転職の判断

「転職しない方がいい人」に自分は当てはまる? 今の職場に残るか、転職に動くかを決める

「目的が曖昧」「逃げたいだけ」と自分を採点しても、残るかは決まりません。今の職場への不満か、次に広げたい仕事を一つ挙げ、求人票に書いてあれば比べ、なければ面接で聞きます。今は残る、残りながら求人を比べる、面接で確かめてから決める、のどこへ進むかが分かります。

公開 2026年9月21日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • 今の職場への不満か、次に広げたい仕事を一つ書き、どちらも無ければ今は残る
  • 今の職場に残りながら、求人票に書いてある欄を比べる
  • 書いていない欄は面接で聞き、今の職場と比べてから決める
目次開く
  1. 01「転職しない方がいい人」は、性格の一覧では決まらない
  2. 02最初に一つ書き、三つの段階を進む
  3. 03人間関係と仕事内容は、理由の名前だけで決めない
  4. 04前職と比べた賃金は、上がる人も下がる人もいる
  5. 05求人票に書いてあれば、そこから比べる
  6. 06求人票に書いていなければ、面接で聞く
  7. 07答えがそろったら、残るか転職するかを決める
  8. 08三つの段階で分からないこと
  9. 09よくある質問

「転職の目的が曖昧」「不満から逃げたいだけ」。そう言われると、自分は転職しない方がいい人なのかと迷います。でも、人の特徴を自分に当てはめても、今の職場に残るかは決まりません。

今いる段階が分かれば、次にすることは一つです。退職は、今の職場と応募先を比べられる答えがそろってから決めます。

例に使うのは架空の経歴です。39 歳で地方の事務職。時短で働ける職場を希望し、収入も気になっています。

「転職しない方がいい人」は、性格の一覧では決まらない

転職しない方がいい人として、「目的が曖昧」「不満の解消だけが目的」「感情的」「逃げ癖がある」といった特徴がよく挙げられます。自分に当てはめると、転職したい理由が前向きか後ろ向きかを採点することになります。

けれども、知りたいのは今の職場に残るか、転職に動くかです。性格を採点しても、応募先で不満が変わるか、望む仕事を担当できるかは分かりません。自分で答えられる問いと、求人票や面接で確かめる問いに分けます。

最初に一つ書き、三つの段階を進む

  1. 今の職場で変えたいことを一つ書きます。強い不満がない人は、次の職場で広げたい仕事を一つ書きます。どちらも無ければ、今は残ります。候補が複数あるなら、それが変わらないと転職をやめるほど大切なものから選びます。例の事務職なら、まず「収入を上げたい」と書きます
  2. 今の職場に残りながら、応募資格を満たす求人のうち、書いてある欄を比べます
  3. 書いていない欄を面接で聞きます。必要な答えがそろったら、今の職場と比べて転職するか残るかを決めます

今の仕事への不満を一段目で見るのは、自分の手元で答えが出て、その後に求人票や面接で確かめる問いへ変えられるからです。

リクルートワークス研究所の全国就業実態パネル調査(JPSED)は、同じ人を継続して追う調査です。最初に仕事への不満が無かった人のうち、2 年後も不満が無かった割合は、残った人で 83%、転職した人で 77% でした。最初に不満だった人では、残った人の 39%、転職した人の 58% が 2 年後に不満ではなくなっていました(リクルートワークス研究所「働き方に不満。転職と残留、どちらを選ぶ? ―“Exit Voice”理論の実際―」、2026-09-21 確認)。ただし、転職した人と残った人は無作為に分けられた比較ではありません。急いで辞める理由も、必ず残る理由も、この四つの数字からは出ません。

この数字で自分の行き先は決められません。一段目では統計に自分を当てはめず、今の職場で変えたいことか、次に広げたい仕事を自分の言葉で一つ書きます。

人間関係と仕事内容は、理由の名前だけで決めない

一段目で書いたものが人間関係や仕事内容なら、二段目へ進む前に知っておきたい数字があります。「人間関係が理由なら、どこへ行っても同じ」「仕事内容への不満なら、まず今の会社で異動を待つ」。よく出る意見ですが、理由の名前だけでは残るとも転職するとも決められません。

採用広告の運用代行などを手がける株式会社ビズヒッツが転職経験者 500 人に、転職を思いとどまったほうがいいと思う理由やケースを聞いた独自調査では、人間関係が 1 位、仕事内容が 2 位でした。調査は 2021 年 8 月のインターネット任意回答です(Biz Hits「転職しないほうがいいケースランキング!転職を迷ったときの対処法も解説」、2026-09-21 確認)。これは、転職した結果ではなく、経験者の意見を集めた順位です。

一方、リクルートワークス研究所が転職した人の 1 年の変化を調べた JPSED では、人間関係への不満を理由にした人のうち、仕事そのものの満足度が上がった割合は 39.2%、下がった割合は 24.9% でした。仕事内容への不満では、上がった割合が 39.1%、下がった割合が 18.9% でした(リクルートワークス研究所「転職により仕事の満足度はどのように変化するのか?」、2026-09-21 確認)。

人間関係を理由に転職した人の仕事の満足度は、上がった人も下がった人もいて、一律に下がってはいません。だからといって、人間関係を理由に転職すればよいとも言えません。理由の名前で決めず、求人票に書かれた配属先の人数や役割分担を比べ、書かれていなければ面接で聞きます。

仕事内容も同じです。募集時点の担当は求人票で比べられますが、入社後に担当が変わる時期や広がる時期は、仕事内容の欄だけでは分かりません。ここは後で面接の質問に変えます。

前職と比べた賃金は、上がる人も下がる人もいる

一段目に「収入を上げたい」と書いた人も、二段目へ進む前に、前職と比べた賃金の増減を知っておきます。「転職すれば上がる」「転職すると下がる」のどちらかには決められません。

賃金そのものを見ると、厚生労働省の令和 7 年雇用動向調査では、2025 年に転職した人の 40.8% が前職より増加、31.0% が減少、25.5% が変わらないと答えています(厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」、2026-09-21 確認)。

別の厚生労働省の令和 2 年転職者実態調査では、賃金が増えた人は 39.0%、減った人は 40.1% でした(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」、2026-09-21 確認)。調査によって、下がった人は 3〜4 割の幅があります。

例の事務職も、この割合で自分の増減を予測せず、応募できる求人の年収を今の年収と比べます。年収を比べる詳しい手順は、適正年収は平均では分からないに載せています。

求人票に書いてあれば、そこから比べる

まず応募資格を読み、必須の資格や経験を満たす求人だけを残します。応募できない求人の年収や働き方を比べても、自分の選択肢にはならないからです。その後、最初に書いた不満や広げたい仕事を、求人票のどこで比べるか決めます。同じ求人の中にも、書いてある欄と書いていない欄が混ざります。

残業の実績、配属先の人員構成、評価の仕組みは、多くの求人で面接時に聞くことになります。当サイト PREVIO の掲載求人を数えると、仕事内容の欄はほぼ全件にあり、年収の下限は 85%、残業の実績は 15%、転勤の有無は 20%、配属先の人員構成は 10%、評価の仕組みは 10% の求人に記載がありました。残業や時間外という語自体は 65% にありましたが、平均時間か「残業なし」という実績まで書かれた求人は 15% です。分母は 2026-09-21 時点で掲載中の全求人で、職種・勤務地を絞らずに全件を集計し、割合は 5% 単位に丸めました。文章の表現を検索した集計なので拾えない言い回しがあり、割合は下限寄りです(当サイト PREVIO の掲載求人、2026-09-21 集計)。

見る場所は、最初に書いた答えと一対一で対応させます。

  • 仕事内容を広げたい: 仕事内容の欄で、入社直後に担当する仕事を比べる
  • 収入を上げたい: 年収の下限を今の年収と比べる。固定残業代を含む場合は、何時間分でいくらかを確かめ、固定残業代を除いた額でも比べる
  • 残業を減らしたい: 月平均の時間か「残業なし」の記載を探す
  • 転勤を避けたい: 転勤の有無と、勤務地の変更範囲を見る
  • 人間関係が気になる: 配属先の人数や役割分担を見る
  • 評価への不満がある: 評価面談の回数、評価する人、昇給への反映を見る

時短勤務、資格手当、日勤など、この一覧にない希望も同じです。勤務時間、手当、勤務形態など、当てはまりそうな欄を探し、無ければ面接で聞く項目にします。

書いてある欄は、今の職場に残りながら複数の求人で比べます。ここが二つ目の段階です。求人票だけで退職を決めず、書いていない欄を次の段階へ送ります。

求人票に書いていなければ、面接で聞く

見ている求人に書いていない項目だけを、面接で聞きます。人間関係なら必ず面接、残業なら必ず求人票、と理由ごとに固定しません。

質問には、対象と期間を入れます。

  • 入社直後は何を担当しますか。その後、担当が変わる、または広がるのはいつで、何が条件ですか
  • 配属先は何人で、それぞれ何を担当していますか
  • 配属先の直近半年の平均残業時間は、月に何時間ですか
  • 直近 3 年で、この職種の人が転勤した地域はどこですか
  • 評価面談は年に何回あり、誰が何をもとに評価しますか

例の事務職が見つけた求人に固定残業代の内訳が無ければ、「固定残業代は何時間分で、いくらですか」と面接で聞きます。

答えがそろったら、残るか転職するかを決める

必要な答えがすべてそろい、応募先が今の職場よりよければ転職を決めます。

書いた一つについて、応募先が今の職場と同じか悪ければ、今の職場に残ります。応募先の方がよく、ほかにも確かめたい希望があれば、次の一つも同じ段階で調べます。答えが曖昧な間は、まだ三つ目の段階です。聞き直すか、その求人を候補から外します。

三つの段階で分からないこと

ここまでの数字は、個人の転職後を予測する診断ではありません。範囲と限界は次のとおりです。

  • 最初の JPSED は、2017 年時点で 25〜49 歳の正社員だった人を 2019 年まで追った調査です。「不満が無い」には「どちらともいえない」が含まれます。正社員以外や、この年齢の範囲に入らない人の傾向は示していません(リクルートワークス研究所「働き方に不満。転職と残留、どちらを選ぶ? ―“Exit Voice”理論の実際―」、2026-09-21 確認)
  • 理由別の JPSED は、JPSED2021 と 2022 の回答者のうち、2020 年と 2021 年に少しでも働いた人を対象に、ウエイトを用いて集計しています。年齢区分は 15〜24 歳からです。転職者は、退職経験があり、2021 年に新しい仕事に就いた人です。測ったのは人間関係や賃金そのものではなく、仕事そのものの満足度です。理由別の人数と、同じ不満を抱えて残った人の数字は示されていません(リクルートワークス研究所「転職により仕事の満足度はどのように変化するのか?」、2026-09-21 確認)
  • 令和 7 年雇用動向調査の賃金の増減は、前職が雇用者で、調査時に転職先へ在籍していた転職入職者の回答です。すでに離職した人や、これから応募する個人の増減は分かりません(厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」、2026-09-21 確認)
  • 令和 2 年転職者実態調査は、5 人以上の事業所で、2019 年 10 月 1 日から 2020 年 9 月 30 日までに、雇用期間の定めが無いか、1 年以上の雇用期間を定めて雇用された一般労働者(短時間労働者を除く)のうち、雇用前の 1 年間に他企業で雇用された経験がある人を対象に、2020 年 10 月 1 日現在の状況を調べています。調査時点で在籍している人が対象なので、転職後すぐに辞めた人は入りません。令和 7 年雇用動向調査とは対象と調査時期が異なるため、割合を一つにまとめて個人の予測には使えません(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況 調査の概要」、2026-09-21 確認)
  • 当サイト PREVIO の集計は、求人票に記載があるかを数えたものです。記載が実態どおりか、書いていない求人の実態がどうかは分かりません。職種と勤務地を絞らない全求人の割合なので、自分が探す職種や地域でも同じ割合になるとは限りません
  • 会社の将来性への不満は、この記事では扱いません

まずは、今の職場で変えたいことか、次の職場で広げたい仕事を一つ書いてください。

よくある質問

転職して後悔する確率はどれくらいですか?

この記事で使った調査からは、後悔する確率は出せません。令和 2 年転職者実態調査では、転職後の職業生活全体に不満またはやや不満と答えた人は 11.4% でしたが、これは後悔した人の割合ではありません(厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」、2026-09-21 確認)。確率で決めず、一段目で自分が変えたいことを一つ書くところへ戻ります。

転職した方がいい人かどうかを診断する方法はありますか?

「最初に一つ書き、三つの段階を進む」の番号付きリストで、自分が今いる段階を確かめてください。

人間関係が理由なら、転職しても同じですか?

この記事の調査では分かりません。JPSED は人間関係そのものを測っておらず、測ったのは仕事そのものの満足度です。人間関係を理由に転職した人では、仕事そのものの満足度が上がった割合も下がった割合もあり、一律に下がってはいません。同じ不満を抱えて残った人との比較はないため、転職した方がよいとも言えません。

自分の年収より上の求人は、どう探せばいいですか?

求人を開き、年収の下の端を今の年収と比べます。職種と勤務地をそろえて数える手順は、市場価値診断の年収はどう読むかに載せています。

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