転職の判断
退職勧奨で辞めたことは面接でどう言う? 会社都合は不利?
退職勧奨で辞めることになった人向けに、面接での退職理由の言い方を例文つきでまとめました。会社都合での退職が不利に見えないか、「なぜあなたが対象になったのか」と聞かれた時の答え方、評価や成績を理由に勧奨された場合の話し方、離職票や退職証明書で転職先に伝わるか、履歴書の書き方に加え、辞める前に確かめたい退職届の文面と求職活動支援書のことも載せています。
公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・退職勧奨で辞めたことを面接で言う答え方と、経歴の話に移る例。会社都合での退職が不利に見えるか、面接官が何を気にするのか
- ・「なぜあなたが対象になったのか」と聞かれた時の答え方と、評価や成績を理由に勧奨された場合の話し方
- ・離職票・退職証明書・履歴書から辞め方が転職先に伝わるか。辞める前に確かめたい退職届の文面と求職活動支援書
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会社の業績が悪化して退職勧奨を受け、条件をのんで辞めることにした。次は転職活動ですが、面接が久しぶりで、退職の理由をどう言えばいいのか、会社都合だと「何か問題がある人」と見られないかが気になる。
面接では、辞めた事実を短く言えば足ります。退職勧奨に応じて辞めるのは会社との合意による退職で、解雇ではありません。「クビになった」と言う必要も、「自分の意思で辞めた」と言い換える必要もありません。面接官が気にするのは、本人の働きぶりが理由で辞めることになったのかどうかで、事業部の縮小による勧奨なら、その心配とは切り離して話せます。辞め方の説明は短く済ませ、残りの時間は経歴の話に使います。
人員整理などで前の会社を辞め、次の会社に採用された人もいます。厚生労働省の令和 7 年転職者実態調査では、転職者のうち、前の勤め先を辞めた主な理由が「倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職」(倒産や整理解雇も含む区分)だった人は、45〜49 歳で 4.8%、50〜54 歳で 5.6% でした。
まだ辞める前なら、面接の準備より先に、退職届の文面が「一身上の都合」になっていないかを確かめてください(辞める前に、退職届の文面を確かめる)。
退職勧奨で辞めたことは、事実どおり短く言えば足りる
退職の理由を聞かれたら、たとえばこう答えます。
事業部の縮小に伴う人員削減で、会社から退職の勧奨を受け、応じることにしました。
割増退職金の額や、上司とどんなやりとりがあったかまでは要りません。会社への不満や言い訳も入れずにおきます。
退職勧奨は、会社が「辞めてもらえないか」と持ちかけ、働く側が応じて初めて退職が成り立つものです。会社が一方的に契約を終わらせる解雇とは違う、と厚生労働省が説明しています(「解雇と合意退職・辞職の違いについて教えてください。」)。だから「解雇された」とも「自分から辞めた」とも言わず、起きたことをそのまま言えば嘘のない説明になります。
部署の全員が勧奨を受けたわけではなく、残った人がいる場合も、この言い方で構いません。「私も対象の一人として勧奨を受けました」と言えば、事実と食い違いません。
ネットで調べると「正直に言うべき」と「前向きな理由に言い換える」の両方が出てきますが、この 2 つは両立します。辞めた事実は正直に言い、前向きに話すのは、その後に続ける「次の会社で何ができるか」の部分です。
自分から切り出さなくても、聞かれた時に備えて 1〜2 文で答えられるよう用意しておけば足ります。
会社都合は不利? 面接官が確かめたいのは「本人の評価が理由か」
退職勧奨と聞いた面接官がまず気にするのは、この人自身に問題があって辞めることになったのかどうかです。事業部の縮小や部門の整理による勧奨なら、本人の評価とは別の、会社や部門の事情として説明できます。縮小の事情を、決算の発表や報道で外から確かめられる場合もあります。
厚生労働省の「令和7(2025)年転職者実態調査の概況」(令和 8 年 9 月 25 日公表)では、転職者が直前の勤め先を辞めた主な理由のうち「倒産・整理解雇・人員整理による勧奨退職」は、45〜49 歳で 4.8%、50〜54 歳で 5.6% でした。この区分には、勧奨退職のほかに倒産や整理解雇で辞めた人も入ります。分母は次の会社に採用された転職者で、採用された人の中に、こうした会社側の事情で前の会社を辞めた人が一定数いる、ということです。
採る側の理由も、同じ調査にあります。転職者を採用した事業所に理由を 3 つまで聞くと、管理的な仕事では「経験を活かし即戦力になるから」60.7%、「専門知識・能力があるから」50.2% が上位でした。販売の仕事では「離職者の補充のため」54.6% が最も多く、「経験を活かし即戦力になるから」52.9% が続きます。どちらの仕事でも、経験は採る理由の上位に入っています。
退職理由の後は経歴の話へ。製品名ではなく、誰にどう売ったかを言う
辞めた事実を言ったら、続けて経歴の話に移ります。ここで「長年の営業経験を御社で生かしたいと考えています」と言うと、どの応募者でも言える文になります。
営業を例にすると、製品名や社名の代わりに「誰を相手に、どんな取引を、どう続けて広げてきたか」に言い直します。
事業部の縮小に伴う人員削減で、会社から退職の勧奨を受け、応じることにしました。製造業の工場を中心に、十年以上取引の続く既存のお客様を担当し、設備の更新時期に合わせて提案を重ね、取引の範囲を消耗品から保守契約まで広げてきたので、それを御社の◯◯で生かしたいと考えています。
◯◯には、応募先の顧客や製品を入れます。こうすると、同じ会社で同じ製品を売り続けてきた人でも、扱う製品が変わっても通じる経験として伝わります。営業以外の仕事でも、扱った製品やシステムの名前より、誰に対してどんな条件の仕事をどこまで任されていたかを言うほうが伝わりやすくなります。
役職がついていた人は、肩書きより、実際に任されていた仕事の範囲を言います。部下がいなかったのに「マネジメント経験」と大きく言うと、「何人の部下を評価していましたか」と聞かれた時に話が食い違います。「後輩 3 名の案件の進め方と商談に助言していた」「チームの売上を取りまとめて上長に報告していた」のように、人数と中身で言えば、肩書きだけより伝わります(例は架空です)。
退職理由と志望動機は、無理につなげなくて構いません。前の会社を出た理由と、この会社を選んだ理由は、面接でも別々に聞かれます。つなげたい時は、辞めた経緯ではなく自分の経験を起点にして、「この経験が御社のこの顧客に使える」と 1 つ具体的に言うほうが伝わります。
「なぜあなたが対象に?」と聞かれたら、会社から受けた説明をそのまま話す
部署の一部だけが勧奨を受けた場合、「なぜあなたが対象になったのですか」と聞かれることがあります。
答えるのは、勧奨の時に会社から受けた説明です。「事業部の縮小で人員を減らす」と言われたなら、それが事実です。「年齢と給料で選ばれたのだと思う」のような自分の推測は、面接で言う必要はありません。
選ばれた理由を推し量って話すより、直近まで担っていた仕事と、その成果を数字で示すほうが、本人に問題があったのかという疑問に答えられます。
会社からは、事業部の縮小で人員を減らすという説明を受けました。直近まで、◯◯の顧客を担当し、昨年度は◯◯の案件を受注していました。
評価や成績を理由に勧奨された場合は、話し方が変わる
会社から、能力不足や成績を理由にした勧奨だと言われた場合は、業績理由と同じ話し方はできません。面接官の関心が「何ができなかったのか」「次の会社で同じことが起きないか」にそのまま向くからです。
この場合も、業績理由と言い換えるのはやめておきます。後で話や書類と食い違うもとになります。事実を短く言ったうえで、何が評価されなかったと自分で受け止めているか、それを踏まえて次の仕事をどう選んだかを話します。
成績が求められる水準に届かず、会社から退職の勧奨を受けました。会社の評価は新規開拓の件数を重く見るもので、既存顧客の深耕が中心だった私の仕事とは合いませんでした。今回は既存顧客を長く担当する営業職に絞って応募しています。
転居を伴う異動を断っていた場合
社内で別の部署や地方の拠点に移る話があり、断ったうえで勧奨に応じた人もいます。聞かれたら、事実どおり「転居を伴う異動の話もありましたが、家庭の事情で転居が難しく、勧奨に応じました」で足ります。
言い方より気をつけたいのは、断った理由と応募先の勤務地が矛盾しないことです。転居できない事情で異動を断ったのに、遠方の勤務地に応募していると、話がつながりません。
自己都合と言い換えたら分かる? 書類から伝わる場面は限られるが、言い換える利点はほとんど無い
退職の経緯が、本人の知らないうちに書類で転職先へ伝わる場面は限られます。
入社手続きの書類で前の会社の何が転職先に届くかは、短い職歴を書かなかったらバレる? 入社手続きで転職先に伝わることで書類ごとにまとめています。辞め方に関わるのは次の 2 つです。
- 離職票: 公共職業安定所長が、辞めた本人に交付する書類です(「雇用保険法施行規則」 第 17 条)。失業給付の手続きに使うもので、入社手続きで転職先に出すと定めた規定は見当たりません
- 退職証明書: 本人が請求した時に前の会社が出すもので、本人が請求していない事項は書けません(「労働基準法」 第 22 条第 1 項・第 3 項)。転職先から出すよう言われても、退職の事由を請求しなければ載りません。同じ条の第 4 項は、前の会社が第三者と謀り、就業を妨げる目的で国籍・信条・社会的身分・労働組合運動に関する通信をすることや、証明書に秘密の記号を書くことも禁じています
この 2 つの書類から、辞め方が本人の知らないうちに転職先へ伝わることはありません。ただ、リファレンスチェックのように、本人の同意を得て前の職場に話を聞く経路は別にあります。それに、「自己都合です」と言い換えて得をする場面はほとんどありません。業績理由の勧奨は、そのまま話しても評価と切り離せる理由です。言い換えると、面接で詳しく聞かれた時や、人づてに事情が伝わった時に食い違いが残ります。
履歴書の職歴欄は、書き方に法律上の決まりがありません。勧奨を受けたと面接で話すなら、「会社都合により退職」と書いておくと、面接で話す内容とそろいます。
辞める前に、退職届の文面を確かめる
退職勧奨で辞める人は、雇用保険では、事業主から直接または間接に退職を勧奨されて離職した人として特定受給資格者(いわゆる会社都合)に当たります。ただし、前から常にある早期退職優遇制度に自分から応募して辞めた場合は当たりません。また、これに当たらない形で、企業整備による人員整理などで希望退職者の募集に応じて辞めた人は、特定受給資格者ではなく特定理由離職者という別の区分になります(ハローワークの「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要」)。最後に判断するのはハローワークです。
気をつけたいのは退職届です。勧奨退職でも、「一身上の都合」などと書いた退職届を出すと自己都合とされることがある、と東京都の資料が注意しています(「辞めてほしいと言われたら」)。出す前に、退職理由の書き方を確かめてください。気になる時は、出す前に人事に雇用保険の扱いを確かめ、勧奨の条件が書かれた書面は手元に残しておきます。
45 歳以上なら、求職活動支援書を頼めるか人事に確かめる
45 歳以上 70 歳未満で、解雇などで辞める人が希望すれば、前の会社は「求職活動支援書」を作って本人に渡すことになっています(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」 第 17 条、年齢は「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」 第 6 条の 3)。日々雇用や期間を定めて雇用されている人(同じ事業主に 6 か月を超えて続けて雇われている人を除く)、試用期間中の人(同じ事業主に 14 日を超えて続けて雇われている人を除く)、常時勤務を要しない人は対象から外れます(同条第 9 項)。載るのは、従事した主な業務の内容・実務経験・業績や達成事項を含む職務の経歴、資格や免許、技能や知識などで、離職の理由は載りません。対象の理由は、施行規則で「解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他の事業主の都合」とされています(「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則」 第 6 条の 3)。
退職勧奨がこの「事業主の都合」に当たるかは、会社の人事に確かめてください。作ってもらえれば、職務経歴書や、面接で経歴を話す時の材料になります。
よくある質問
退職勧奨とリストラ・解雇は何が違いますか
解雇は、会社が一方的に労働契約を終わらせるものです。退職勧奨は、会社が辞めることを勧め、働く側が応じた時に初めて退職が成り立つもので、応じるかどうかは働く側の自由です(「解雇と合意退職・辞職の違いについて教えてください。」)。いわゆる肩たたきや希望退職の募集も退職勧奨に当たる、と東京都の資料は説明しています(「辞めてほしいと言われたら」)。ただし雇用保険の区分は、上司から直接勧奨を受けた場合と希望退職の募集に応じた場合とで変わることがあります(辞める前に、退職届の文面を確かめる)。「リストラ」は法律の言葉ではないので、面接では「人員削減で勧奨を受けて応じた」と、起きたことをそのまま言うほうが正確です。
能力不足と言われての退職勧奨でも、同じ言い方でいいですか
同じ言い方はしません。業績理由と言い換えず、評価を理由に勧奨を受けたことを短く言い、何が合わなかったかと、次の仕事をどう選んだかを話します(評価や成績を理由に勧奨された場合は、話し方が変わる)。
退職勧奨で辞めると、転職先にバレますか
書類から勝手に伝わる場面は限られます。離職票は本人に交付される失業給付の書類で、退職証明書には本人が請求した事項しか書かれないので、この 2 つから勝手に伝わることはありません。リファレンスチェックのように本人の同意を得て前の職場に話を聞く経路は別にあります。また、業績理由の勧奨なら隠す理由が薄く、言い換えると面接で食い違うもとになります。
40 代・50 代の転職で、年収は下がりますか
年齢で分かれます。厚生労働省の「-令和6年雇用動向調査結果の概況-」で、転職入職者の賃金が前の勤め先より増えた人と減った人の割合は次のとおりです。
| 年齢 | 賃金が増えた | 賃金が減った |
|---|---|---|
| 45〜49 歳 | 46.4% | 23.8% |
| 50〜54 歳 | 39.0% | 28.2% |
| 55〜59 歳 | 27.4% | 36.6% |
40 代後半と 50 代前半は増えた人のほうが多く、55〜59 歳では減った人のほうが多くなります。これは年収ではなく賃金の変化で、辞めた理由でも分けていないので、会社都合で辞めた人に限った数字ではありません。
出典と、分かっていないこと
- 出典はすべて 2026 年 11 月 4 日に確認しました。法令は e-Gov の条文です
- 転職者実態調査の数字は、5 人以上の事業所で働く一般労働者のうち、転職してきた人に聞いたものです。採用された人の割合で、応募して落ちた人の数は分かりません。会社都合で辞めたことが選考で不利になるかどうかを、採る側に直接聞いた公的な統計は見つかりませんでした
- 転職先が入社手続きで離職票を求めることがあるか、退職証明書をどのくらい求めるかは確かめていません
- 退職勧奨が求職活動支援書の対象(事業主の都合)に当たると明記した資料は、見つけられませんでした
- 退職届の書式を会社が変えない場合の扱い、失業給付の日数や金額、雇用保険の離職理由の判断は扱っていません。ハローワークで確かめてください
- 面接で辞め方をどこまで聞かれるか、業績理由の勧奨なら評価と切り離して話せるか、自己都合と言い換える利点がほとんど無いか、異動を断った事情がどう受け取られるか、自分から先に勧奨のことを言うほうがいいかは、確かめた資料が無く、書き手の判断として書いています
- 何社くらい応募すれば決まるか、職種や役職ごとに年収がどう変わるかは扱っていません
- 退職勧奨を受けるかどうか、条件をどう交渉するかは扱っていません
- 文中の面接の答えの例は架空のものです