職種の求人市場
「年齢不問」は本当は何歳まで? 40代後半が狙える求人の見分け方
求人の「年齢不問」は、法律で年齢の制限を書ける場合が限られているための表示で、何歳までという共通の線はありません。ハローワークの年齢制限該当事由の読み分け、求める経験や年代の書き方に会社の想定が出る所、40代後半を採る相手として考えている求人の見分け方とミドルシニア求人の探し方をまとめました。
公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・「年齢不問」は年齢を書けないからそう書いてあるだけで、何歳までという線も、落ちたのが年齢のせいかも外からは分からない
- ・会社の想定が出るのは、ハローワークの年齢制限該当事由と、求める経験・任される範囲・年代の書き方
- ・40代後半を想定している求人と、していない求人の違いと、ハローワークのミドルシニア限定・歓迎求人の探し方
目次開く閉じる
「年齢不問」と書かれた求人に出しているのに、書類で落ち続けている。本当は何歳まで採るつもりなのか、どの求人なら見込みがあるのかを知りたい。
何歳までという一律の線はありません。「年齢不問」は、会社が年齢を気にしていない印ではありません。法律で年齢の制限(上限・下限)を書ける場合が 6 つに限られていて、それ以外の求人は年齢を書けないので、そう表示しています。年齢の想定がある会社も無い会社も求人票の上では同じ書き方になるので、落ちたのが年齢のせいか書類のせいかも、外からは 1 社ずつ確かめられません。
ただ、求人票のほかの欄を見れば、会社が 40 代後半の自分を採る相手として考えている求人かどうかは読めます。見るのは、ハローワークの求人票なら年齢制限の欄と該当事由、民間の求人票なら求める経験の中身と任される範囲です。長く同じ仕事を続けてきた人は、「未経験歓迎」より、求める経験が自分と重なる求人を狙う方が見込みがあります。
「年齢不問」は、年齢を書けないからそう書いてあるだけ
会社は、募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければなりません(「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」第 9 条。以下、労働施策総合推進法)。年齢の制限(上限・下限)を書いてよいのは、次の 6 つの場合だけです(「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則」第 1 条の 3)。
- 定年を上限にする、期間の定めのない募集(1 号)
- 法令で年齢による就業の制限がある業務(2 号)
- 長く勤めてもらう前提で、職業経験を問わず若い人を育てる募集(3 号イ)
- 技能を継ぐために、人数の少ない年齢層を募る募集(3 号ロ)
- 芸術・芸能(3 号ハ)
- 60 歳以上や、国の施策の対象になる年齢層を募る募集(3 号ニ)
これ以外の求人は年齢を書けないので、「年齢不問」と書いてあるか、年齢について何も書いていないかのどちらかになります。「年齢不問」の文字があるかどうかで、会社の考えは見分けられません。
そもそも、年齢の上限を書いている求人は多くありません。当サイトの掲載求人では、応募資格の欄に「○歳以下」「○歳まで」のような上限を書いている会社は 5% 未満でした。上限を書いている会社のうち、50 歳未満の上限を書いている会社が約 95% です(2026 年 11 月 4 日時点で掲載中の求人を会社単位で数え、割合は丸めています)。
ハローワークの求人票は「年齢制限該当事由」で読み分けられる
ハローワークの求人票には年齢制限の欄があり、年齢制限のある求人では「年齢制限 あり(35歳以下)」「年齢制限該当事由 キャリア形成[長期勤続によるキャリア形成]」のように表示されます(「求人票に“一工夫”加えてみませんか!(ハローワーク松本、2023 年 5 月)」)。40 代後半が対象に入るかどうかは、該当事由で決まります。
| 該当事由 | どんな枠か | 40 代後半は |
|---|---|---|
| キャリア形成(3 号イ) | 職業経験を問わず、新卒と同じように育てる枠。上限は基本 35 歳未満を想定し、目安はおおむね 45 歳未満 | 経験の長い人を採るための枠ではない。外してよい |
| 定年を上限(1 号) | 定年 60 歳なら「60 歳未満」まで。習熟に時間がかかることを理由に上限を下げることはできない | 対象に入る |
| 技能継承(3 号ロ) | 30〜49 歳のうち 5〜10 歳の幅で、その職種で人数の少ない年齢層を募る | 書かれた年齢の幅に入るかで決まる |
| 60 歳以上・国の施策の対象(3 号ニ) | 60 歳以上や、国の施策で雇用を進める年齢層を募る枠 | 枠の年齢層しだい |
キャリア形成の枠の中身は、厚生労働省のリーフレット「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」(8〜9 ページ)と「厚生労働省:労働者の募集及び採用における年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」(Q4-2)によります。定年を上限にする枠は同じリーフレットの 7〜8 ページと Q&A の Q2-3、技能継承の幅はリーフレットの 10 ページです。
キャリア形成の枠には「経験者優遇」「経験があれば尚よい」も付けられません(Q&A の Q4-5・Q4-7)。逆に言えば、経験を求める書き方がある求人は、少なくとも経験不問の育成枠ではありません。
民間の求人票で会社の想定が分かるのは、求める経験・任される範囲・年代の書き方
民間の求人サイトや人材紹介の求人票には、年齢制限の欄がありません。代わりに、次の書き方から会社の想定が読み取れます。
求める経験の中身と年数。 会社は求人に、職務の内容と必要な能力・経験をできる限り書くことになっています(施行規則 第 1 条の 3 第 2 項)。求める経験の中身と年数が自分の経験と重なっていれば、会社が探している人に自分が当てはまると考えられます。なお、年齢不問の求人で経験年数を求めるのは問題ありませんが、合理的な理由なく非常に長い年数を求めるのは事実上の年齢制限と解されます(Q&A の Q1-10)。
任される範囲。 「責任者」のように任される範囲や、「マネジメント経験歓迎」のように求める経験の水準が書いてある求人は、経験を積んだ人を探している求人です。反対に「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」「育成」が前に出ていて、経験は「3 年以上」だけ、業務の説明が指示に沿って作業を進める内容、という求人は、長い経験の人を想定した求人ではないと読みます。
社員の年代の書き方。 「平均年齢 32 歳」「20 代が中心」は年齢制限ではありません。厚労省は、こうした書き方をする会社に、20 代でなければならない、20 代を優先して募集している、という誤解を生まないよう努めることを求めています(Q&A の Q1-5・Q1-6)。配属先の顔ぶれを知る手がかりにはなりますが、年代を書いている会社ほど年齢で落とす、とまでは言えません。当サイトの掲載求人では、「平均年齢」を書く会社は約 10%、「20 代・30 代が活躍・中心」のように年代を書く会社は約 15% でした(2026 年 11 月 4 日時点、会社単位。題名・業務内容・応募資格・PR の欄を数えた)。
書いてはいけない書き方。 「年齢不問。ただし 35 歳未満の方歓迎」や「○歳前後」は、厚労省が法の趣旨に照らして適当でないとしている書き方です(Q&A の Q1-4・Q1-12・Q4-12)。見かけたら、会社が採りたい年齢をはっきり決めている印と読めます。
40代後半を想定している求人、していない求人
ここまでの見分け方を当てはめると、求人は次のように分かれます。
- 40 代後半を想定していない求人: ハローワークでキャリア形成の年齢制限がある求人。「未経験歓迎」「第二新卒歓迎」「育成」が前に出ていて、業務の説明が指示に沿って作業を進める内容の求人
- 40 代後半を想定している求人: 求める経験の中身と年数が自分と重なる経験者の求人。「責任者」のように任される範囲や、「マネジメント経験歓迎」のように求める経験の水準が書いてある求人。定年を上限にする求人。ハローワークの中高年層(ミドルシニア)歓迎求人
「担当」の求人を全部外す必要はありません。求める経験年数が長めだったり、任される範囲が書いてあったりする求人なら、応募先に入れてよい求人です。応募資格に業界の指定があるかどうかも見ます(「製造業での生産管理経験」なのか「自動車部品業界での経験」なのか)。
たとえば、製造業の生産管理を長く続けてきた人が十数社に出して、書類が通ったのが 1 社だけだったとします(架空の例です)。通った 1 社の求人は「生産計画の責任者」「マネジメント経験歓迎」、落ちたほかの会社は「生産管理担当」とだけ書いた求人でした。出した求人を、求める経験・任される範囲・未経験歓迎の有無で見比べると、40 代後半を想定していない求人に出していたのかどうかが見えてきます。
経験は合っているのに落ちる場合は、書類の書き方に原因があることもあります。たとえば部署名と肩書きの 1 行だけでは、任されてきたことが読み手に見えません。書類の見直し方は書類選考に落ちた理由が分からないときで扱っています。
年齢で落とすのは法違反。でも理由は確かめられない
厚労省は、求人票を年齢不問としながら、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決めたりするのは法の規定に反するとしています。形だけ年齢不問にすればよいのではなく、応募者を年齢で判断しないことが要る、という立場です(「その募集・採用 年齢にこだわっていませんか?」 1・2 ページ)。
ただ、守らせる仕組みは強くありません。違反した会社は国の助言・指導・勧告の対象になります(労働施策総合推進法 第 42 条)が、第 9 条の違反に罰則は無く、制裁的な公表もありません(Q&A の Q1-7)。そして落とされた側には、不採用の理由が年齢だったのかを確かめる手段がありません。
落ちた理由を推し量るより、次の応募先を選ぶ方に時間を使う方が実りがあります。年齢にかかわらず経験で採った例もあり、同じリーフレットの 6 ページには、「製造工程管理(年齢不問)」の求人で 50 代を想定していた会社が、経験 10 年以上の 40 代を採った例が載っています(行政が紹介する好事例で、どれだけあるかは分かりません)。
経験者の求人と並行して、ハローワークのミドルシニア求人も探せる
ハローワークには、年齢層を明示した「中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人」があります。2025 年度に「就職氷河期限定・歓迎求人」の対象を 35〜59 歳に広げて改称したものです。限定求人は年齢制限が 35〜59 歳で、対象は正社員雇用の機会に恵まれなかった人です。歓迎求人は年齢不問のまま、「中高年層(ミドルシニア)については経験不問」のような注記が付きます。長く正社員で働いてきた人が主に使えるのは、歓迎求人の方です。どちらも雇用期間の定めが無く経験不問で、選考が面接のみの求人も多いとされています(「中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人|厚生労働省」、「ミドルシニア世代支援サイト(事業主の方へ) |青森労働局」、「求人提出を是非、ご検討ください!『中高年層(ミドルシニア)歓迎求人』、『中高年層(ミドルシニア)限定求人』|ハローワーク立川」)。
ハローワークインターネットサービスでは、就業場所・職種(製造・工場を含む)・条件(書類選考なし など)を選んで探せます。厚労省によると、2025 年度に全国で開拓した求人は約 23 万件、そのうち約 2 万 2 千件が就職に結びつきました。ただ、件数の多い職種は施設の介護員、タクシー・ハイヤーの運転手、一般事務員で、長い経験を活かせる求人がどれだけあるかは分かりません。経験者の求人と並行して探す先として使うのがよいと考えます。
民間の求人サイトしか見ていなかった人は、ハローワークの求人票も見てみると、年齢制限の欄と該当事由が見える分、40 代後半が対象に入るかを読みやすくなります。
よくある質問
年齢だけで不採用にされるのは違法じゃないの?
年齢不問の求人で、年齢を理由に書類選考や面接で落とすのは法の規定に反します。ただし罰則は無く、国の助言・指導・勧告の対象にとどまります。落とされた側から、年齢が理由だったかを確かめる手段もありません。
「年齢一切不問」やハローワークの「年齢不問」とは、どういう意味?
6 つの例外に当たらない求人は年齢を書けないので、「年齢不問」と書いてある、という意味です。どの年齢でも採る、という会社の約束ではありません。
年齢不問は何歳まで応募できる?
応募は何歳でもできます。何歳まで採るかの一律の線は、公的な資料にもありません。自分が採る相手として考えられているかは、求める経験の中身と任される範囲から判断します。
年齢制限が書いてある求人に、上限より上の年齢で応募してもいい?
該当事由がキャリア形成なら、職業経験を問わず若い人を育てる枠なので、経験の長い人を採るための枠ではありません。65 歳以下の上限を付ける会社には、その理由を求職者に示す義務があり、求人に書けない時は求められたら書面などで示すことになっています(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」第 20 条、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」第 6 条の 6)。
40 代後半だと、転職エージェントに相手にされない?
相手にされない、と言い切れる材料はありません。doda のエージェントサービスを使って 2025 年に転職した人のうち、40 歳以上は 17.5% で、2022 年の 13.9% から増えています(「転職は何歳まで? 転職者の平均年齢 年代別の転職活動のポイントは?【最新版】」)。40 代後半だけの割合は公表されていません。
但し書き
- 年齢別の書類選考の通過率は、公的な統計にも調査会社の公表にも見つかりませんでした。40 代後半がどれだけ通りにくいかを示す数字は、この記事には載せていません
- 当サイトの数字は、2026 年 11 月 4 日時点で掲載中の求人を会社単位で数え、割合を丸めたものです。年齢の上限は応募資格の欄、年代の書き方は題名・業務内容・応募資格・PR の欄を数えており、数えた欄が違うので 2 つは比べられません。当サイトの求人は人材紹介や求人媒体を経由したもので、ハローワークの求人とは表示の仕組みが違います
- 法令の条番号は、2026 年 11 月 4 日に e-Gov で確かめた現行のものです。厚労省の Q&A は 2007 年の作成で旧い条番号のまま書かれており、リーフレットの条番号も現行と違う所があります
- ミドルシニア求人の就職件数は、開拓した求人の数に対するもので、応募した人の数に対するものではありません。通りやすさを示す数字ではありません
- 求人票から読めるのは、会社が書いた範囲の想定までです。何も書いていない会社の想定や、自分が落ちた理由が年齢かどうかは、求人票からは分かりません