転職の判断
職務経歴書に2社をどう書き分ける? 古い会社の経験を主役にしてもいい?
2回目の転職で、職務経歴書に2社分をどう書くかをまとめました。2社を同じ分量にせず、求人票の必須条件に合う経験がある会社を詳しく書くこと、古い会社が主役でもよいこと、削ってよい所と残す所、古い会社を3行に縮めた例と職務要約の例、2回目の転職がどう見られるかと面接での理由の話し方を載せています。
公開 2026年10月28日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・2社を同じ分量で書かなくてよく、詳しく書く会社は求人票の必須条件で決まる。同じ経歴でも、開発の求人と情シスの求人では主役が入れ替わる
- ・削ってよいのは業務の細部で、会社・期間・職種は残す。古い会社を3行に縮めた例と、2社の経験のつながりを先に書く職務要約の例
- ・30代の転職回数を気にする採用担当者のうち、1回からか2回からためらう人は合わせて約4分の1という調査がある。面接では2回分の理由をつなげて話す
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2 社分の職務経歴書は、同じ分量で書かなくてかまいません。求人票の必須条件に合う経験がある会社を詳しく書き、もう一方は会社・期間・職種の欄を残したまま短くします。詳しく書くのが古い会社でも問題ありません。
短い方の会社が薄く見えるかどうかは、行数より、冒頭の職務要約で 2 社の経験のつながりが見えるかどうかで決まると考えています。2 回目の転職については、30 代の転職回数を気にする採用担当者のうち、1 回からか 2 回からためらう人は合わせて約 4 分の 1 という調査があります。ただ、面接では転職の理由を 2 回分聞かれると考えて、準備しておくのがよいと思います。
同じ分量で書かなくていい。詳しく書くのは、求人票の必須条件に合う経験がある会社
職務経歴書は、応募先が知りたいこと・求めていることに応じて書くもので、応募先ごとに中身が変わります。厚生労働省のハローワークの案内は、同じ内容の使い回しは適当でないとしたうえで、記載内容が多い場合に長々と書くと焦点がぼけるので、応募先が求めることに合わせて書く事柄を取捨選択し、メリハリをつけるよう勧めています。分量の目安は A4 で 1〜2 枚です(「職務経歴書の作り方 パンフレット」 p.1〜3・p.5)。
読み手は、求人票の必須条件に合う経験が書類のどこにあるかを探しながら読む、と私は考えています。そのため同じ 2 社でも、応募先が変われば詳しく書く会社が入れ替わります。
| 求人票の必須条件 | 詳しく書く会社 | もう一方の書き方 |
|---|---|---|
| 開発の実務経験(例: 業務アプリの開発 3 年以上) | 開発をしていた会社(古い方でも) | 今の会社は、開発に関わる仕事だけを数行で書く |
| 社内SE・情シスの経験、ベンダーとの折衝 | 今の情シスの会社 | 開発の会社は数行に縮め、ベンダーとのやりとりに生きる経験として残す |
当サイトの掲載求人(2026 年 10 月 28 日時点)のうち社内SE・情シスの求人では、必須条件に開発の経験を挙げる会社も、社内SE・情シスの経験を挙げる会社も、それぞれ約 35% ありました(どちらにも両方を挙げる会社を含み、どちらも挙げない会社が約 4 割。会社単位、5% 単位に丸めた値)。同じ社内SE の求人でも、主役にする会社は求人票ごとに違います。1 種類の職務経歴書を使い回さず、応募先の必須条件を見てから配分を決めてください。
古い会社の経験が主役でもいい
4 年前までの経験でも、応募先の必須条件に合うなら、その会社を一番詳しく書いてかまいません。新しい会社ほど詳しく書く、という決まりはありません。
主役にした古い会社の欄には、案件、担当した工程、使った技術、チームでの役割を書きます。今の会社は消さずに短く添え、開発の求人に出すなら、開発に関わる仕事(システムの入れ替えで要件を取りまとめた、受入テストを担当した、など)を選んで残します。今の会社を主役にする時も、古い会社の欄は消さずに短くします。
どこまで削っていい? 業務の細部は削ってよく、会社・期間・職種は残す
削ってよいのは業務の細部です。古い会社の案件の工程や使った技術を全部並べず、応募先が求める経験に合う案件だけを詳しく書きます。
残すのは、会社名・在籍期間・職種です。欄ごと消すと職歴に穴が開き、履歴書と食い違います。職歴を書かなかった時に転職先に何が伝わるかは、短い職歴を書かなかったらバレる? にまとめています。
どこまで削るかの基準は、公的な案内にもありません。情シスの求人に出す時に、古い開発の会社を 3 行に縮めるなら、たとえば次のように書きます(架空の経歴です)。
株式会社〇〇ソフト(独立系のソフトウェア開発会社) 20XX 年 4 月〜20XX 年 3 月(4 年) システムエンジニア
- 病院・診療所向けの予約・会計システムの受託開発に 4 年従事(C#/SQL Server)
- 前半は詳細設計〜テスト、後半は顧客との仕様の調整と見積もりの作成を担当
- 開発を請け負う側で、仕様変更によって工程と費用がどう変わるかを見てきた
技術名は括弧の中に少しだけ残しています。応募先が開発を求めていなくても、ベンダーの説明を理解できることの裏づけになるからです。3 行目には、今の会社でのベンダーとのやりとりに生きる経験を選んでいます。
盛らずに書くには? 経験をひと言にまとめず、作ったものと工程を書く
古い会社を主役にする時に迷うのが、自分の経験が求人票の必須条件に当てはまるかどうかです。たとえば必須条件が「Web アプリの開発」で、自分の経験は社内向けの画面とバッチ処理が半々だった、という場合です。
ここでは「Web アプリ開発 4 年」とひと言にまとめず、何を作ったか、画面の開発とバッチ処理の比重、担当した工程をそのまま書きます。当てはまるかどうかは、読み手が中身を見て判断できます。開発の求人に出す時は、主役の会社の欄をたとえば次のように書きます(架空)。
- 診療所向け予約システムの開発(Web 画面:ASP.NET、C#)/会計システムの改修(夜間のバッチ処理が中心)
- 比重は画面の開発が約 6 割、バッチ処理が約 4 割
- 詳細設計〜結合テストを担当。3 年目から 3 名のチームのとりまとめ
面接では職務経歴書の内容をもとに質問されることが多い、とハローワークの案内は書いています(同 p.2)。書いたことを自分の言葉で詳しく話せる範囲に収めておくのが、盛っていないことを示すいちばん確かな方法だと考えています。
必須の年数に届いていると読まれるかどうかは会社によって違い、それを判断できる資料も見つかりませんでした。年数が少し足りない時の考え方は、経験年数が少し足りない求人に応募していい? に書いています。
今の会社の経験は、自分で決めたことを書く
今の会社の欄に「ベンダーとの打ち合わせに出席し、進捗を確認した」と書いても、伝わるのは出席したことだけです。求人票の「ベンダーコントロール」のような条件に当てはまる経験として読んでもらうには、自分が何かを決めた、止めた、組み直したことを書きます。情シスの求人に出す時の、今の会社の欄の例です(架空)。
- 勤怠・経費精算システムの入れ替えでベンダーの窓口を担当。見積もりの項目を社内の要望と突き合わせ、使われていない機能の改修を外して再見積もりを依頼
- 切り替えの日程に遅れが出た際、先に切り替える拠点の順番を人事・経理と決め直し、スケジュールを組み直した
- 受入テストの確認項目を、経理の締め作業の流れに沿って自分で作成
金額や削った割合のような数字は、覚えているものだけ入れれば足ります。思い出せない数字は作りません。実績の数字を覚えていない時の書き方は、前の会社の売上や件数を覚えていないとき、職務経歴書の実績はどう書く? にまとめています。
開発の求人に出す時は、同じ会社の欄でも残す仕事が変わります。ローコードツールで申請フローを作った経験などは、現場の業務に合わせて自分で仕組みを作っていたことを示せるので残せます。ただし開発の年数には数えず、別の経験として書く方が誤解されません。
職務要約で、2 社の経験のつながりを先に書く
冒頭の職務要約で、2 社の経験がどう続いて今回の応募に至ったかを先に書いておけば、各社の欄の分量に差があっても、読み手は経歴の流れをつかみやすくなります。長さは 3〜4 行が目安だと考えています。
上の架空の経歴で、職務要約を応募先別に 2 通り書くと次のようになります。
開発の求人に出す場合
独立系のソフトウェア会社で 4 年間、医療機関向けの業務システムを C# で開発し、Web 画面とバッチ処理の詳細設計からテストまでを担当しました。その後、食品メーカーの情報システム部門で 3 年間、勤怠システムの入れ替えでベンダーの窓口を務め、要件の取りまとめと受入テストを担当しています。発注する側から見た開発の進め方も生かし、自社サービスの開発に携わりたいと考えています。
情シスの求人に出す場合
独立系のソフトウェア会社で 4 年間、医療機関向け業務システムの受託開発に携わった後、食品メーカーの情報システム部門で 3 年間、勤怠・経費精算システムの入れ替えでベンダーの窓口を務めています。開発を請け負う側にいた経験を生かし、見積もりや仕様案の中身を確かめ、社内の要望と突き合わせて調整してきました。
どちらも 2 社を古い順に書いていますが、詳しく書いているのは主役の会社だけです。書くのは自分の経歴の事実だけにし、例の言葉は自分の仕事に合う言い方に置き換えてください。
2 回目の転職は、採用担当者にどう見られる?
転職サービスを運営するマイナビが採用担当者 1,500 人に聞いた調査では、30 代の応募者の転職回数を気にする人に、何回からためらうかを聞いています。1 回からためらう人は約 1 割、1 回からか 2 回からの人を合わせても約 4 分の 1 で、一番多いのは 3〜4 回からでした(「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」 p.61。割合の分母は、回答者全員ではなく、30 代の転職回数を気にする人です)。
同じ調査で、前の会社の在籍期間が何年以下だと採用をためらうかを聞くと、1 年以下が最も多い答えでした。在籍が 2 年を超えていれば、8 割を超える担当者がためらう期間より長いことになります(同 p.60)。
当サイトの掲載求人(2026 年 10 月 28 日時点)でも、応募要件に転職回数・経験社数の上限を書く会社は 5% 未満でした。上限を書く会社を求人の職種で見ると、営業・販売・人材紹介・事務が多く、IT エンジニア系は未経験・育成枠が中心です。
ただし、2 回目が不利にならないとまでは言えません。同じ調査では、1 人以上を採用した担当者の 8 割が、経験社数が上限以下であることを応募条件にしていました(同 p.11。上限が何回かは分かりません)。求人票に上限を書いていなくても、回数を見ている会社はあります。会社ごとの採否も、この調査からは分かりません。ハローワークのパンフレットは、転職が多い人の職務経歴書の記載例で、採用担当者からなぜ転職が多かったのか、すぐにまた転職するのではないかと問われることになるとし、書類では転職の前向きな面を説明しつつ、勤続したいことを書くよう説明しています(「職務経歴書の作り方 パンフレット」 p.11)。面接でも、2 回分の理由を聞かれると考えて準備しておくのがよいと考えています。
面接では、2 回分の理由をつなげて話す
2 回目の転職では、1 回目の理由と 2 回目の理由がつながり、その先に今回の応募がある話し方が伝わりやすいと考えています。前の会社の批判にはしません。嘘をつく必要はなく、本当の理由の中から先に言うものを選びます。
例(架空。開発に戻る場合):
1 社目では、納品すると次の案件に移る働き方で、一つのシステムを長く育てる仕事がしたいと考えて、事業会社の情報システム部門に移りました。今の会社の情報システム部門は、システムを外部のベンダーに作ってもらい、要件をまとめて受け入れる役割です。発注側として開発の進め方を見る経験はできましたが、自分で作る役割は今の会社には無いので、自社サービスを内製している御社に応募しました。
「長く働きたい」は誰でも言える一言なので、前の会社を辞めた理由が応募先ではあてはまらないことを添えると、具体的に聞こえます。上の例なら、自社サービスを内製する会社では、作ったものを長く育てたいという 1 社目からの希望がかないます。
「今の会社の中で異動すればいいのでは」と聞かれたら、社内にその部署が無い、その仕事が社内に無い、という事実を淡々と答えます。不満から逃げるのではなく、選んで移る理由として伝わります。
情シスを続ける場合なら、たとえば今の会社でシステムの入れ替えを一通り終え、拠点が多い会社で仕組みづくりを続けたい、という理由が考えられます。応募先ではその仕事が続くことを、長く働ける理由として話せます。
よくある質問
職務経歴書には、2 社とも書きますか
書きます。会社名・在籍期間・職種はすべての会社について書き、応募先に合わせて変えるのは各社の業務をどこまで詳しく書くかです。
古い順と新しい順、どちらで並べますか
2 社なら、古い順(編年体式)で足ります。ハローワークの案内も、古い順を一般的なスタイルとし、迷ったら古い順と書いています。ほかに、新しい順に書く逆編年体式と、職務経歴が多いなど複数に分類できる場合に経験の種類ごとにまとめるキャリア式(略歴を添える)があります(「職務経歴書の作り方 パンフレット」 p.6)。今の仕事を先に読ませたい時は新しい順にしてもよい、と考えています。
1 社目を辞めた理由は、職務経歴書に書きますか
職務経歴書では「一身上の都合により退職」のように簡単に書けば足ります。詳しく書くなら前向きな表現にし、前の会社の批判は書かない、というのがハローワークの案内です(同 p.7)。理由は面接で話せば足ります。
面接で「前々職」をどう言えばいいですか
「前々職」「前職」より、「1 社目のソフトウェア会社では」「今の会社の情報システム部門では」のように、会社の種類で呼ぶ方が聞き手に通じやすいと考えています。
出典と、分かっていないこと
- 職務経歴書の枚数・応募先ごとの取捨選択・メリハリ・記載スタイル・退職理由の書き方・転職が多い場合の説明は、厚生労働省のハローワークの「職務経歴書の作り方 パンフレット」によります。頁は印刷された頁番号です。パンフレットには、2 社の分量の比率や、どこまで短くするかの基準は書かれていません。古い会社を何行に縮めるか、職務要約を何行にするかは、私の判断です
- 転職回数と在籍期間の数字は、マイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」(2025 年 12 月、従業員 3 名以上の企業の中途採用担当者 1,500 人へのインターネット調査)です。調査したのは転職サービスを運営する会社自身です。転職回数の割合(p.61)の分母は 30 代の応募者の転職回数を気にする人で、回答者全員ではありません。約 4 分の 1 は、1 回からと 2 回からの割合を足した値です。経験社数の上限を応募条件にしていた 8 割(p.11)の分母は、1 人以上を採用した担当者です
- 当サイトの数字は、2026 年 10 月 28 日時点の当サイトの掲載求人を会社単位で数えたものです。会社単位とは、求人の件数ではなく社数で割った割合のことで、その会社の求人のどれか 1 件に当てはまる書き方があれば、その会社を当てはまる側に数えています。社内SE・情シスの約 35% は、どちらも社内SE・情シスの求人を掲載している会社の数を分母にし、開発の経験と社内SE・情シスの経験を別々に数えた割合です。必須条件に開発の経験を挙げる求人がある会社が約 35%、社内SE・情シスの経験を挙げる求人がある会社も約 35% で、両方を挙げる会社はどちらにも入っています。転職回数の上限の 5% 未満は、掲載中の求人がある全会社の数を分母に、応募要件に上限を書く求人がある会社の数を分子にした割合です。社内SE・情シスの求人は、題名に社内SE・情報システム・情シスなどを含む求人で、応募要件のうち必須条件として書かれた部分に、開発の経験・社内SE や情シスの経験を表す言葉があるかを数えました。転職回数の上限は、掲載中の全求人の応募要件の欄で、転職回数・経験社数の上限を書く会社を数えました。言葉の有無で数えたため、数え漏れや、条件ではない書き方を拾ったものがあり、目視の確認では、社内SE・情シスの割合は各 5 ポイント程度の幅を持つ目安です。割合は 5% 単位に丸めています。どちらも当サイトの掲載求人の数字で、求人全般の割合ではありません
- 必須の年数に届いていると読まれるか、短く書いた会社の開発経験を応募先がどう評価するか、職務経歴書の書き方で書類選考の結果がどれだけ変わるかは、根拠にできる資料が見つからず、扱っていません
- 年収の伝え方は扱っていません
- 文中の経歴、職務経歴書の例、面接の例は架空のものです