AI と転職
職務経歴書の実績、数字を覚えていないとき 確かめられるものと、確かめられないもの
職務経歴書の実績に書く数字を覚えていない人へ。思い出せない数字は3つに分かれます。書類で確かめられるもの、自分の手元でしか確かめられないもの、数字にしなくてよいもの。仕分けるプロンプト全文と、分類ごとの書き方を載せます。
公開 2026年9月20日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・覚えていない数字は3つに分かれる。先に決めるのは、その項目に数字が要るかどうか
- ・在籍期間は雇用保険の記録から確かめられる。担当件数や売上は公的な記録に残らない
- ・実績の数字を3つに仕分けるプロンプト全文
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職務経歴書の書き方を検索すると、見本には「売上前年比 120%」「工数を 30% 削減」といった数字が並んでいます。自分の番になると、その数字が出てきません。何年も前のことで、当時の資料も手元にありません。
覚えていない数字は、諦めるか概算で埋めるかの二択ではありません。項目ごとに、まず「そこに数字が要るか」を決めます。要らない項目は③です。要る項目だけ、次に「どこを見れば確かめられるか」で①と②に分かれます。
- ① 書類で確かめられる(在籍期間、資格、年収、役職が変わった時期)
- ② 自分の手元か職場の資料でしか確かめられない(担当件数、売上、人数)
- ③ 数字にしないと決めた項目(担当範囲、立場、役割)
②のうち、資料を探しても確かめられなかった項目は、③の書き方に移します。数字を消して、担当範囲や役割で書く、という意味です。
例に使うのは、この記事のために作った架空の経歴です。認可保育園の保育士で、今の園が 6 年目、3 年目から主任。その前に別の園で 2 年。
実績の数字は、応募要件でどれくらい求められているか
その前に、採用する側が応募要件に何を書いているかを見ておきます。当サイト PREVIO に掲載している求人の応募要件の欄に、どの語が出てくるかを数えました。
| 応募要件に出てくる語 | 出てくる求人の割合 |
|---|---|
| 経験 | 95% |
| 年数の指定(「3年以上」のような書き方) | 45% |
| 未経験 | 20% |
| 実績 | 5% |
| 数値・定量 | 5% |
| 売上 | 5% に満たない |
数え方はこうです。2026 年 9 月 20 日に、掲載中の求人の全件(応募要件の欄が空のものも分母に含みます。全体の 2% ほどです)を対象に、応募要件のテキストへの部分一致で数えました。表の割合は 5% 単位に丸め、丸めて 0% になるものは「5% に満たない」と書いています。「年数の指定」は「(数字)年以上」という並びを拾っています。掲載しているのは複数の取り込み元から受け取っている求人データで、上位 3 つの取り込み元で 9 割を超えます。日本の求人全体の構成ではありません。
部分一致なので、「未経験」も「経験」に一致します。「未経験」という語を取り除いてから数え直しても、「経験」が出てくる求人は 95% でした。「経験不問」と書いている求人は 5% に満たない数です。
応募要件の欄でいちばん多いのは、経験と年数の指定です。いくら売り上げたか、何パーセント改善したかを名指しする書き方は、この集計では少数でした。応募要件の欄に出てこないだけで、選考で数字を見られないとは言えません。ただ、応募の条件として数字の実績を名指ししている求人は、この集計では少数でした。
覚えていない数字の仕分け
手元にある走り書きを用意します。今の仕事と前の仕事、担当している業務、思い出せる数字、資格、希望を、思いつく順に 10 行ほど。文になっていなくて構いません。例に使う人が持っていたのは、この 12 行です。
・認可保育園で保育士。今の園は6年目で、3年目から主任
・その前に別の法人の園で2年。すぐ辞めた
・担任は0歳児から5歳児まで一通り。今は3歳児クラス
・クラスの人数は20人ちょっと。担任は自分を入れて2人
・主任になってからはシフト作成、新人の指導、行事の進行、保護者対応の相談役
・園全体は100人くらいの子どもと、職員は20人ちょっと
・行事は年に何回かある。夏祭りと運動会と発表会は自分が進行の担当
・新人は毎年1〜2人入ってくる。辞める人も同じくらい
・保育士資格。あと最近、食物アレルギーの研修を受けた
・年収は手取りで考えたことしかない。額面は330万くらいだと思う
・次は、同じ保育でもいいけど、事務の仕事も見てみたい
・数字で言える実績が何もないと思っている
これを、次のプロンプトの最後に貼ります。貼る先は、文章を貼れる対話型の AI ならどれでも構いません。
これから、職務経歴書に書きたい経歴のメモを貼ります。
実績として書けそうな項目について、数字をどう扱えばよいかを仕分けてください。
やってほしいこと
1. メモの中から、職務経歴書に実績として書けそうな項目を、書いてある順に挙げる
2. それぞれを次の 3 つに分ける
① 記録で確定できる(在籍期間や給与のように、書類や公的な記録で年月・金額まで確かめられるもの)
② 手元にしか記録が無い(担当件数や売上のように、自分の手元の資料でしか確かめられないもの)
③ 数字にしなくてよい(担当範囲・頻度・立場・工夫で示せるもの)
3. ① には、何を見れば確定するかを書く
4. ② には、確かめられなかった場合に数字の代わりに書けることを書く
5. ③ には、数字の代わりに書く要素を書く
6. メモに無い数字を推測で作らない。元のメモが曖昧なら曖昧なまま引用する
出力は 1 項目 1 行で、行の先頭を①②③のいずれかにしてください。感想と助言は書かないでください。
メモ
(ここにメモを貼る)
1 回目に返ってきたのは 11 行で、そのうちの 7 行がこれです。
① 現在の認可保育園に「6年目」、3年目から主任:雇用契約書、在職証明書、人事辞令、給与明細で在籍期間・主任就任時期を確定する
① 前職の別法人の園に「2年」在籍:雇用契約書、退職証明書、雇用保険被保険者記録で在籍期間を確定する
③ 0歳児から5歳児までの担任経験、現在は3歳児クラス:担当した年齢層の広さと現在の担当範囲を書く
② 現在のクラスは「20人ちょっと」、担任は「自分を入れて2人」:確かめられない場合は「3歳児クラスを複数担任制で担当」と書く
③ 主任としてシフト作成、新人指導、行事進行、保護者対応の相談役を担当:担当業務、主任としての立場、職員への支援範囲を書く
③ 行事は「年に何回か」、夏祭り・運動会・発表会の進行を担当:担当した行事の種類、進行役としての役割、準備・当日運営の範囲を書く
① 年収は「額面は330万くらいだと思う」:源泉徴収票、給与明細、課税証明書で額面年収を確定する
仕分けが返ってきたら、先に 2 つ確かめてください。
走り書きの行が落ちていないか。 走り書きと出力を並べて、抜けている項目があれば、その行だけをもう一度貼って仕分け直します。この例では、走り書き 12 行のうち希望と感想の 2 行が実績の項目ではないので出てこず、資格の行が「保育士資格」と「研修」の 2 行に分かれて、11 行になりました。逆に、書いたつもりの項目が理由なく消えることもあります。
②に入った項目はどれか。 ①は探す書類が決まっていて、③はそのまま書けます。書き方を決める判断が要るのは②だけです。
②と③のどちらに入るかは、回によって動きます。同じ走り書きで 3 回試したところ、3 回とも①②③と確認先・代わりに書く要素の形で返りました。ただし行事の項目は、1 回目は 1 行で③、3 回目は 2 行に分かれて「年に何回か」の部分が②、進行の担当が③でした。行数と長さも回ごとに動きます(11〜16 行、600〜800 字ほど)。境目の項目は、次の節からの扱いを読んで決めてください。(使ったのは gpt-5.6-sol というモデルで、OpenAI の開発者向け CLI「Codex」から呼び、2026 年 9 月 20 日に実行しています。)
① 書類で確かめられるもの
在籍期間、資格、年収、役職。このあたりは記憶に頼らなくても確かめられます。
在籍期間は、まず手元の「雇用保険被保険者証」か「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」を見ます。原則としてハローワークから事業主を通じて交付されるもので、加入の手続がされているかはこれで分かります。どちらも資格を取得したときの書類なので、離職した日は載りません。手元に無ければ、マイナンバーカードがあればマイナポータルで加入記録などを確認できます(あらかじめマイナンバーがハローワークに届け出られている必要があります)。それも難しい場合は、ハローワークに照会する手続があります(厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」、2026 年 9 月 20 日確認)。
照会で返ってくる「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書」には、被保険者番号、氏名、被保険者区分、生年月日、照会処理年月日、事業所番号、資格取得年月日、離職年月日(加入中の場合は空白)、事業所の名称が記載されます(ハローワーク阿倍野の案内、同日確認)。照会票には事業所の名称を書くので、勤務先ごとの照会になります。勤務先の名前が思い出せない場合は、マイナポータル側で見ることになります。
なお、ここで分かるのは資格を取得した日と離職した日で、入社日・退職日と厳密に一致しない場合があります。退職証明書や雇用契約書が手元にあれば、突き合わせてください。
年収は、源泉徴収票が手元にあればそれが早く、無ければ市区町村の窓口で課税証明書を取る方法があります。発行できるのは直近の数年度分で、たとえば船橋市は「証明書は現年度分を含め5年度分発行することができます。」としています(船橋市のよくある質問、2026 年 9 月 20 日確認)。年度数は自治体によって違うので、何年も前のものは窓口で確認してください。
資格の名称と取得年月は、合格証・認定証・登録証で確定します。正式名称は、資格を出している団体のサイトで確認してください。
役職が変わった時期は、辞令や社内の通知が残っていれば確定します。上に挙げた回答書の記載事項に役職は入っていないので、そちらでは分かりません。手元に何も無い場合は、年で書く(「入社 3 年目から主任」)か、時期の記載を落とします。
② 自分の手元でしか確かめられないもの
担当件数、売上、担当した人数。雇用保険の記録にも課税の記録にも、こうした数字は入っていません。
在職中なら、職場の記録で確認できるものがあります(社内システムの担当一覧、直近の予算表、組織図)。退職後なら、自分の手元に残っているものを探します。給与明細に載るインセンティブの額、評価の通知、表彰状、当時の手帳や予定表。ここで確認できたなら、①と同じように確定した数字として書けます。
顧客や取引先の情報が入った資料は、持ち出していること自体が問題になり得ます。確認に使うかどうか、書いてよいかどうかは、勤務先との取り決めを先に見てください。会社が公表していない売上や、取引先の名前が特定できる書き方は避けます。自分が担当していた社数や件数のように、相手が特定されない規模の数字は、この制限とは別の話です。
確認できなかったときは、次のどちらかです。
幅で書く。 「60〜70社」のように幅で残っているなら、幅のまま書きます。1 つの数字に丸める必要はありません。
数字を落として、担当範囲で書く。 例の仕分けが②に付けた代わりの書き方は、この形でした。「20人ちょっと」のクラスは「3歳児クラスを複数担任制で担当」、園全体の規模は「認可保育園にて園全体の運営を支える主任業務を担当」。数字は消えますが、何を担当していたかは残ります。
どちらを選ぶかの基準は 1 つです。面接で「その数字はどう出したものですか」と聞かれたときに、根拠を言えるか。給与明細を見て出した、当時の手帳を数えた、と言えるなら幅で書けます。根拠を思い出せない数字は、書かずに担当範囲で書くほうが、面接で困りません。
売上目標を持たない仕事でも、数字になる項目はあります。例の保育士でも、クラスの人数、園全体の規模、新人を受け入れた人数が②に入りました。担当した人数・件数・頻度は、思い出せれば数字になります。
③ 数字にしなくてよいもの
数字が出てこない項目は、そのまま書けます。公的な案内もその前提です。ハローワークが出している職務経歴書のワークブックには、職務の内容や実績を振り返るシートの欄外に「実績のうち、数値として具体的に挙げられるものがあれば記入しましょう。数値化が難しい場合は、創意・工夫・改善した点などを記入します。」と書かれています(「職務経歴書の作り方」別冊ワークブック PDF 7 ページ目・誌面 6 ページ、2026 年 9 月 20 日確認)。
1 回目の仕分けで③に付いた「数字の代わりに書く要素」は、3 つに分かれました。
- 担当範囲: どこからどこまでを任されていたか(出力では「担当した年齢層の広さと現在の担当範囲」)
- 立場: 担当者か、まとめ役か、相談される側か(同じく「主任としての立場、職員への支援範囲」)
- 役割: その仕事のどこを持っていたか(同じく「進行役としての役割、準備・当日運営の範囲」)
ここに、上のワークブックが挙げている創意・工夫・改善した点を足せます。やり方を変えた点や、続けるために整えた仕組みは、数字が無くても書ける材料です。
数字がほとんど無い経歴、数字が多い経歴
数字がほとんど出てこない経歴でも、同じプロンプトで仕分けられます。次の 5 行で 1 回試しました。
・自動車部品の工場で組立ライン。12年
・途中からライン長。人は10人くらい
・不良を減らす取り組みをやった。どれくらい減ったかは覚えていない
・5Sと安全パトロールの担当
・フォークリフトと玉掛けの資格
返ってきたのは、在籍期間と資格が①、ライン長としての役割・不良を減らす取り組み・5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)と安全パトロールが③という並びでした。「人は10人くらい」も③に入り、「メンバーへの指示・進捗管理」を書くよう返っています。「どれくらい減ったかは覚えていない」と書いた項目も③で、「取り組みの内容、自分の役割、改善した工程や仕組みを書く」でした。この回は、確かめようがない数字がそのまま③に落ちています。保育士の例では同じ性質の数字(クラスの人数)が②に付いたので、ここも回と経歴で動きます。
逆に、数字が多い経歴では②が増えます。住宅設備メーカーの代理店営業(担当 60〜70 社、年間予算 1 億 2000 万円くらい)の走り書きで 1 回試したところ、9 項目のうち 5 項目が②、3 項目が③、1 項目が①でした。②が多い人は、手元の資料を探す作業が先に来ます。
仕分けが終わったら、①の書類を集めるところから始めてください。判断が要るのは②ですが、②で幅を書くか担当範囲に替えるかは、在籍期間や役職の時期が決まってからのほうが決めやすくなります。下書きそのものを AI に作らせる手順はAIで職務経歴書を作る手順にあります。
測った範囲
- 例に使った経歴は架空のものです。実在の人のデータではありません
- 求人の集計の条件は「実績の数字は、応募要件でどれくらい求められているか」の節に書いたとおりです。語の部分一致なので、語が出てこない求人が数字を求めていないとは限りません
- 仕分けは gpt-5.6-sol 1 種類を、OpenAI の開発者向け CLI「Codex」から呼びました。毎回新しい会話として実行し、前の会話や手元のファイルは読ませていません。例に使った保育士の経歴で 3 回(記事を確かめるための再実行が別に 1 回)、ほかに 4 通の経歴で 1〜2 回ずつです。本文に出てくるのは、そのうち製造と営業の 2 通です
- 仕分けが正しいかどうかは判定していません。②と③の境目は回によって動きます
- この書き方で書類選考の通過率が上がるかどうかは、測っていません
よくある質問
職務経歴書に実績がなくてもいいですか
当サイトの掲載求人では、応募要件に「実績」の語が出てくるのは 5% ほどでした(数え方は上の節)。数字の実績が無いこと自体で応募できなくなるわけではありません。書く材料は、担当範囲・立場・役割のほうから探します。
職歴を詳しく覚えていないのですが、どうしたらよいですか
在籍していた期間は、手元の雇用保険被保険者証か、マイナポータルの加入記録が手がかりになります(①の節)。勤務先ごとの照会という手もありますが、こちらは事業所の名称を書く必要があります。担当業務や実績のほうは公的な記録に残らないので、手元の資料で確認できるものを確認し、残りは数字の扱いを変えます。
だいたいの数字でも実績として書いてよいですか
根拠を言える概算なら書けます。給与明細や手帳を見て出した数字、毎月見ていたので覚えている数字がこれに当たります。根拠を思い出せない数字は、面接で聞かれたときに答えられないので、担当範囲の書き方に替えるほうが安全です。
自己 PR の欄にも数字は要りますか
ハローワークのワークブックで数値化に触れているのは、職務経歴や経験を書き出すシートに付いた注記です。自己 PR を考えるシートのほうには、数値の指示はありません。この記事の仕分けも実績の欄が対象なので、自己 PR の書き方は別に考えてください。