転職の判断

35歳転職限界説は今も本当? 35歳で実際に変わるのは何か

35歳を過ぎると転職できなくなる、という決まりは今の制度になく、公的な統計にもそうした区切りは見当たりません。35歳を過ぎても変わらないこと(応募できるか、転職後の賃金)と変わること(転職する人の割合、経験を問わない募集の対象年齢)を法令と統計で確かめ、急ぐ理由になるもの・ならないものをまとめました。

公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・35歳を過ぎても応募はでき、転職後の賃金も変わらない。転職した人の6割強は35歳以上で、35歳で途切れない
  • ・35歳で変わるのは、30代後半で転職する人の割合が下がることと、経験を問わない募集が基本的に35歳未満を想定していること
  • ・急ぐかどうかは年齢ではなく、職種を変えたいか、今の職場を早く出たい事情があるか、生活の予定で決めてよい
目次開く
  1. 01限界説の背景には、求人に年齢の上限を書けた時代がある
  2. 0235歳を過ぎても応募はでき、転職後の賃金も変わらない。転職した人の6割強は35歳以上
  3. 0335歳の前後で変わるのは、転職する人の割合と、経験を問わない募集の対象
  4. 04同じ職種で転職するなら35歳の目安は関係しない。職種を変えるなら年齢の影響を受ける
  5. 05急ぐかどうかは、年齢より職種・職場の事情・生活の予定で決める
  6. 06よくある質問
  7. 07但し書き

来年で 35 歳になる、あるいはもう 30 代後半に入った。「35歳転職限界説」を目にして、今のうちに動かないと手遅れになるのではと焦っている。

35 歳を過ぎると転職できなくなる、という決まりは今の制度になく、統計にもそうした区切りは見当たりません。直近 1 年に転職した人の 6 割強は 35 歳以上です(「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」)。制度の中で 35 歳という年齢が出てくるのは、経験を問わず若い人を採って育てる募集の、対象年齢の目安としてだけです。経験のある職種のまま会社を変えるなら、35 歳を理由に急ぐ根拠は見当たりません。急ぐかどうかは年齢ではなく、職種を変えたいか、今の職場を早く出たい事情があるか、生活の予定はどうかで決めてかまいません。

限界説の背景には、求人に年齢の上限を書けた時代がある

2007 年より前は、求人に年齢の上限を書くのが普通でした。2000 年の調査では、求人に上限年齢を設けていた企業は 9 割を超え、上限の平均は 41.1 歳でした(「年齢にかかわりなく均等な機会を」)。

2001 年には、募集・採用で年齢の制限をなくすよう努めることが、会社の努力義務になりました。ただ当時の指針でも、就業規則で年齢に応じて基本給を決めている会社が、その基本給で雇える年齢までに募集を限ることなどは認められていました(同じページ)。2007 年 10 月からは、募集・採用で年齢の制限を設けることが原則として禁止されました(「平成19年10月1日から労働者の募集・採用時に年齢制限を設けることができなくなりました。」)。

35歳を過ぎても応募はでき、転職後の賃金も変わらない。転職した人の6割強は35歳以上

経験を求める募集では、35 歳までのように年齢の上限を書くことは原則としてできません。求人を年齢不問としておきながら、書類選考や面接で年齢を基準に採否を決めることも法の規定に反します(「募集・採用における年齢制限禁止について |厚生労働省」)。当サイトの掲載求人でも、応募資格に年齢の上限を書いている会社は 5% 未満でした(数え方は記事の最後の但し書きに書きました)。

転職した人の年齢を見ると、30 代後半は 30 代前半より少ないものの、35 歳を過ぎて途切れるわけではありません。2025 年 10 月 1 日時点で、直近 1 年に転職した人の 6 割強が 35 歳以上でした(「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」)。

転職後の賃金にも、35 歳の前後で差は見られません。2025 年に転職した人の賃金を前の職場と比べると、増えた人の割合から減った人の割合を引いた差は、30 代前半と 30 代後半で同じでした。減った人の方が多くなるのは、2025 年の数字では 50 代に入ってからです。ただし 50 代前半は年によって増減が逆になり、2024 年は増えた人の方が多くなっていました(「令和7年雇用動向調査結果の概況」。賃金は残業代を含み賞与を除く毎月の額で、年収ではありません)。年齢別の数字の読み方は、転職の年収相場の記事で詳しく扱っています。

35歳の前後で変わるのは、転職する人の割合と、経験を問わない募集の対象

まず、転職する人の割合は 30 代後半で下がります。働いている男性のうち、その年に転職した人の割合は、30〜34 歳の 11.4% から 35〜39 歳の 7.8% へと約 3 割下がります(2025 年、「第4‐2表 性、年齢階級別転職入職率」)。

なぜ下がるのかを調べた研究があります。2015 年の 1 年間のデータを使った研究によると、30 代後半で下がっていたのは主に会社を辞める確率でした。男性は 30 代後半になると会社を辞める人が減る一方、辞めた人が次の仕事に就けた確率は、30 代前半と後半で統計的に有意な差がありませんでした(「「35 歳転職限界説」の再検討」)。2025 年の数字について同じ分析をした調査は見当たりません。

もう 1 つは、制度に出てくる 35 歳という目安です。年齢制限が例外として認められる募集の中に、職業経験を問わずに若い人を採り、長く勤めてもらいながら育てる募集があります。新卒と同じ処遇で、期間の定めの無い雇用であることが条件で、対象は基本的に 35 歳未満が想定されています(「厚生労働省:労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」 Q4-2、「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」 8〜9 ページ)。必ずしも 35 歳未満に限られるわけではなく、同じリーフレットはおおむね 45 歳未満を目安としています。若い人に限った募集ができるのはこのように経験を問わない場合で、経験を求める募集では、原則として年齢で応募者を絞れません。年齢不問の求人の中で、35 歳未満は経験不問、35 歳以上は営業経験者のように年齢で条件を変えることも認められていません(同じ Q&A の Q1-11)。

同じ職種で転職するなら35歳の目安は関係しない。職種を変えるなら年齢の影響を受ける

今と同じ職種の経験者として会社や業界を変えるなら、応募できる募集は 35 歳の前後で変わりません。34 歳と 36 歳で採用する側の評価が変わる、という根拠は見当たりません。

営業から企画やマーケティングへ移るように、経験の無い職種に移りたいなら、年齢は急ぐ理由になりえます。経験を問わない募集は基本的に 35 歳未満が想定されているうえ、業種も職種も変える人の採用に積極的な企業は、採る人の年代が上がるほど少なくなります(数字はよくある質問に載せました)。その調査は 10 歳刻みで、35 歳を境に急に道が閉じるという結果ではありません。

急ぐかどうかは、年齢より職種・職場の事情・生活の予定で決める

35 歳という数字だけでは、急ぐ理由になりません。34 歳の人が 1 年待つと、統計の上では 30 代前半から 30 代後半の欄に移ります。この 2 つの年代で、転職後の賃金の結果は同じで(2025 年)、辞めた人が次の仕事に就けた確率にも差はありませんでした(男性、2015 年)。

急ぐ理由になりうるのは、職種を変えたい時と、今の職場を早く出たい事情がある時です。結婚や住まいなど生活の予定も、年齢より先に決め手にしてかまいません。

今の職場に大きな不満が無いなら、年齢を理由に急いで辞めるべきだと示す数字はありません。在職中に求人を見始めれば、辞めるかどうかは比べた後で決められます。不満は小さいのに焦っている時の考え方は、転職しない方がいい人について書いた記事で扱っています。

同じ職種でも、業態の違う会社に移る時は、これまでの経験がそのまま評価されるとは限りません。たとえば、売り切りの商材を扱ってきた法人営業が、継続課金の商材を扱う会社の法人営業に移る場合です。未経験者の扱いにはなりませんが、業態の違いについては面接で聞かれるものと考えて準備しておくのがよいでしょう。違いを隠さず、共通する仕事を事実のまま話し、担当した社数や件数などの数字を添えます。経験の浅い業務があれば、専任ではなかったと先に伝えておくほうがよいと考えます。

よくある質問

38歳の転職は遅い?

遅いと示す数字はありません。38 歳で転職がうまくいく割合を示す公的な数字はありませんが、男性の転職入職率は 35〜39 歳 7.8%、40〜44 歳 7.3% でほぼ同じです(2025 年、「第4‐2表 性、年齢階級別転職入職率」)。35 歳を過ぎてから 40 代前半まで、転職する人の割合に大きな差はありません。

転職が厳しくなるのは何歳から?

35 歳ちょうどを境にした区切りは、公的な統計には見当たりません。年齢とともに変わる数字はいくつかあります。30 代前半から後半にかけては、転職する人の割合が下がります(2015 年のデータを使った研究では、下がったのは主に会社を辞める確率でした)。同じ研究では、辞めた男性が次の仕事に就けた確率が、45〜49 歳で統計的に有意に低くなっていました。賃金は、2025 年の数字では、増えた人と減った人の差が 40 代後半で小さくなり、50 代では減った人の方が多くなります。ただ、40 代後半から 50 代前半の結果は年によって変わります。

35歳から未経験の仕事に移れる?

移れないとは言えませんが、年齢による差は出てきます。経験を問わない募集は、基本的に 35 歳未満が想定されています。2026 年の中途採用の見通しを聞いた調査では、前職と業種も職種も違う人の採用に積極的と答えた人事担当者は、20 代の人材の採用について 62.1%、30 代の人材で 54.9%、40 代の人材で 42.9% でした(2026 年に中途採用を行う予定の人事担当者 1,431 人、「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」)。職種を変えたいなら、年齢は急ぐ理由になりえます。

35歳を過ぎるとマネジメント経験を求められる?

法令でそう決まっているわけではありません。制度に 35 歳という目安が出てくるのは、経験を問わない募集だけです。どんな経験を求めるかは求人ごとに違います。リーダー経験の書き方や、管理職候補の求人の見分け方は、管理職候補の求人についての記事で扱っています。

年齢不問と書いてあっても、書類で年齢を見て落とされるのでは?

年齢不問と書いたうえで、書類選考や面接で年齢を基準に落とすことも法の規定に反します。ただ、個々の会社が実際に何歳まで通しているか、落ちた理由が年齢だったかは、外からは確かめられません。求人票のどこに会社が想定する年齢が表れるかは、「年齢不問」の求人についての記事で扱っています。

求人に20代・30代が活躍中と書いてあったら、応募しない方がいい?

それだけで応募をやめる理由にはなりません。年代の書き方は、今いる社員の年齢層や職場の様子を伝えるもので、求人で年齢を理由に応募を断ることは原則としてできません。当サイトの掲載求人では、20 代・30 代の活躍や在籍を書く会社は約 15%、40 代・50 代を同じように書く会社はそれぞれ 5% 未満でした(数え方は但し書きに書きました)。

但し書き

  • 「6 割強」は、2025 年 10 月 1 日時点の一般労働者のうち、2024 年 10 月から 2025 年 9 月に雇われ、その前 1 年間に別の会社で雇われていた人の年齢構成で、35 歳以上の各年齢の割合を足した値(62.8%)です。転職しようとした人のうち何割が転職できたかを示す数字ではありません
  • 転職入職率は、その年に転職して入った人の数を、6 月末の常用労働者の数で割ったものです。分母は働いている人全員なので、30 代後半で割合が下がったのが、転職しようとしなかったからか、転職できなかったからかは、この数字だけでは分かりません。女性は 30〜34 歳 13.1%、35〜39 歳 9.3%、40〜44 歳 10.5% で、40 代前半で再び上がるなど男性と変わり方が違うため、本文では男性の数字を使いました
  • 賃金の増減は 2025 年の 1 年分の数字で、年によって変わります。増えた人の割合から減った人の割合を引いた差は、30〜34 歳と 35〜39 歳でどちらも +19.6 ポイントでした。増えた人の割合そのものは、この 2 つの年代で同じではありません
  • 研究の結果は、2015 年の 1 年間のデータを使った分析で、年ごとの変化は見ていません。次の仕事に就けた確率は、その年に会社を辞めた人だけを対象にしています。著者は、男性で 30 代後半に会社を辞める人が減ることを指して、今も限界説に近いことが起きているとまとめています
  • 経験を求める募集でも、技能の継承のために特定の年齢層を採る場合など、年齢の上限が認められる例外がいくつかあります。本文の「原則」はこの意味です。年齢不問の求人の中で年齢によって条件を変えることは認められませんが、経験を問わない若い人の募集と、経験者を採る例外とを別々に使って条件を分けることはできます(Q&A の Q1-11)
  • 未経験者の採用の数字は、前職と業種も職種も違う人の採用についての人事担当者の見通しです。同じ業界の中で職種だけを変える人はこの定義に入りません。年代は 10 歳刻みで、35 歳の前後は分けられていません
  • 当サイトの数字は、2026 年 11 月 4 日時点で掲載中の求人を会社単位で数え、割合を丸めたものです。年齢の上限は応募資格の欄(手当・定年・再雇用などの話を含む欄は除く)、年代の書き方は題名・仕事内容・応募資格・PR の欄で、年代の近くに活躍・在籍などの語がある会社を数えました。20 代・30 代と 40 代・50 代では、年代の近くにあるかを数えた語が少し違うので、厳密な比較ではありません。当サイトの求人は人材紹介や求人媒体を経由したもので、求人全体の割合ではありません
  • 年齢別の書類選考の通過率は、公的な統計には見つかりませんでした。個々の会社が書類選考で何歳まで通しているかは、この記事では分かりません
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