AI と転職
ChatGPTが挙げた会社・求人・年収は本当? AIの答えを1社ずつ確かめる方法
ChatGPTが挙げた会社・求人・年収が本当か迷った人へ。今の会社名と本店所在地、会社の募集一覧、求人の給与欄を順に調べ、食い違いと分からない項目を1社ずつ記録する手順を紹介します。
公開 2026年9月26日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・国税庁のサイトで、今の会社名と本店を確かめる
- ・求人は会社サイトから募集一覧へ進み、AIが示した求人と同じかを確かめる
- ・年収は求人の給与欄とAIによる換算を分け、分からない項目も記録する
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転職先の候補を ChatGPT に聞くと、実在する会社なのか、求人や年収が本当なのか迷うことがあります。答えは、会社の実在は国税庁の法人番号公表サイト、求人は会社の募集一覧、年収は同じ求人の給与欄で、1社ずつ確かめます。
この記事では、倉庫管理を8年経験した人と、大阪で経理を6年経験した人の二つの架空の経歴を例にします。本文の件数は、倉庫管理職の経歴を OpenAI の Codex CLI というパソコンのコマンド画面で使うAIに渡し、gpt-5.6-solというAIモデルで確かめた結果です。Web検索なしの回答を2回確認すると、挙がった延べ10件の会社は現在もすべてありました。そのうち1件は、AIが変更前の社名で書いていました。示された職種に当たる求人が会社の採用ページで見つかったのは3件です。
Web検索なしとは、回答中に外部サイトを調べさせない使い方です。回答に出典のURLがあれば、まずそのページを開いて会社の募集一覧と照らします。URLがなければ、会社の募集一覧から探します。
AIの答えは会社・求人・年収に分けて確かめる
AI の答えを丸ごと「本当」か「嘘」かに分けると、会社が実在するだけで求人も年収も正しいように見えてしまいます。確かめる対象と場所を先に分けてください。
| 確かめる対象 | 最初に見る場所 | 記録する内容 |
|---|---|---|
| 会社 | 法人番号公表サイト | 現在の会社名、本店所在地、閉鎖等の表示、変更履歴 |
| 求人 | 会社サイトからたどった募集一覧 | 同じ求人が載っているか、掲載日・締切があるか |
| 年収 | 同じ求人の給与欄 | 求人に書かれた金額、AIによる換算、分からない前提 |
AI は、利用者が自分では思いつかなかった会社や、それまで知らなかった会社を見つける入口にもなっています。LANY が2026年6月4日に発表した自社調査では、直近1年以内に転職活動をし、生成AIで特定の企業を調べた25〜45歳の111名のうち、94.6%が自分では思いつかなかった企業や、それまで知らなかった企業を提案された経験があると答えています(「【転職×AI 実態調査】87%がAIの回答で選考辞退。採用プロセスに潜む”サイレント辞退”の課題」、2026年9月26日確認)。LANY は、生成AIの検索結果で企業情報を見つけてもらうための支援をする会社です。これは同社の事業にもつながる調査で、転職者全体の割合ではありません。この数字から分かるのは新しい候補を得た人が多いことまでで、その候補が正確かどうかは別に確かめる必要があります。
候補を増やす役割と、応募前に事実を確認する役割は別です。ここからは、AI が挙げた1社ごとに順番に見ていきます。
転職先の会社が実在するか、今の会社名と住所を確かめる
最初に確認するのは、AI が挙げた名前に当たる法人が今もあるかです。一般の検索結果には旧社名や閉鎖後のページも残ります。国税庁の法人番号公表サイトなら、登記された商号、本店所在地、閉鎖等の表示、変更履歴を同じ法人番号で追えます(「ご利用方法(検索・閲覧、ダウンロード機能)について|国税庁法人番号公表サイト」、2026年9月26日確認)。
ここで、本店所在地と勤務地を先に分けます。法人番号公表サイトに載るのは登記上の本店所在地です。AI が示す地域は、求人の勤務地や拠点であることが多く、本店と同じとは限りません。勤務地は求人ページで、本部や拠点の住所は会社概要で確かめます。
確認する順番は次のとおりです。
- 会社サイトの会社概要を開けるなら、正式な会社名と本店の都道府県を控える
- 法人番号公表サイトで、AI の表記または正式な会社名を検索する
- 「株式会社」などが省かれている場合は商号の一部で検索し、候補が多ければ本店の都道府県で絞る。勤務地の都道府県では絞らない
- 同名の法人が複数出たら、本店所在地、閉鎖等の表示、変更履歴を比べる
経理職の例では、この順番で調べると、同じ商号、同じ本店所在地の法人が2件出ました。一方の詳細には、法人の登記が閉じられたことを示す「登記記録の閉鎖等」が表示され、合併による解散が履歴にありました。もう一方にはその表示がなく、別の商号から現在の商号へ変わった履歴がありました。後者を現在の法人として記録できます。閉鎖等の表示がないのは、同サイト上で閉鎖が確認できないという意味で、営業実態まで保証するものではありません。吸収合併後も残る側は閉鎖ではなく変更履歴に合併の記載が出ることがあるため、閉鎖表示だけでなく履歴も読みます。
会社概要が開けない場合は、求人ページの勤務地欄を代わりに記録し、「求人ページでは確認できたが、会社側では確認できなかった」と分けてください。
見つからないときは、すぐに「実在しない」と決めません。商号の一部と都道府県を変えて検索し、会社サイトに社名変更のお知らせがないかを見ます。旧社名だと分かったら、旧社名・現在の社名・変更日を記録し、現在の社名で検索し直します。それでも該当する法人を選べなければ、「この会社名と本店の都道府県では、現在の法人を特定できなかった」と確認日つきで残します。
倉庫管理職の例では、AI が社名変更前の名前を挙げた会社が1件ありました。また、AI が東京本部の住所として書いた町名と、会社概要にある東京本部の町名が、同じ区の中で違った例も1件ありました。後者は住所を確かめる必要を示す1例で、AI の会社説明全体が誤っているとは言えません。
法人番号公表サイトの変更履歴は、その法人に番号が指定された日以降のものです。番号が指定された日は早くても2015年10月5日なので、指定前の社名変更や本店移転は、この履歴に出ない場合があります。履歴がないことを「過去に変更がない」という意味にはしません。
いま募集中の求人か確かめる
会社が実在しても、AI が挙げた職種を今も募集しているとは限りません。まず会社サイトの「採用情報」から中途採用の募集一覧へ進みます。会社サイトとは別のURLへ移っても、同じ会社名とロゴがあり、その会社への応募画面になっていれば、会社が利用する採用ページとして扱えます。
同じ求人かどうかは、次の順で見ます。
- AI のURLと募集一覧のURL、または求人番号が同じか
- 同じURLや番号がなければ、会社名・職種名・勤務地・雇用形態・仕事内容がすべて合うか
- 「管理部門全般」のように複数の仕事を含む募集しかなければ、「近い募集はあるが、同じ求人か分からない」とする
職種名の「及び」と「・」、英字とカタカナのように、表記だけが違って意味が同じなら一致として扱います。雇用形態も「正社員」と「期間の定めなし」のように、どちらも無期雇用を示し、仕事内容なども合う場合は一致とみなせます。一方が有期契約だったり、片方に記載がなかったりする場合は補わず、「同じ求人か分からない」とします。
会社の募集一覧に掲載日や締切がなければ、「会社の一覧で確認。掲載日・締切の表示なし」と記録します。一覧にあることから、応募を受け付けているとまでは断定しません。会社が職種別の一覧を公開せず、登録後の画面でしか見られない場合は「確認できない。公開一覧なし」、公開求人がなくキャリア登録の窓口だけがある場合は「確認できない。個別求人はなく登録窓口のみ」と理由を添えます。
AI が付けたURLが、会社の採用ページとは限りません。一つのサイトが求人検索と応募受付を兼ねることもあるため、URLにあるサイト名だけでなく、元の掲載先、応募先、問い合わせ先を見て、そのページの役割を判断します。
| 求人の置き場 | 画面で見分ける手がかり | 分かること | 記録の言い方 |
|---|---|---|---|
| 会社の採用ページ | 会社サイトの採用情報からつながり、応募先が会社か採用窓口 | 会社が公開している職種と記載内容 | 「会社の一覧で確認」 |
| 転職サイト | 複数社を検索でき、そのサイト上で応募。掲載期間が出る場合がある | そのサイトでの掲載内容と期間 | 会社の一覧になければ「別の求人サイトだけで確認」 |
| 転職エージェントのサイト | 人材紹介の案内があり、応募や相談の相手が紹介会社 | その紹介ページの内容 | 会社の一覧になければ「別の求人サイトだけで確認」 |
| 求人検索エンジン | 元の掲載先へのリンクや転載元が表示される | 他サイトから集められた内容 | 元の掲載先を開けなければ「確認できない」と理由を添える |
Web検索ありの回答で、挙がった10件それぞれに付いた1本目のURLを同じ日に開くと、2件はすでにページがなく、8件は会社名・職種名・勤務地の表示が合っていました。ただし、この8件で確かめたのは表示内容までで、応募を受け付けているかどうかではありません。そのうち求人検索エンジンにあった1件は、会社の募集一覧に同名の求人が見当たりませんでした。ページがないことだけでは、AI がその求人を作ったとは言えません。「同じ日に開いたらもうなく、内容を確かめられなかった」と残します。
厚生労働省は、募集広告に募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の表示が必要だと案内しています(「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について|厚生労働省」、2026年9月26日確認)。この6項目を見ると、誰が、どこで、何の仕事を、いくらで募集しているページかを照らせます。連絡先や募集主の名称などが見当たらなければ、欠けている項目をそのまま記録し、会社サイトからたどった別の求人詳細や問い合わせ先で補えるかを見ます。欠けていることだけで違法・虚偽とは判断しません。
年収がどの求人に書かれた数字か確かめる
年収は、前の節で同じ求人だと確認できたページの給与欄と比べます。会社全体の平均年収、全職種に共通する中途採用の年収幅、職種名が近い別の求人の月給は、それぞれ意味が違います。
| 数字の出方 | その数字が表すもの | AIの数字との比べ方 | 記録すること |
|---|---|---|---|
| 個別求人の年収 | その職種・勤務地の提示範囲 | 直接比べる | 求人とAIの数字を別々に写す |
| 全職種共通の年収幅 | 中途採用全体の幅 | 個別求人の年収にしない | 「全職種共通」と添える |
| 月給だけ | 毎月の給与 | 年収へ直さない | 賞与・手当・固定残業代の記載 |
| モデル年収 | 例示された人の試算 | 前提が自分と合うかを見る | 年齢・家族・残業・賞与などの前提 |
| AIによる換算 | AIが月給などから計算した額 | 求人の記載と分ける | 計算方法と、確認できない前提 |
| 「応相談」 | 応募後に決まる金額 | AIの数字を確定しない | 面接や条件提示で聞く項目 |
経理職の例では、求人ページに年収と月給が書かれている一方、AI は月給と「標準賞与」を使って別の年収を計算していました。ところが、AI が前提にした賞与月数は求人ページで確認できませんでした。この場合は、求人の年収、AI の換算額、確認できない賞与月数を3つに分けます。
出どころが違う求人も一つにしません。転職サイトの個別求人には年収があり、会社の募集一覧には「管理部門全般」のように複数の仕事を含む募集の月給しかないなら、それぞれ別の求人として記録します。どちらかを「正しい年収」に選ぶ必要はありません。
倉庫管理職の例では、AI が年収の出典として示した転職サイトの求人が掲載終了となり、会社の採用ページにある求人は「応相談」だった例がありました。そのため、AI の数字は現在のページから確かめられませんでした。AI が掲載終了の求人から数字を取った、とまでは言えません。
厚生労働省のQ&Aでは、就業場所を複数の候補から「応相談」とする場合や、賃金を「時給1500円~」のように下限で示す場合も、記載があれば、個別の判断にはなるものの直ちに違反になるとは考えられないとしています(「職業安定法に基づく周知|労働者の募集広告の表示について|厚生労働省」、2026年9月26日確認)。
会社の求人が賃金を「応相談」としている場合は、この記事では金額を確認できないものとして記録し、自分の年収を面接や条件の提示で確かめます。
1社ずつ確認した内容を記録する
確認中に情報が食い違ったら、どちらかへ寄せず、出どころごとに残します。次の4列があれば、後で募集状況が変わっても見直せます。
| 対象 | 確認先 | 確認した内容 | 確認日 |
|---|---|---|---|
| 会社 | 法人番号公表サイト、会社概要 | 現在の会社名、本店所在地、閉鎖等の表示、拠点住所 | YYYY-MM-DD |
| 求人 | 会社の募集一覧、AIが示したページ | 置き場の種類、同じ求人か、掲載日・締切の有無 | YYYY-MM-DD |
| 年収 | 同じ求人の給与欄 | 求人の記載、AIの換算、計算の前提 | YYYY-MM-DD |
| 分からない項目 | 確認できなかったページや欄 | 分からない内容と、どこまで確認したか | YYYY-MM-DD |
たとえば転職サイトでは掲載期間内でも、会社の募集一覧には同じ求人がなく、「管理部門全般」のように複数の仕事を含む募集しかないことがあります。その場合は次のように分けます。
- 求人: 「別の求人サイトだけで確認。転職サイトでは掲載期間内。会社の一覧には同じ求人がなく、管理部門全般の募集はあるが、同じ求人か分からない」
- 年収: 「転職サイトの個別求人には年収あり。会社の管理部門全般の募集には月給のみ。別の求人として記録」
大切なのは、空欄を推測で埋めないことです。同じ求人を会社の募集一覧で見つけたら「会社の一覧で確認」、転職サイトなどにだけあれば「別の求人サイトだけで確認」、公開一覧がない、元の掲載先を開けない、同じ求人か判断できない場合は「確認できない」と書き、その理由を添えます。
記録した後に、候補へ残すか決める
- 残す: 現在の法人を特定でき、同じ求人を確認できた。年収に不明点があっても、応募前に聞く項目として分けられている
- 保留する: 会社は特定できたが、会社の公開一覧で同じ求人を確認できない、または転職サイトと会社側の記載が分かれている。会社か求人の掲載元へ確認してから決める
- いったん外す: 現在の法人を特定できない、会社がその職種を募集していないと明記している、または勤務地・雇用形態がAIの説明と違い希望に合わない。ただし、法人を特定できないことだけで「実在しない」とは決めない
まだ具体的な会社ではなく、AI が挙げた職種や年収を求人検索に使える形へ直したい場合は、転職活動でAIに「行けそうな会社」を聞いた後にやることに手順を載せています。
確かめた範囲
- 冒頭の件数は、倉庫管理職の例をgpt-5.6-solでWeb検索なし・あり各2回試し、2026年9月26日に確認した結果です。ChatGPTのアプリや別のモデルは確かめていません
- 手順の分岐は、経理職の例でWeb検索ありの回答1回から2社を確認して補いました
- 確かめたのは会社・求人・年収の3項目です。AIが書いた応募条件、会社説明、応募順位が正しいかは確かめていません