転職の判断
転職回数が多いと書類で落ちる? 職種がばらばらな経歴のまとめ方
30 代で 4〜5 社目になり、職種も変わってきた人向けの記事です。転職回数は何回から多いと見られるのか、採用担当者の調査と求人票の応募条件で分かること、経験の種類ごとにまとめるキャリア式に組み直した職務経歴書の例、職務要約の書き方、「またすぐ辞めるのでは」と思われた時の答え方を載せています。
公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・何回から多いという共通の基準は無い。30 代の転職回数を気にする採用担当者でも、ためらい始める回数は 1 回から 10 回以上まで分かれている。直前の会社の在籍が 1 年を超えていれば、前職の在籍期間でためらう担当者は回答者全体の 2 割強になる
- ・職種がばらばらな経歴は、経験の種類ごとにまとめるキャリア式にして時系列の略歴を添える。社数は隠れないが、経験どうしの関係を読み手に探させずに済む
- ・経歴のつながりは、当時の動機ではなく前の仕事で身についたことで書く。「またすぐ辞めるのでは」には、次にやりたいことと、応募先の仕事がそれに合うことで答える
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30 代で 4 社目、5 社目と転職を重ね、職種も少しずつ変わってきた。応募しても書類で落ち続け、転職回数が多いと言われるけれど、何回から多いのか、ばらばらに見える経歴をどうまとめればいいのか分からない。この記事は、そういう人に向けて書いています。
先に答えると、転職回数が何回から多いかという共通の基準はありません。採用担当者への調査でも、ためらい始める回数は担当者ごとに 1 回から 10 回以上まで分かれています。ただ、社数そのものは書類から消せません。隠すのではなく、経験どうしの関係を職務経歴書で先に見せるのが、職種がばらばらな経歴のまとめ方です。
書類を読む担当者が気にするのは、回数そのものより「なぜ多いのか」と「またすぐ辞めるのでは」です。直前の会社(前職)の在籍期間も見られますが、1 年を超えて在籍していれば、その期間でためらう担当者は調査の回答者全体の 2 割強です。
何回から多い? 採用担当者でも基準はばらばら
マイナビの採用担当者 1,500 人への調査では、30 代の応募者の転職回数を気にすると答えた担当者のうち、1〜4 回のどこかからためらうと答えた人が 56.5%、5 回からが 18.4%、10 回以上になって初めてためらう人が 18.7% でした(「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」 p.61、2025 年 12 月の調査)。気にすると答えた 987 人の中では、半分強が 4 回の応募者にためらう、ということです。ただ、この割合は「気にする」と答えた担当者の中のもので、回答者全員の 1,500 人を分母にすると、概算で 4 割弱になります。また、選択肢が「3〜4 回」で 1 つにまとまっているので、3 回からためらう担当者と 4 回からの担当者は分けられません。経験 4 社で 5 社目に応募する人(これまでの転職は 3 回)は、ちょうどこの境目にいます。40 代の応募者では、1〜4 回のどこかからためらう人は 52.1% で、年齢が上がるとためらい始める回数はやや多くなります(同 p.62)。
直前の会社(前職)の在職期間は、同じ調査で回答者の 83.3% が気にすると答えました。ためらう在職期間は「1 年以下」が 35.8% で最も多く、1 年を超えていてもためらう担当者は、「2 年以下」8.8%・「3 年以下」7.1%・「3 年 1 か月以上」6.5% を合わせて回答者全体の 22.4% でした(同 p.60)。この設問が聞いているのは直前の会社の在職期間だけで、それより前の会社の在籍期間は聞いていません。直前の会社を 1 年未満で辞めている場合の書き方と伝え方は、転職して半年で辞めたら次は不利? にまとめています。
求人票では、当サイトの掲載求人(2026 年 11 月 4 日時点)で、応募要件などに転職回数・経験社数の上限を数字で書いている会社は約 1% です。一方、書いている会社に限ると、経験 4 社で 5 社目に応募する人は、約 7 割の会社で応募条件を満たしません。「当社で 5 社目まで」のように応募先を含めて数える会社と含めない会社があり、「上限を超える場合は理由を説明」「相談可能」と余地を残す会社もあります。書いてあれば応募する前に分かるので、応募要件の回数の書き方は先に読んでおく価値があります。
書類で落ち続けている時、それが回数のせいかどうかは外からは分かりません。マイナビの同じ調査では、2025 年に 1 人以上採用した担当者(1,357 人)の 80.3% が、経験社数(転職回数)が上限以下であることを応募条件として求めていました(「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」 p.11)。上限が何回かは聞いておらず、10 回以上を上限にしている担当者も含みます。求人票に上限を書く会社が約 1% という当サイトの数字と並べると、回数が見られているかどうかは、求人票に書いてあるかどうかだけでは分かりません。
書類を読んだ担当者が何を考えるかについて、ハローワークのパンフレットは、転職が多いと採用担当者から「なぜ転職が多かったのか」「採用してもすぐにまた転職するのではないか」と問われることになる、と書いています(「職務経歴書の作り方 パンフレット」 p.11)。この 2 つには、職務経歴書の書き方で答えられます。
職種がばらばらなら、経験の種類ごとにまとめるキャリア式にする
職種が少しずつ変わってきた経歴を会社順(編年体)に並べると、会社が変わるたびに職種も変わり、経験どうしの関係を読み手が自分で探すことになります。ハローワークのパンフレットは、職務経歴が多く複数に分類できる場合の書き方として「キャリア式」を示しています。経験の種類ごとに区分してアピールしたい順に並べ、時間の流れが分かりにくくなる分、時系列の「略歴」を添える形です(同 p.6)。
営業 → 営業企画 → 販促 → マーケと移ってきた架空の経歴で、組み直す前と後を並べます。
組み直す前(会社順)
- 専門商社(3 年) 法人営業
- 広告代理店(2 年) 営業企画
- 日用品メーカー(1 年半) 販促 ※部署縮小のため退職
- BtoB の IT サービス会社(3 年、在職中) マーケティング
組み直した後(キャリア式)
《略歴》 専門商社 3 年(法人営業)→ 広告代理店 2 年(営業企画)→ 日用品メーカー 1 年半(販促、部署縮小のため退職)→ BtoB の IT サービス会社 3 年(マーケティング、在職中)
《職務経歴》
BtoB マーケティング(計 3 年)
- BtoB の IT サービス会社(在職中): ウェビナーの企画・運営、MA のシナリオ設計、展示会
営業企画・販促(計 3 年半)
- 広告代理店(2 年): 販促施策の企画、営業資料の作成、KPI の集計
- 日用品メーカー(1 年半): キャンペーンの企画と効果の振り返り
法人営業(計 3 年)
- 専門商社(3 年): 新規・既存の法人営業。担当者と決裁者が別の商談で、比較資料を求められる段階まで対応
区分の中に会社名と期間を書き、略歴にも全社を並べるので、4 社という数は隠れません。キャリア式は回数を隠すためではなく、経験どうしの関係を読み手に探させないための書き方です。在籍 1 年半の会社も、1 社だけで目に入るより、営業企画・販促の計 3 年半の一部として見てもらえます。辞めた理由が会社側の事情なら、「部署縮小のため」と事実だけ短く添えれば足ります。
区分の名前は職種名でなくてもかまいません。事務 → 経理 → 人事のような経歴でも、販売 → 店長 → 本部の採用担当のような経歴でも、応募先の仕事に近い経験の区分から先に置く、という考え方は同じです。
経歴のつながりは、前の仕事で身についたことで書く
キャリア式にすると、「顧客の近くから、売れる仕組みを作る側へ」のような一貫した流れを書きたくなります。ただ、当時そう考えて移ったわけではないなら、それを転職の動機として話すのはやめておきましょう。面接で 1 社ずつ理由を聞かれると、実際の理由と合わなくなります。
代わりに、前の仕事で身についたものが次の仕事でどう使われたか、という事実のつながりで書きます。上の例なら、次のようになります。
- 法人営業: 職種名で比べるとマーケとは別物に見えますが、BtoB マーケの施策は、最後は取引先の社内で誰かが購入を決める場面につながります。「担当者は乗り気でも、決裁者の段で比較資料を求められて止まる」のように、購入を決める人と直接やりとりして見てきたことは、施策を組み立てる時の裏付けになります。「飛び込み・ルート営業」と作業の名前で書くより、こうした中身を 1〜2 行で書くほうが目に留まります
- 営業企画: KPI を集計していた経験が、MA で「どの段階の人に何を送るか」を決める仕事につながります
- 販促: BtoC か BtoB かより、企画して、結果を数字で振り返り、次に直した、という仕事の進め方を書けます
転職した理由は、面接で本当のことを短く話します。書類に書いた経験の流れと食い違わなければ、1 社ずつ聞かれても困りません。
職務要約に入れる 4 つのことと、その順番
職務経歴書の冒頭の職務要約に、経験した職種を並べただけでは、どの経験を次に生かしたいのかが伝わりません。次の順で書くと、経験どうしの関係が先に伝わります。
- これまでの移り方を 1 文で(何年かけて、どの仕事からどの仕事へ)
- いまの仕事でできること(数字があれば)
- 前の経験がそれをどう支えているか
- 次にやりたいこと
上の架空の経歴なら、たとえば次のようになります。
法人営業 3 年を起点に、営業企画・販促、BtoB マーケティングと、顧客に近い現場から売れる仕組みを作る側へ移ってきました。現職では MA のシナリオ設計とウェビナーの企画・運営を担当し、告知の題材と出し方を見直して集客数を伸ばしました。営業時代に見た、取引先の社内で購入が決まるまでの流れを、施策の設計に生かしています。今後は BtoB マーケティングに専任で取り組みたいと考えています。
4 の「次にやりたいこと」は、応募先ごとに書き換えます。ハローワークのパンフレットも、職務経歴書を複数の応募先に「使い回しすることは適当でありません」と書いています(同 p.2)。
成果の数字は、自分で追えている数字だけを書きます。商談化や受注のように営業側が持っている数字を自分の成果として書くと、面接で聞かれた時に答えられません。集客数や開封率を並べるだけでは結果しか伝わらないので、自分が何を変えて数字がどう動いたかを足すと、仕事の中身が伝わります。
「またすぐ辞めるのでは」には、次にやりたいことと応募先の仕事で答える
「またすぐ辞めるのでは」に書類で答えるなら、職務要約の最後か自己 PR に書きます。過去の退職理由は「一身上の都合により退職」「会社都合により退職」のように簡単に書けばよく(同 p.7)、前の会社を悪く言う必要はありません。部署縮小のように会社側の事情で辞めた時は「会社都合により退職」と書き、面接で話す内容とそろえます。
いまの会社を辞める理由は、職場への不満ではなく、次にやりたいこととして書きます。「雑務が多い」ではなく「マーケティングに専任で取り組みたい」です。そのうえで、応募する求人の仕事内容が本当にその役割かを確かめ、合っている求人に出します。前の会社を辞めた理由が応募先ではあてはまらない、と読めれば、「またすぐ辞めるのでは」への答えになります。ハローワークの記載例も、最後を今後は一つの職務に専心したい、という結びにしています(同 p.11)。
通勤時間や在宅勤務の有無のような条件は、回数が多いからといって緩める必要は無いと考えています。条件を緩めても、これまでの転職回数の見え方は変わりません。むしろ、長く続けられる条件で選んだ会社のほうが、「今回は続けます」と話す時の裏付けになります。
面接で「転職が多いですね」と言われたら
謝る必要はありません。社数は事実として認め、職務経歴書に書いたのと同じ流れで説明し、最後に「今回は腰を据えて働きたい」理由まで話します。たとえば次のような言い方です。
(例)「はい、4 社経験しています。営業で取引先が購入を決めるまでの流れを見て、その後は売れる仕組みを作る側に移ってきました。今回は BtoB マーケティングに腰を据えて取り組みたいと考えていて、御社のこの役割ならそれができると考えて応募しました」
1 社ずつ理由を聞かれたら、1 社ずつ答えてかまいません。略歴に書いたことと同じ内容を話します。2 回目の転職で、2 社分の理由のつなげ方を考えている場合は、職務経歴書に2社をどう書き分ける? にまとめています。
よくある質問
転職回数が多いと人生終わりですか
終わりではないと考えています。採用担当者がためらい始める回数は 1 回から 10 回以上まで分かれていて、決まった回数で一律に落とされるわけではありません。職務経歴書のまとめ方と応募先の選び方で、できることは残っています。
30 代の転職回数の平均は何回ですか
公的な統計で、年代別の転職回数の分布は確かめられませんでした。書類選考に関わるのは平均との比較より、上の調査のように、採用する側が何回からためらうかです。
履歴書には全部の会社を書きますか
書きます。職務経歴書の略歴と履歴書の職歴欄で、会社と期間をそろえます。短い職歴を書かなかった時に転職先に何が伝わるかは、短い職歴を書かなかったらバレる? にまとめています。
40 代で転職回数が多い場合も同じですか
まとめ方は同じです。調査では、40 代の応募者について、1〜4 回のどこかからためらうと答えた担当者は 52.1% で、30 代の 56.5% より少なく、年齢が上がるとためらい始める回数はやや多くなります。そのぶん、区分ごとの経験の中身と、入社後に何を任せられるかを見られると考えています。
出典と、分かっていないこと
- 採用担当者の数字は、「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」(株式会社マイナビ、2025 年 12 月 17〜22 日のインターネット調査、2025 年に中途採用を担当した人事担当者 1,500 人)の p.11・60〜62 です。分母は数字ごとに違います。ためらう転職回数(p.61・62)は各年代の応募者の転職回数を気にすると答えた人(30 代は 987 人)、在籍期間(p.60)は回答者全員の 1,500 人、経験社数の上限を求めていた割合(p.11)は 2025 年に 1 人以上採用した 1,357 人です。調査したのは転職サービスを運営する会社です
- キャリア式・略歴・退職理由の書き方は、ハローワークの「職務経歴書の作り方 パンフレット」 p.2・6・7・11 です。資料はいずれも 2026 年 11 月 4 日に確認しました
- 当サイトの数字は、2026 年 11 月 4 日時点の掲載求人で、求人票の応募要件・仕事内容などに転職回数・経験社数の上限を数字で書いている会社の割合を、会社単位で数えたものです。上限で外れるかどうかは、書き方を読んで判定しました。割合は丸めています。当サイトに掲載している求人での割合で、求人全般の割合ではありません
- 書類で落ちた理由が回数かどうか、キャリア式にすると書類の通過率が上がるかどうかは、確かめられる資料がありません
- 職務要約の 4 つの順と、つながりの書き方は、資料をもとにした書き手の判断です。行数の決まりは、確かめた資料にはありませんでした
- 文中の経歴、職務経歴書と職務要約、面接の言い方の例は架空のものです