転職の判断
時短勤務で転職すると、入社1年目は時短を使えない?
時短勤務のまま正社員で転職できるか、入社1年目に時短を使えないのはどんな時かをまとめました。制度ごとに入社1年未満の人がどう扱われるかを表にし、応募先への聞き方の例と、時短で移った時の年収の考え方も載せています。
公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・入社1年目に時短を使えないのは、会社が労使協定で入社1年未満の人を対象から外している時。短時間勤務・残業免除・残業の上限・3歳以降の措置・在宅で扱いがどう違うか
- ・時短で探すかフルタイムで残業なしで探すかの分かれ目と、応募先に確かめる3つ(当サイトの掲載求人で時短に触れる会社の割合も)
- ・時短で転職した時の年収が、時間の按分・残業代・賞与・育児時短就業給付の4つでどう決まるか
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育休明けに時短で戻ったものの、残業が前提の職場で両立が続かない。転職したいけれど、新しい会社では時短を使えないのではないか。
時短のままでも、正社員で転職はできます。 入社1年目に時短を使えないのは、法律の決まりではなく、会社が労使協定で「入社1年未満の人」を対象から外している時です。「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の第23条は、3歳未満の子を育てる人に短時間勤務を用意するよう会社に義務づけたうえで、協定を結べば入社1年未満の人を外せるとしています。外すかどうかは会社が決めます。
確かめることは、どういう契約で入社するかで変わります。入社の時から勤務時間の短い契約で入るなら、この「1年未満」には左右されないと読めます。フルタイムで入って入社後に時短を申し出るなら、その会社が入社1年未満の人を対象外にしているかが分かれ目です。子どもが3歳になるまで待っても、この扱いは無くならず時期がずれるだけなので、内定前に勤務時間などの条件を話し合う段階で応募先に聞き、その答えで決めるのが確かです。
入社1年目に時短を使えないのは、会社が入社1年未満の人を対象外にしている時です
法律が会社に用意させている短時間勤務は、3歳未満の子を育てる人が申し出て使うものです。1日の所定労働時間を原則6時間にする形を含めなければならないと、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」の第73条が決めています。
この短時間勤務から、会社は労使協定で、その会社に雇われて1年に満たない人を外せます(第23条1項のただし書)。協定を結んでいない会社なら、入社した月から申し出られます。
時短のまま転職する時の入社のしかたは2通りあります。
- 入社の時から勤務時間の短い契約で入る。 職名や見出しに「時短正社員」「時短ポジション」と書く求人には、この形のものがあります。所定労働時間がはじめから短いので、入社後に申し出る法の短縮措置とは別の形で、入社1年未満の人を外す協定にも左右されないと読めます
- フルタイムの契約で入り、入社後に時短を申し出る。 この場合は、その会社が協定で入社1年未満の人を対象外にしているかで、入社1年目に使えるかが決まります
求人票の「時短制度あり」は、その会社の社員が使える制度がある、という意味までです。入社した月から自分が使えるかまでは、その一文からは分かりません。
時短で探すか、フルタイムで残業なしで探すかは、お迎えに出る時刻で決まります
探し始める前に決めておきたいのは、お迎えに間に合うには会社を何時に出ればよいかです。
保育園の閉まる時刻と移動の時間から逆算して、出る時刻が定時より前になるなら、時短でないと間に合いません。この場合は、時短の契約で入れる求人か、入社直後から時短を使える会社を探すことになります。
一方で、定時に出られれば間に合うなら、フルタイムで入って残業をしない働き方も候補になります。時短にこだわらなくてよい分、年収の減りも小さく済みます。この場合に見るのは、時短の制度より、配属先が実際に定時で帰れる職場かどうかです。法律には、小学校に入る前の子を育てる人が請求すれば所定労働時間を超えて働かせない決まり(残業免除)がありますが、これも入社1年未満の人は会社が対象外にできます。入社1年目は、制度より配属先の実態が頼りになります。
子どもが熱を出した日に対応するのがいつも自分なら、在宅勤務ができるかどうかで両立のしやすさが大きく変わります。在宅の日数の確かめ方は、記事「求人の「リモート可」はどこまで信じていい?入社前に在宅勤務の日数を確かめる方法」にまとめています。
時短・残業免除・在宅で、入社1年未満の扱いは違います
子育て中の働き方を守る制度はいくつもあり、対象になる子どもの年齢と、入社1年未満の人の扱いがそれぞれ違います。転職先で入社1年目にどれが使えなくなりうるかを、表にまとめます。
| 制度 | 子どもの年齢 | 入社1年未満の人 |
|---|---|---|
| 短時間勤務(第23条) | 3歳未満 | 協定で対象外にできる |
| 残業免除=所定外労働の制限(第16条の8) | 小学校に入る前まで | 協定で対象外にできる |
| 時間外労働の上限 月24時間・年150時間(第17条) | 小学校に入る前まで | 法律で対象外 |
| 3歳〜就学前の柔軟な働き方の措置(第23条の3) | 3歳から小学校に入る前まで | 協定で対象外にできる |
| 在宅勤務(第24条2項) | 3歳未満 | 会社の努力義務で、保証は無い |
いずれも「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の条文です。
残業免除は、2025年4月に対象が「3歳未満の子」から「小学校就学前の子」に広がりました。請求は、始めたい日の1か月前までです。時間外の上限(月24時間・年150時間)だけは、協定が無くても、入社1年未満の人は法律で対象外です。
3歳から小学校に入るまでの措置は、2025年10月に始まりました。会社は、始業時刻の変更・在宅勤務・短時間勤務・養育のための休暇・保育施設の設置などのうち2つ以上を用意し、働く人はその中から1つを選んで使います(「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」)。どれを用意するかは会社が選ぶので、3歳以降に短時間勤務を用意していない会社もあります。
法律より長く使える会社もあります。当サイトの掲載求人には、子どもが小学校を卒業するまで、あるいは小学校4年生の始めまで時短を使えると書く会社がありました。これは法律の義務を超えた、会社独自の制度です。
子どもが3歳になるまで待っても、入社1年未満の扱いは無くなりません
子どもが2歳前後の時に、入社1年未満の人を対象外にする会社に入ると、1年たつ前に子どもが3歳になることがあります。そうなると、3歳未満の短時間勤務(第23条)は一度も申し出られないまま期限が過ぎます。1年たった後に法律に基づいて時短を申し出られるのは、その会社が3歳〜就学前の措置の1つとして短時間勤務を選んでいる場合です(会社の独自の制度があれば別です)。入社から1年の間は、残業免除も3歳以降の措置も、協定で外れていることがあります。
それなら3歳まで今の会社で時短を続けてから移る方が安全かというと、そうとも言えません。3歳以降の措置も残業免除も、転職先は入社1年未満の人を対象外にできます。待っても、転職先で対象外になる時期が3歳以降に移るだけです。
なので「今か、3歳まで待つか」は、応募先から聞いた答えをもとに決められます。働きながら探して、入社1年未満でも時短や残業免除の対象になる会社、配属先が早く帰れる会社が見つかれば移り、答えがあいまいな会社は見送る。この順番なら、今の職場を続けながら判断できます。
応募先に確かめるのは、契約上の勤務時間、入社1年未満の扱い、子どもが何歳まで使えるかの3つです
当サイトの掲載求人(2026年11月4日時点で掲載中の求人を、会社ごとに数えた)では、求人票で時短に触れている会社は25社に1社ほど(約4%)でした。時短に触れている会社のうち、利用の実績や、時短を使って働く社員・育休からの復帰に触れる会社は6社に1社ほどです。入社直後から使えると書く会社は掲載中の全社の中で数社だけで、当サイトの掲載求人では、入社してすぐ時短を使えるかは求人票からほぼ分かりません。「入社後すぐは難しい」と但し書きする会社や、時短はNGと書く求人もあります。求人票に書いていない会社に制度が無い、という意味ではありません。
応募先に確かめておきたいのは、次の3つです。
- 入社時から、所定労働時間の短い契約で雇われるか。 いちばん確かなのは、内定の時に受け取る労働条件通知書の勤務時間(始業・終業の時刻)の欄です。面接で「時短できますよ」と言われただけでは、入社後に申し出る形なのか、契約の時間が短いのかが分かりません
- 入社1年未満でも、短時間勤務や残業免除の対象になるか。 会社が労使協定で外しているかどうかです。協定の有無を応募前にどう知るかは、同じ仕組みの育休を扱った記事「子どもが生まれる前に転職したら、男性の育休は取れる?」に書いています
- 子どもが何歳まで使えるか。 法の義務は3歳未満までで、それより先は会社の制度しだいです
「働けますか」と聞くより、「制度の対象になりますか」と聞く方が、事務的な確認として切り出しやすくなります。たとえば次のような言い方です。
- 「入社1年未満でも、育児の短時間勤務の対象になりますか。子どもが何歳まで使えますか」
- 「入社1年未満でも、残業免除の請求の対象になりますか」
- 「配属予定のチームの方は、ふだん何時ごろに帰っていますか。夕方以降の打ち合わせはどのくらいありますか」
残業は、求人票の「月平均○時間」が会社全体の平均か、配属される部署の数字かで意味が変わります。全体の平均だと、営業の部署だけ長いこともあります。「残業は多いですか」と聞くより、帰る時刻や夕方の打ち合わせの多さを聞く方が、具体的な答えが返ってきます。
保育園に通わせている人は、勤務時間にも気をつけます。転職先の勤務時間が入園時より短くなると、退職と入社の間が空かなくても再選考になることがあります。自治体ごとの扱いは、記事「保育園に通わせながら転職するとき、退職日と入社日はどう決める?」にあります。
時短希望は、内定前に条件として伝える方が安全です
面接で「時短希望です」と言っただけで落とされるか、を決めた法律の条文は、育児・介護休業法には見当たりません。法律で言えるのは、雇われた後に時短を申し出たこと・使ったことを理由に、解雇などの不利な扱いをしてはならない、というところまでです(第23条の2、第23条の3第7項)。選考の段階での扱いは会社によります。
そのうえで、伝えるなら内定が出る前、条件をすり合わせる段階で確かめる方が安全です。入社してから「1年未満は対象外でした」と知っても、その時にはやり直しがききにくいからです。人事の担当者や、条件の面談がある会社ならそこで聞けます。転職エージェントを通すなら、上の聞き方をそのまま渡して確かめてもらう形もとれます。
転職理由を聞かれた時は、今の職場の不満ではなく、働く条件とやりたいことを並べる組み立て方があります。たとえば「子どもが小さいので、定時で退社する前提で働きたいと考えています。そのうえで、これまでの経験が生きる今の職種を続けたいです」。前の職場で担当を外された話などは、聞かれたら事実として短く言えば足ります。面接で「うちでも急な対応はあります」と言われたら、「夕方以降の急な対応は、チームでどう分担していますか」と聞き返すと、入ってから両立できるかが見えてきます。
年収は、按分・残業代・賞与・給付の4つに分けると見通せます
時短で移った時の年収に関わるのは、次の4つです。
- 時間の按分。 時短で働かなかった時間の分の賃金を払わないことは、厚生労働省の指針で不利益な扱いに当たらないとされています。たとえば1日8時間を6時間にして時間で按分すると、基本給は4分の3です(基本給24万円なら18万円)。ただし、按分のしかた(基本給だけか、手当もか)は会社が決めます
- 無くなる残業代。 前の年収に残業代が多く入っていた人は、フルタイムで残業なしの会社に移っても、その分は戻りません
- 賞与の算定。 指針は、賞与で短縮した時間の分を日割りで差し引くことは不利益に当たらないとしつつ、「現に短縮された時間の総和に相当する日数を超えて働かなかったものとして取り扱うこと」は不利益な算定に当たるとしています(「子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針」)。何か月分出るか、時短や残業なしでどう計算するかは会社ごとです
- 育児時短就業給付。 子どもが2歳になるまで、時短で働く雇用保険の被保険者には、育児休業給付の対象になる育休から続けて同じ子のために時短を始めたか、時短を始める前の2年間に雇用保険の加入期間が一定以上あるなどの条件を満たせば、時短中の各月の賃金の原則10%が出ます(賃金と給付の合計が時短を始めた時の賃金を超えないよう、率は調整されます)。申請は原則として会社がハローワークにします(「育児時短就業給付の内容と支給申請手続(令和8年8月1日時点版)」)
給付は、転職先でも続けられることがあります。前の会社で受給の手続きをしていた人が新しい会社で被保険者になると、会社に届く確認通知書に「育児休業等給付受給可」と出ます。2歳未満の子のために時短で働いていて、退職と入社の間に失業給付(基本手当)の受給資格の決定を受けていなければ対象です。転職先ではじめから時短の契約で入り、週の所定労働時間が前の会社より短い場合も含まれます。ただし、最初に時短を始める前と比べて賃金が下がっていない場合などは、出ないことがあります(「転職先の事業所で育児時短就業給付金の支給を再開する場合の留意点」)。
退職日をいつにするかで、最後の月の給付が変わります。給付が出るのは、その月の初日から末日まで続けて被保険者だった月だけで、月の途中で辞めた月は対象になりません。月末に辞めれば、その月も対象です。転職先で週20時間未満の勤務になり雇用保険に入らない場合は、給付は出ません。
自分の年収がいくらになるかは、求人票の年収幅ではなく、選考の終盤に示される条件で分かります。条件を示された時に「月給の内訳(基本給と手当)」「残業代は別か」「賞与は何か月分で、時短や残業なしでどう計算するか」を聞くと、今の年収と同じ項目ごとに比べられます。
よくある質問
子持ちだと転職で不利になりますか?
選考で子どもがいることをどう見るかは、会社によります。法律で言えるのは、雇われた後に時短を申し出たこと・使ったことを理由にした不利な扱いが禁じられていることまでです。入社後に時短を使うつもりなら、内定前に条件として確かめておく方が、入ってから困る場面を減らせます。
子どもが3歳になるまで待ってから転職した方がいいですか?
待っても、入社1年未満の扱いは無くなりません。3歳以降の措置も残業免除も、転職先は入社1年未満の人を対象外にできるので、対象外になる時期が後ろにずれるだけです。なお、今の会社では、子どもの3歳の誕生日の1か月前までの1年間(1歳11か月に達する日の翌々日から2歳11か月に達する日の翌日まで)に、3歳以降に使える働き方の知らせと、希望の確認があります。勤務時間帯や業務量の希望を伝える場にもなるので、今の会社で3歳以降にどんな働き方を選べるかもそこで分かります(「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」)。
時短の給付金は、転職先でももらえますか?
子どもが2歳になるまでなら、続けられることがあります。前の会社で受給の手続きをしていて、退職と入社の間に失業給付の受給資格の決定を受けていなければ対象で、新しい会社に届く確認通知書に「育児休業等給付受給可」と出ます。時短で移っても、最初に時短を始める前より賃金が下がっていなければ、出ないことがあります。2歳を過ぎると、どの会社でも給付は終わります。
在宅勤務できるかは、求人票で分かりますか?
「在宅可」「リモート可」と書いてあっても、月に何日か、入社直後から使えるかは会社で違います。3歳未満の子の親への在宅勤務は会社の努力義務で、保証はされません。日数の確かめ方は、記事「求人の「リモート可」はどこまで信じていい?入社前に在宅勤務の日数を確かめる方法」にあります。
育休中に転職活動をしてもいいですか?
育休から戻る前に動く場合は、給付金や保育園の扱いが変わります。記事「育休中に転職したら給付金は返す?保育園はどうなる?」で扱っています。
この記事で分からないこと
- 法令と厚生労働省の資料は、2026年11月4日に確認した内容です
- 当サイトの数字は、2026年11月4日時点で当サイトに掲載中の求人を、会社ごとに数えたものです。求人票の本文に、時短の制度を指す語(「時短勤務」「短時間勤務」など)が出てくるかで数えていて、制度でない意味で使われた語がわずかに混じることがあります。当サイトの掲載求人は人材紹介会社を通した中途採用の求人が中心で、世の中の求人全体の割合ではありません。職種ごとには数えていないので、営業などの職種で時短の契約の求人がどれだけあるかは分かりません
- 入社の時から所定労働時間の短い正社員(短時間正社員)が法令でどう定められているかは、法令や公的な資料の原文では確かめていません。協定の除外に左右されないというのは、法の短縮措置が「申し出て使うもの」であることからの読みです
- 残業免除などの「入社1年」を、申し出た日と使い始める日のどちらで数えるかは、条文に書かれておらず、通達も確かめていません。残業免除は、事業の正常な運営を妨げる場合には会社が断れることになっています
- 育児時短就業給付で、月の途中で入社した月の扱いは、資料の例に無く確かめていません。前の会社で受給の手続きをしていなかった人が転職先で受けられるかも、資料に書かれていませんでした
- 時短の人の年収の相場、業界・会社の規模・営業の種類(新規開拓か既存顧客かなど)で早く帰れるかの目安、何次面接で時短を伝えると通りやすいか、転職エージェントを通すと有利になるかは、根拠になる資料が見つからず書いていません
- 選考で時短の希望を理由に不採用にすることが法的にどう扱われるかは、育児・介護休業法の範囲で調べただけです