転職の判断

求人の「リモート可」はどこまで信じていい?入社前に在宅勤務の日数を確かめる方法

求人の「リモート可」「フルリモート」「ハイブリッド」は、語の違いだけでは在宅が週何日かは決まりません。確かめたいのは、その語と一緒に日数や条件が書いてあるかどうかです。当サイトの掲載求人では、リモート勤務に触れる会社のうち日数まで書く会社は約 2 割でした。在宅の日数は労働条件通知書で明示が義務づけられた事項ではなく会社のルールなので、面接で配属先のチームが実際に週何日出社しているかを聞き、聞いた日数を内定後にメールで確かめておきます。面接で聞くことの例文、確認メールの文例、入社後に出社を求められる余地を就業場所の「変更の範囲」から読む方法、子育て中に使える在宅勤務の制度もまとめました。

公開 2026年11月4日 · 集計 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・「リモート可」「フルリモート」の語では在宅の日数は決まらない。当サイトの掲載求人では、リモート勤務に触れる会社のうち日数まで書くのは約 2 割で、フルリモートの語を使う会社も約 25% は出社の条件を書き添えている
  • ・在宅の日数は労働条件通知書で明示が義務づけられた事項ではなく、会社が就業規則などで決めるルール。就業場所の変更の範囲が「会社の定める場所」なら、出社に戻すことも契約の範囲内になりうると解説されている
  • ・だから面接で配属チームの実際の出社日数・入社直後の出社期間・ルールの決まり方を聞き、内定後に聞いた日数をメールで確かめておく
目次開く
  1. 01「リモート可」「フルリモート」だけでは在宅の日数は分からない。日数や条件が書き添えてあるかを見る
  2. 02入社後に出社を求められるかは、契約の書面より実際の運用で決まる
  3. 03面接で在宅の日数を聞いても大丈夫。事情を添えて 4 つ聞く
  4. 04内定後は、面接で聞いた日数をメールで確かめておく
  5. 05よくある質問
  6. 06この記事の数字について

求人に「リモート可」「フルリモート可」「ハイブリッド勤務」と書いてある。けれど「面接時はほぼ完全なフルリモートという条件だったのに、採用になってから週2~3で出社してほしいと言われました」という相談もある。子育てや通勤の事情で在宅が欠かせない人ほど、この表記をどこまで信じてよいのか迷います。

「リモート可」「フルリモート」「ハイブリッド」のどの語でも、在宅が週何日かは語だけでは決まりません。確かめたいのは、その語と一緒に日数や条件が書いてあるかどうかです。 当サイトの掲載求人では、リモート勤務に触れている会社のうち、出社や在宅の日数まで書いている会社は約 2 割でした。日数を書いていない残りの会社は、求人票からは在宅が多いか少ないか区別できません。

もう一つ知っておきたいのは、在宅の日数は労働条件通知書で明示が義務づけられた事項ではないことです。契約の書面で明示されるのは「就業場所」とその「変更の範囲」で、週何日在宅できるかは会社が就業規則などで決めるルールです。弁護士JPニュースの記事では、勤務場所を限定する合意が無ければ、出社命令は通常の業務命令になりうると解説されています。なので在宅の日数は契約で保証されるものと考えず、入社前に実際の運用を聞き、聞いた日数をメールなどで残しておくのが現実的です。

確かめる順番は次の 3 つです。

  1. 求人票: 日数、入社直後の出社期間、部署や状況で変わるかどうかが書いてあるかを見る(書き方で分かること)
  2. 面接: 配属チームの実際の出社日数、入社直後の出社期間、在宅のルールが就業規則で決まっているか上長の許可しだいか、最近ルールを変えたか、を聞く(面接で聞くこと)
  3. 内定後: 面接で聞いた日数を、採用担当者へのメールで確かめておく(確認メールの文例)

「リモート可」「フルリモート」だけでは在宅の日数は分からない。日数や条件が書き添えてあるかを見る

当サイトの掲載求人(2026 年 11 月 4 日時点で掲載中の全件)で、リモート勤務に触れている会社を数えると、書き方は次のように分かれました。割合は、リモート勤務に触れている会社のうち、その書き方をしている求人が 1 件でもある会社の割合です。

求人に書いてあること書いている会社の割合書き方の例
出社・在宅の日数(週◯日・月◯回)約 20%「週1-2日出社、週3-4日リモート」
部署・案件・職種によって変わる約 10%「職種に応じて一部在宅」
状況や会社の判断によって変わる約 10%「現在は週2日までのリモート勤務を会社の判断で許可(許可制)」
入社直後は出社が中心約 5%「入社後3ヶ月はフル出社」
上のどれも書いていない約 65%「在宅勤務制度」「一部在宅勤務あり」など

日数まで書いてあれば、週 1 日出社の会社と週 3 日出社の会社を求人票の段階で見分けられます。どれも書いていない約 65% の会社は、求人票からは在宅が多いか少ないか区別できないので、面接で聞くことになります。

「フルリモート」も、出社ゼロとは限りません。フルリモートに当たる語(フルリモート・完全リモート・完全在宅など)を使う会社のうち、約 25% は同じ求人に日数や条件を書き添えていました。たとえば次のような書き方です。

  • 「フルリモート勤務も可能ですが、基本的な働き方としては週4日在宅勤務・週1日出社を想定」
  • 「フルリモート勤務(年数回出社あり)」
  • 「フルリモートワーク相談可(プロジェクト先により異なります)」

関東圏外に住んでいて通勤が難しい人だけをフルリモートの対象にする求人もありました。フルリモートは「そういう働き方ができる場合がある」の意味で使われていることがあるので、自分が対象に入るかどうかまで確かめてください。

入社直後の出社も、求人によっては書いてあります。「入社日から1ヶ月間は原則として出社勤務」「入社半年経過後、週2回まで在宅勤務可能」のように、最初の 1〜6 か月は出社が中心で、その後に在宅勤務ができるようになる、という書き方です。書いている会社は約 5% ですが、書いていない会社に同じ運用がないとは言えません。

なお、ハイブリッドについては、語ごとに分けた割合は出していません。ハイブリッドも、日数が書いてあるかで見るのは同じです。

入社後に出社を求められるかは、契約の書面より実際の運用で決まる

「入社してから出社に戻されたら」という心配は、契約の書面だけでは消せません。

2024 年 4 月から、求人票や労働条件通知書では、就業場所を「雇入れ直後」と「変更の範囲」に分けて書くことになりました(「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」)。変更の範囲は、その契約の期間中に変わりうる範囲で、今後の見込みも含みます(「令和5年改正労働基準法施行規則等に係る労働条件明示等に関するQ&A」)。

弁護士JPニュースの記事では、勤務場所を限定する合意が契約に無ければ、在宅勤務は会社が認めていた運用にすぎず、出社を命じるのは通常の業務命令になりうる、と解説されています(「GMO代表「在宅勤務禁止」に「こんな大変更をSNSで?」の疑念も…“フルリモート前提”入社の社員は「出社命令」拒否できる?【弁護士解説】」、2026 年 7 月 28 日、取材協力は向井蘭弁護士)。同じ記事では、就業場所に「自宅」と書いてあるだけでは限定の合意とは言えず、変更の範囲まで自宅に限られているかで見る、とも説明されています。

つまり、労働条件通知書の就業場所が「(変更の範囲)会社の定める場所」のように会社の事業所を含む書き方なら、出社へ戻すことも契約の範囲の中と読める、ということです。当サイトの掲載求人でも、就業場所の欄に自宅や在宅を書いている求人で、変更の範囲に会社の事業所を含める書き方が目立ちました。転勤は変更の範囲に勤務地が書かれるので書面で確かめられます(「「転勤なし」の求人でも入社後に転勤はある?内定を受ける前に書面で確かめること」)が、在宅の日数は通知書で明示が義務づけられた事項ではないので、この記事では運用を見ます。

そのうえで見分けたいのは、契約上は出社を命じられる会社の中で、実際には在宅をやめにくい仕組みになっている会社かどうかです。国のガイドラインでは、在宅の対象者・頻度・場所などは労使で話し合ってルールを決め、就業規則に定めて周知することが望ましいとされています(「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」)。在宅のルールが就業規則に書かれて全員に適用されている会社か、上長の許可制で運用していて許可の出し方しだいで在宅が変わる会社か。応募先がどちらかは、面接で聞けば分かります。

「テレワークを行う場所を含む」は、在宅の日数を約束する記載ではない

求人票の就業場所に「(変更の範囲)会社の定める場所(テレワークを行う場所を含む)」と書いてあることがあります。これは 2024 年 4 月からの明示ルールに沿った就業場所の書き方です。厚生労働省の施行通達では、テレワークを行うことが通常想定される場合は、テレワークを行う場所が就業場所の変更の範囲に含まれるとされています(「労働基準法施行規則及び労働時間等の設定の改善に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令等の施行等について(無期転換ルール・労働契約関係の明確化等)」)。ただ、この一文は在宅の日数や、いつから在宅できるかを約束する記載ではありません。当サイトの掲載求人にも、在宅に触れているのはこの一文だけという求人があり、同じ定型文を多くの求人に載せている会社もありました。この一文だけを見て、在宅が多い求人だと受け取らないでください。

面接で在宅の日数を聞いても大丈夫。事情を添えて 4 つ聞く

在宅の日数を面接で聞くのは、求職者として当然確かめてよいことです。2024 年 4 月からのルールでは、就業場所などの明示が必要な労働条件は、求人広告のスペースが足りないなどやむを得ない場合に一部を求人票に載せなかったときも、原則として面接など最初に接触する時点までにすべて明示されることになっています。在宅の日数はこの明示が必要な事項に入っていないので、自分から聞いて確かめます(「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」)。

聞き方で印象が変わるかは分かりません。下の例文は、条件だけを並べるのではなく、事情と希望を先に添えて、具体的に答えてもらうことを狙ったものです。聞くのは次の 4 つです。

1. 配属予定のチームで、実際に週何日出社しているか

会社全体の制度ではなく、配属先の実際の出社日数を聞きます。同じ会社でも、部署や案件で在宅の可否が違うことがあるからです。

子どもの保育園の送り迎えがあるので、出社は週 1 日程度を希望しています。配属予定のチームでは、実際に週何日くらい出社されていますか。

客先に関わる仕事なら、「担当する取引先との定例はオンラインですか。客先に常駐する案件はありますか」も聞いておきます。常駐先がある案件では、在宅できるかはその客先の方針で決まるためです。

2. 入社直後に出社が多い期間があるか

入社してしばらくは、研修や引き継ぎで出社が多くなる期間はありますか。あるとすれば、どれくらいの期間でしょうか。

3. 在宅のルールは就業規則などで決まっているか、上長の許可しだいか

在宅勤務の日数は、就業規則などで決まったルールでしょうか。それとも部署ごとに上長の判断で決めていますか。

4. 最近ルールを変えたか。変えたなら理由と、今後の決め方

ここ 1〜2 年で在宅勤務のルールを変えたことはありますか。変えた場合、どんな理由で、今後の方針はどのように決めていく予定でしょうか。

最近の変更まで聞くのは、「去年までフルリモートで、今年から週 1 日出社」のような会社がこの先さらに出社日を増やすかどうか、求人票からは見分けられないためです。変えた理由と決め方まで聞けば、判断の材料が増えます。

内定後は、面接で聞いた日数をメールで確かめておく

面接で聞いた日数は、口頭のままにせず、内定後にメールで確かめておきます。内定前に頼む必要はありません。2024 年 4 月からのルールでは、面接の途中で条件が変われば変更の内容が明示され、契約を結ぶときは労働条件通知書などで明示されます(「企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」)。通知書を受け取るころが、条件を文字で確かめる自然なタイミングです。

送り先は採用担当者です。面接で聞いた日数をこちらから書き、相違がないかを見てもらう形にします。

件名: 入社後の勤務形態について(氏名)

◯◯株式会社 人事部 ◯◯様

先日は内定のご連絡をありがとうございました。 入社後の働き方について、面接でうかがった内容を確かめさせてください。

配属予定の◯◯チームでは出社は週 1 日程度、入社後 1 か月ほどは出社が多くなる、とうかがいました。この内容に相違がないか、ご確認をお願いできますでしょうか。

あわせて、育児中の社員向けの制度(在宅勤務を含むか、入社直後から利用できるか)についても教えていただけますと幸いです。

入社に向けて、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(氏名)

返事をメールでもらっておけば、言った・言わないを防げます。会社の認識が違っていれば、内定を承諾する前に訂正してもらう機会にもなります。

残業時間も確かめたい人は 1 通にまとめてよく、残業の確かめ方は「求人票の残業時間は嘘?入社前に配属先の残業を確かめる聞き方」にあります。

労働条件通知書が届いたら、就業場所の「雇入れ直後」と「変更の範囲」を読みます。変更の範囲に会社の事業所が入っていても、それだけで断る理由にはなりません。在宅の日数がそこで守られるとは期待せず、通知書は確認メールの返事と一緒に保管しておきます。

求人の探し方は、フルリモートに絞らなくてよい

週 1 日程度の出社ならやりくりできる場合は、フルリモートの求人だけに絞る必要はありません。絞るほど候補は減ります。フルリモートの求人と、「週4日在宅・週1日出社」のように日数を書いている求人をまず候補に入れ、日数の書いていない求人も捨てずに残して面接で聞く。迷ったら、面接で聞いた 4 つの答えから、在宅をやめにくい会社かどうかで比べる。候補を減らしすぎずに確かめるなら、この順がよいと私は考えています。

よくある質問

子どもが小さいと、会社は在宅勤務を認めなければならない?

法律で在宅が保証されるわけではありません。2025 年 4 月から、3 歳未満の子を育てる社員がテレワークを選べるようにすることは、会社の努力義務になりました(「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」)。2025 年 10 月からは、3 歳から小学校に上がるまでの子を育てる社員に対し、会社は始業時刻の変更、テレワーク(月 10 日以上)、保育施設の設置運営など、養育両立支援休暇、短時間勤務の 5 つから 2 つ以上を選んで用意する義務があり、社員はその中から 1 つを選んで使えます(「改正育児・介護休業法のポイント」)。会社がテレワークを選ぶとは限らないので、どの制度を選んでいるかを聞いておくと、入社後に出社が増えたとき、在宅を続けられる制度があるかが分かります。入社してすぐの人が使えるかは会社に確かめてください。

入社後に出社を命じられたら、従うしかない?

従うしかないかどうかは、就業場所の変更の範囲に何が書いてあるかで大きく変わる、と解説されています。勤務場所を限定する合意が無ければ出社を命じることは通常の業務命令になりうる、というのが弁護士JPニュースの記事の説明です。同じ記事では、限定の合意が無くても、在宅を前提に遠方へ移り住んだ社員に猶予なく出社を命じるのは問題になりうることにも触れています。また、フルリモートと表示された求人に応募し、面接でもそれを前提にやりとりして入社を決めた場合には、勤務場所を限定する黙示の合意が認められる余地があるとされ、その材料として応募時のメールやオファー面談の記録が挙げられています。どう当てはまるかは個別の事情で変わるので、迷ったら専門家に相談してください。

出社回帰は増えている?

全体ではテレワークは消えていませんが、出社を増やす会社はあります。国土交通省の調査では、雇用型の就業者でテレワークをしたことがある人の割合は 2025 年度に全国 25.2% で、コロナ禍の後に減り続けたあと増加に転じ、安定基調とされています(「テレワーク実施率、安定基調で推移~令和7年度のテレワーク人口実態調査結果を公表します~」)。一方、パーソル総合研究所の調査では、テレワークをしている正社員のうち頻度が週 1 日以下の人が 49.4%(2024 年は 43.6%)、従業員 1 万人以上の企業では、会社から原則出社の指示が出ていると答えた従業員の割合が 24.4%(2024 年は 20.8%)でした(「第十回・テレワークに関する調査」)。応募先がこれから方針を変えるかは、全体の数字からは分かりません。

この記事の数字について

  • 当サイトの数字は、当サイト PREVIO に 2026 年 11 月 4 日時点で掲載中の全求人のうち、リモート勤務・在宅勤務・テレワークなど、働き方としての在宅を指す語が本文に出てくる求人を、会社単位で数えました。割合はリモート勤務に触れている会社が分母で、5% 単位に丸めています。日本の求人全体の数字ではなく、当サイトの掲載求人の構成で決まる数字です
  • 日数・入社直後の出社・部署による・状況による は、決まった言い回しを拾って数えました。別の言い回しで書かれたものは拾えておらず、逆に当てはまらない記載を拾ったものも混じるので、どの割合も多めにも少なめにも出ている可能性があります。就業場所の定型文「テレワークを行う場所を含む」だけで在宅に触れている求人は、数え直して補正しています
  • 数えたのは募集時点の記載です。書いてある条件が入社後に守られているか、書いていない会社に条件があるかは分かりません。職種別の割合も出していません
  • 在宅の日数・入社直後の出社期間は、労働条件通知書で明示が必要な事項(就業場所)とは別の、会社のルールとして書いています。出社命令が有効かどうか、黙示の合意が認められるかは、個別の事情で変わります。この記事では弁護士の解説の範囲を紹介し、判断はしていません
  • 2024 年 4 月の明示ルールは、2024 年 4 月 1 日以降に結ばれる労働契約に適用されます。それより前に結ばれた契約の書面には、変更の範囲が書かれていないことがあります
  • 面接で聞き方を変えたときに選考への印象がどう変わるかは、確かめた材料がありません。例文は、事情と希望を添えて具体的に答えてもらうための形です
  • 国土交通省の 25.2% は「これまでにテレワークをしたことがある」雇用型就業者の割合で、いま在宅で働いている人の割合ではありません。パーソル総合研究所の頻度は、テレワークをしている正社員が分母です
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