトの割合は「職種未経験OK と書く求人の割合」で、入りやすさそのものではありません。事務はその割合が高い一方、ハローワークでは一般事務の仕事を探す人が求人の 3 倍余りいます。未経験OK と書く求人が多くても、探す人に対して求人がかなり少ない仕事です。
IT は求人の数こそ探す人より多いものの、当サイトの掲載求人で未経験OK と書くのは約 20% で、未経験の枠は狭い。これは数字ではなく書き手の見立てですが、IT に行くなら、学校に数か月通って開発職を狙うより、運用やヘルプデスク、社内の情報システム担当のように、今の仕事との接点を話しやすい仕事のほうが狙いやすいと考えます。
今の経験を使える仕事に応募するなら、話せる材料があります。厚生労働省のサイトにある「ポータブルスキル見える化ツール」は、人材サービス産業協議会が開発したもので、業種や職種が変わっても持ち運べるスキルを、仕事のし方(現状の把握、課題の設定、計画の立案、課題の遂行、状況への対応)と人との関わり方(社内対応、社外対応、上司対応、部下マネジメント)の 9 つで整理しています。ミドルシニアのホワイトカラーを想定したツールです(厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」、2026 年 11 月 4 日に確認)。小売の店長の仕事を書き手が当てはめてみると、売上と在庫の数字を見て手を打つのは現状の把握と課題の設定、シフトを組んで人を配置するのは計画の立案、急な欠員やクレームに対応するのは状況への対応、パート・アルバイトの採用と育成は部下マネジメント、本部との調整は上司対応・社内対応に当たります。企業がどう評価するかは会社によりますが、面接で具体的に話せる材料にはなります。
移りたい理由が「条件」なら、職種名でなく条件で探す
事務や IT に移りたい理由が、その仕事そのものをやりたいからなのか、座ってできて土日に休める仕事なら何でもいいからなのか。どちらかによって、探す範囲が大きく変わります。
立ち仕事や土日勤務がつらくて移りたいのなら、職種名から入る必要はありません。「土日祝休み」「デスクワーク」のような条件で探せば、事務と IT 以外に、今の経験を使える営業事務や法人営業、本部の仕事も候補に入ってきます。
ただし、本部の仕事でもスーパーバイザー(SV)のように店舗を回る仕事は移動が多く、会社によっては店が忙しい土日に合わせて動きます。体の負担を減らすことと土日に休むことを優先するなら、SV は候補の後ろに回してかまいません。休みの形は会社ごとに違うので、求人票の休日欄が「土日祝休み」か「シフト制」かと、出張・店舗訪問の頻度で見分けます。本部の教育担当や店舗開発に社外から入れるかも会社によるので、その職種の中途採用の募集が出ているかで確かめます。
今の会社の本部に移る道もあります。社内公募や異動希望の制度があるか、本部の仕事は座り仕事で土日に休めるか、移った時に給与がどうなるかは、会社の中で確かめられます。転職活動と並べて進めてもかまいません。
一方、IT の開発そのものをやりたいのなら、ゼロから学び直すことになります。学ぶ期間を取り、最初は年収が下がることも前提に計画を立てます。
資格は先に取らなくていい。効くのは介護や建設のような職種
応募条件に資格を挙げる企業は、同じ職種の経験を挙げる企業より少なめです。マイナビの調査では、国家資格 63.7%、公的資格(簿記検定・秘書検定など)62.8%、民間資格(TOEIC、MOS など)61.3% で、「同様『職種』の経験年数」の 86.8% より低い。ただしこの設問は職種を分けず、経験者の採用も含んだもので、最も低い民間資格でも 6 割の企業が応募条件にしています。賃金を決める時に免許・資格を考慮した事業所は 30.6% で、経験・能力・知識の 59.2% の半分ほどです。
事務や IT に移るなら資格を先に取らなくてよい、と言えるのは、当サイトの掲載求人の集計からです。同じ掲載元の求人(2026 年 11 月 4 日時点)で、職種未経験OK の事務求人のうち、応募の必須欄に簿記・MOS などの資格名が書かれているのは 5% 未満でした。必須欄に多いのは資格ではなく PC・Excel のスキルで、約 25% に書かれています。IT エンジニアの職種未経験OK の求人でも、必須欄の資格名は 5% 未満です。
半年かけて資格を取ってから応募するより、今の仕事を移りたい職種の言葉で書き直した職務経歴書で応募するほうが先です。Excel などのパソコン操作で足りないと感じる所があれば、MOS の教材などで埋めればよく、資格を取ること自体を目的にしなくてかまいません。
例外は、資格や免許が採用や給料を左右する職種です。賃金を決める時に免許・資格を考慮する事業所は、医療・福祉(介護だけでなく医療も含む産業)で 62.0%、建設業で 41.1% でした。一方、卸売業・小売業は 14.7%、情報通信業は 15.1% です(厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」)。介護や建設のように資格で就ける仕事や給料が変わりやすい職種、運転のように免許がないと始められない仕事なら、資格や免許の話が先に来ます。
店長の作業は、移りたい職種にもある仕事に置き換えると伝わる
職種をまたぐ時は、店長としての作業を「シフト作成」「発注」のような店の中の呼び方のままにせず、移りたい職種の人にも中身が分かる言葉に直して書きます。以下は小売の店長の例です(形の例で、数字は自分のものに置き換えます)。
| 書き換える前 | 書き換えた後 |
|---|---|
| シフト作成 | パート・アルバイト約〇名の勤務計画を月ごとに作成。曜日ごとの客数と人件費の予算に合わせて人員を配置 |
| 発注・在庫管理 | 売上データをもとに発注量を決め、在庫と欠品を管理 |
| Excel できます | 本部の売上データを取り込み、前年比・人件費率を集計する表を作成・運用 |
Excel は「できます」と書かず、実際に作っている表をそのまま書きます。
採用担当の仕事に応募するなら、「パートを採用して育てた」の中身を、何人を、何を変えて、どうなったかで話します。たとえば「年に〇人を採用し、入社後〇か月以内に辞める人が多かった時期は、面接で勤務できる曜日と時間を先にすり合わせるようにした。その後、〇か月以内に辞める人が減った」のように、自分の実際の数字で話せば中身が伝わります。
書類で落ちた理由の見分け方や、出す書類の直し方は「40代で書類選考に落ち続けるのは年齢のせい?見直すのは応募先と書類」にまとめています。
年収は、手当と残業代を分けて比べる
未経験の職種に移った後の年収がどれくらいになるかの数字は、確かなものがありません。判断の材料にするなら、比べ方をそろえます。
まず今の年収を、基本給・役職手当(店長手当など)・残業代・賞与に分けます。日勤で土日休みの仕事に移ると、外れる可能性が高いのは役職手当と残業代です。その分を除いた額と、求人票の年収を比べます。求人票の年収も、残業代込みの見込みなのか、固定残業代が入っているのかを確かめて、同じ条件にそろえます。
家族と話す時も、「いくらまで下がるか」より「手当と残業を除いた分で比べるとこうなる」と見せるほうが、話を進めやすいはずです。40 代の転職で年収がどう動くかは「40代の転職で年収は下がる? 月給と賞与を分けて見る理由」にあります。
元店長に実務を任せてよいか迷われないよう、移る理由を先に話す
管理職から実務の仕事に移る場合は、「人を管理する立場ではなく、実務を担当したい」と先に伝えておくと、「元管理職に実務を任せてよいか」と迷われにくくなります。
体を痛めて立ち仕事がつらいことが理由なら、そのことは 1 文で済ませて、どういう条件なら働けるかの話に移ります。たとえば「立ち仕事が続いて体を痛めたので、座ってできる仕事に移りたいと考えました。デスクワークなら仕事に支障はありません」のように言います。通院の状況など、話してよいか迷うことは、自分から話さなくてかまいません。
最初の一歩は、求人を数件保存して必須欄と休日欄を読むこと
求人を見るのを先にして、職務経歴書はその後にします。休みの日の前半に、「土日祝休み」のような条件と、営業事務・店舗開発などの職種名を組み合わせて検索し、気になった求人を数件保存して、必須欄と休日欄を読みます。後半に、必須欄によく出てくることに合わせて、職務経歴書を 1 か所だけ書きます。給与明細を見て、今の年収を手当や残業代に分ける作業も同じ日にできます。
シフト制で平日が休みなら、面接の日程は休みの日に合わせて伝えればよく、シフトを自分で組める立場なら面接の日に休みを入れられます。オンラインで面接してもらえるかも、日程を相談する時に聞けます。
よくある質問
40 代未経験で、何社くらい受ければいい?
40 代で未経験の職種に応募した時に、何社のうち何社の書類が通るかの公的な統計はありません。書類が通らない時の切り分け方は「40代で書類選考に落ち続けるのは年齢のせい?見直すのは応募先と書類」にまとめています。
40 代から未経験で移るなら、資格は何を取ればいい?
事務や IT に移るなら、先に取らなくてかまいません。当サイトの掲載求人では、職種未経験OK の事務求人の必須欄に資格名があるのは 5% 未満でした。介護・建設のように資格で就ける仕事や給料が変わりやすい職種、運転のように免許がないと始められない仕事なら、その資格や免許が先です。取るなら、厚生労働大臣が指定した講座であれば教育訓練給付が使える場合があります。一般教育訓練は修了後に受講費用の 20%(上限 10 万円)が支給されるなどで、受けられるかはハローワークで確かめます(厚生労働省「教育訓練給付金」、2026 年 11 月 4 日に確認)。
40 代でスキルなしでも転職できる?
「スキルがない」と感じていても、人を配置する、数字を見て手を打つ、社内外と調整する、といった仕事をしてきたなら、それは職種が変わっても使える可能性がある経験です。まずはやってきたことを移りたい職種の言葉に直します。
45 歳・47 歳でも同じ?
何歳なら何 % 移れる、という確率の統計はありません。未経験者の採用に積極的な担当者は 40 代で 42.9%、50 代で 34.0% で、年代が上がるほど少なくなります(マイナビ、2026 年の見通し)。書き手の見立てでは、年齢が上がるほど、ゼロからの職種より今の経験を使える仕事のほうが現実的になると考えます。
「未経験可」の求人なら、本当に未経験で入れる?
「未経験」が職種・業界・社会人経験のどれを指すかで変わります。読み方は「未経験可の求人、実際は企業が経験を問う場合もある どの未経験かと応募資格の確かめ方」に、求人票から年齢の扱いを読む方法は「「年齢不問」は本当は何歳まで? 40代後半が狙える求人の見分け方」に、年齢制限の法律の話は「35歳転職限界説は今も本当? 35歳で実際に変わるのは何か」にあります。販売の仕事のまま会社を変える道は「販売職を辞めたい?会社を変えても土日には休めないのか」で扱っています。
この記事の数字について
- 40 代の未経験者採用の数字は、マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」の Q39 で、2026 年に中途採用を行う予定の担当者の見通しです。採用した実績ではありません。未経験者は前職の業種と職種の両方が違う人の定義で、同じ業界の中で職種を変える人は入りません。応募条件の数字(Q25)は職種を分けず、経験者・未経験者も分けない設問です。調査は 2025 年 12 月に、従業員 3 名以上の企業の中途採用担当者を対象に行ったインターネット調査です
- 賃金決定の要素は、厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」(令和 8 年 9 月公表、5 人以上の事業所)の表 5 です。未経験者に限った数字でも、年齢別の数字でもありません。産業別の値で、医療・福祉には介護職以外も入ります
- 有効求人倍率は、厚生労働省「参考統計表」の令和 8 年 9 月の職業別の値(常用・パートを含む原数値)です。ハローワークを通した求人・求職だけで、民間の求人サイトや人材紹介は入らず、年齢別でもありません。同じ表の職業計は 1.08 倍です
- 当サイトの割合は、当サイトの掲載求人のうち、応募条件に職種の経験と業種の経験を分けて書く 1 つの掲載元の求人(2026 年 11 月 4 日時点で掲載中)を、会社ごとに 1 として数え、5% 単位に丸めたものです。「職種未経験OK」と書いているかの割合で、40 代が実際に採られるかは表していません。求人に「40 代活躍中」のように年代を書くものや、年齢の上限を書くものはどの職種でも 5% 未満で、求人票から年齢の扱いはほとんど読めません。必須欄の資格名の数え方は「簿記不要」のような書き方も拾うため、実際より多めに出る側です
- 店長の仕事のポータブルスキルへの当てはめは書き手の判断で、ツールが店長の仕事をそう分類しているわけではありません。IT の運用・ヘルプデスクなどのほうが狙いやすいという点も、数字で確かめたものではなく書き手の見立てです
- 職務経歴書の書き換えや面接の言い方は、小売の店長を例にした架空の形で、通ることを確かめたものではありません
- 登録販売者など、今の仕事に関わる資格を持っている人が、それを生かして業界の本部や営業に移る道は、この記事では詳しく扱っていません
- 出典: マイナビ「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」、厚生労働省「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」、厚生労働省「参考統計表」、厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」、厚生労働省「教育訓練給付金」(いずれも 2026 年 11 月 4 日に確認)