AI と転職
ChatGPTに転職の自己PRを頼むと、職務経歴の要約が返ってくる 1つのエピソードに絞る手順
転職の自己PRをChatGPTに頼むと、職務経歴の箇条書きのほとんどに触れた文が返ってきます。架空の経歴2通に3回ずつ頼んで数えた結果と、下書きから1つのエピソードを選んで、経歴に書いていない中身を足すプロンプト全文を載せます。
公開 2026年9月19日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・架空の経歴に3回頼むと、職務経歴の箇条書き8行のうち同じ7行の内容が毎回入った
- ・自己PR欄に書くのは、経歴の中から特に強調したいこと。この記事では1つに絞る
- ・選んだ1つについて、経歴に書いていないことをAIに質問させて自分で答える
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職務経歴書はなんとか形になったのに、自己PR欄だけが埋まらない。職務経歴を ChatGPT のような AI に貼って「自己PRを400字で書いてください」と頼むと、整った文が返ってきます。読み返しても、悪いところが見つかりません。
ただ、この記事で試した範囲では、返ってくるのはほぼ職務経歴の要約でした。やることは、その下書きから1つのエピソードを選んで、職務経歴には書いていない中身を足すことです。この記事では、そのやり方をプロンプト2本で書きます(下書きを作る1本と合わせると、送るのは3本です)。
要約になっていることは、返ってきた文と職務経歴を並べると分かります。試した経歴では、箇条書きのほとんどの行の内容が入りました。コールセンターの経歴では8行のうち7行で、3回繰り返しても入る行は毎回同じです。例に使うのは、この記事のために作った架空の職務経歴です。通信サービスのコールセンターで、オペレーターからスーパーバイザーになった人。
「自己PRを400字で書いて」と頼むと何が返るか
まとめて測ったのは、ChatGPT のアプリではなく、OpenAI のモデルを開発者向けの入口から呼び出す形です(条件は「測った範囲」に書きました)。ChatGPT のウェブ版でも1回試したので、それはこの節の最後に書きます。まず、例に使う職務経歴の実務の部分です。2025年の秋に作った架空の経歴なので、年数はその時点の数え方です。自分の職務経歴書を貼るときは、氏名や連絡先を先に削ってください(何を削るかは最後の質問に書きました)。
株式会社アオイコミュニケーションズ(通信サービスのコールセンター運営受託、従業員 900 名) 2018 年 4 月〜現在(7 年 6 か月)
オペレーター 2018 年 4 月〜2021 年 3 月
・携帯電話の契約者向け窓口。料金プラン、支払い、故障受付の問い合わせ対応
・1 日あたりの受電は 40 件前後
・2020 年に新人研修のロールプレイ役を担当(研修期間は 2 週間、対象は 8 名)
スーパーバイザー 2021 年 4 月〜現在
・オペレーター 18〜22 名のチームを担当。勤怠、シフト、エスカレーション対応
・応対品質のモニタリング(1 人あたり月 3 件の通話を聴いて評価表を付ける)
・クレームの二次対応。月 15 件程度を引き継いで対応している
・2023 年に、よくある問い合わせ 60 件分の回答例をまとめた手順書を作り直した。作り直した後、新人が独り立ちするまでの期間が 3 か月から 2 か月に短くなった
・2024 年からチャット対応の立ち上げに関わり、チャット側の応対マニュアルの作成と、オペレーター 6 名の教育を担当
この下に、保有資格が2行(日商簿記3級、普通自動車第一種運転免許)と、希望が3行(事業会社のカスタマーサポートか社内の業務改善、年収、勤務地)あります。これを貼って、次のように頼みました。応募先の求人票は渡していません。求人票がまだ手元にない段階で、とりあえず自己PRの形にしておきたい、という打ち方です。
以下は私の職務経歴です。転職用の自己PRを400字で書いてください。
(ここに職務経歴書を貼る)
返ってきた文です。400字で頼みましたが、実際は357字でした。
私の強みは、顧客対応で培った課題把握力と、現場をより良くする改善力です。通信サービスのコールセンターで、オペレーターとして1日約40件の問い合わせに対応した後、現在はスーパーバイザーとして18~22名のチームを管理しています。勤怠・シフト管理、応対品質の評価、月約15件のクレーム二次対応を通じ、状況を冷静に整理し、相手に応じた解決策を提示する力を磨きました。また、よくある問い合わせ60件の回答例を含む手順書を再構築し、新人の独り立ちまでの期間を3か月から2か月へ短縮しました。チャット対応の立ち上げでは、マニュアル作成と6名の教育も担当しています。今後は、顧客の声と現場の課題を的確に捉え、業務の標準化や人材育成、サービス品質の向上を推進することで、カスタマーサポート部門や業務改善に貢献したいと考えています。
読むと、よく書けているように見えます。数字も間違っていません。ただ、実務の8行と見比べると、7行の内容がこの中に入っています。触れていないのは「2020年に新人研修のロールプレイ役を担当」の1行だけで、保有資格の2行にも触れていません。数え方は、経歴の行に書いた業務が出力のどこかで出てくるかを、1行ずつ突き合わせる形です。同じ頼み方を3回繰り返しても、触れた7行と触れていない1行は3回とも同じでした。
もう1通、食品の物流センターで現場リーダーをしている架空の経歴(実務は7行)でも試しました。こちらは3回とも7行すべてに触れています。行の中の細かい語は落ちていて、「積み付け」と年(2018年、2022年)は3回とも出てきません。2通とも、強みの宣言で始まり、経歴の行が順番に並び、貢献の約束で終わります。新しく足されたのは「課題把握力」「改善力」のような強みの言い換えと、今後の貢献の文で、職務経歴に無い具体的な事実は入っていません。
同じ職務経歴を ChatGPT のウェブ版にも1回貼ってみました。返ってきたのは367字で、実務の8行のうち6行に触れています(受電の件数と、新人研修のロールプレイ役が落ちました)。強みの宣言で始まり、経歴の行が並び、貢献の約束で終わる形は同じでした。
下書きが触れている経験の一覧を作るプロンプト
ここから手順です。自分の下書きが無ければ、上のプロンプトで作ります。要約になっていてかまいません。それがこの先の入力になります。
下書きと職務経歴を並べて、触れている経験を一覧にさせます。ここからは職務経歴の行数ではなく、下書きの側を分けた数を見ます。
私の職務経歴と、それをもとに AI が作った自己PRの下書きを貼ります。
下書きが触れている経験を、1 行 1 件で書き出してください。次の形にしてください。
経験(15 字以内)| その経験について下書きが書いている文(そのまま引用)| 根拠になる職務経歴の記述(そのまま引用。無ければ「なし」)
- 下書きの文を上から順に見て、どの経験の話かで分けてください。1 つの文が 2 つの経験にまたがるときは、両方の行に同じ文を書いてください
- 強みや心がけだけを述べていて、どの経験の話か分からない文は、経験の欄を「経験の記述なし」にしてください
- 「根拠になる職務経歴の記述」には、職務経歴に実際に書いてある文をそのまま引用してください。言い換えたり、書いていないことを補ったりしないでください
- 良し悪しの評価や、どう直すべきかは書かないでください
- 書き直した文は出さないでください
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【職務経歴】
(ここに職務経歴書を貼る)
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【自己PRの下書き】
(ここに自己PRの下書きを貼る)
上の下書きに対して返ってきた一覧です。1行1件で、下書きの文と職務経歴の記述が引用つきで並んでいれば、この先に進めます。1行1件になっていなかったり、良し悪しの評価が付いて返ってきたときは、「表にせず、1行1件で、評価は書かずに出してください」と足して送り直します。
顧客対応|「私の強みは、顧客対応で培った課題把握力と、現場をより良くする改善力です。」|「・携帯電話の契約者向け窓口。料金プラン、支払い、故障受付の問い合わせ対応」
現場改善|「私の強みは、顧客対応で培った課題把握力と、現場をより良くする改善力です。」|「・2023 年に、よくある問い合わせ 60 件分の回答例をまとめた手順書を作り直した。作り直した後、新人が独り立ちするまでの期間が 3 か月から 2 か月に短くなった」
オペレーター業務|「通信サービスのコールセンターで、オペレーターとして1日約40件の問い合わせに対応した後、現在はスーパーバイザーとして18~22名のチームを管理しています。」|「・携帯電話の契約者向け窓口。料金プラン、支払い、故障受付の問い合わせ対応」「・1 日あたりの受電は 40 件前後」
チーム管理|「通信サービスのコールセンターで、オペレーターとして1日約40件の問い合わせに対応した後、現在はスーパーバイザーとして18~22名のチームを管理しています。」|「・オペレーター 18〜22 名のチームを担当。勤怠、シフト、エスカレーション対応」
勤怠・シフト管理|「勤怠・シフト管理、応対品質の評価、月約15件のクレーム二次対応を通じ、状況を冷静に整理し、相手に応じた解決策を提示する力を磨きました。」|「・オペレーター 18〜22 名のチームを担当。勤怠、シフト、エスカレーション対応」
応対品質評価|「勤怠・シフト管理、応対品質の評価、月約15件のクレーム二次対応を通じ、状況を冷静に整理し、相手に応じた解決策を提示する力を磨きました。」|「・応対品質のモニタリング(1 人あたり月 3 件の通話を聴いて評価表を付ける)」
クレーム二次対応|「勤怠・シフト管理、応対品質の評価、月約15件のクレーム二次対応を通じ、状況を冷静に整理し、相手に応じた解決策を提示する力を磨きました。」|「・クレームの二次対応。月 15 件程度を引き継いで対応している」
手順書再構築|「また、よくある問い合わせ60件の回答例を含む手順書を再構築し、新人の独り立ちまでの期間を3か月から2か月へ短縮しました。」|「・2023 年に、よくある問い合わせ 60 件分の回答例をまとめた手順書を作り直した。作り直した後、新人が独り立ちするまでの期間が 3 か月から 2 か月に短くなった」
マニュアル作成|「チャット対応の立ち上げでは、マニュアル作成と6名の教育も担当しています。」|「・2024 年からチャット対応の立ち上げに関わり、チャット側の応対マニュアルの作成と、オペレーター 6 名の教育を担当」
オペレーター教育|「チャット対応の立ち上げでは、マニュアル作成と6名の教育も担当しています。」|「・2024 年からチャット対応の立ち上げに関わり、チャット側の応対マニュアルの作成と、オペレーター 6 名の教育を担当」
経験の記述なし|「今後は、顧客の声と現場の課題を的確に捉え、業務の標準化や人材育成、サービス品質の向上を推進することで、カスタマーサポート部門や業務改善に貢献したいと考えています。」|なし
11行に分かれ、そのうち1行は「経験の記述なし」(どの経験の話か分からない文)でした。この下書きは6つの文でできているので、1つの文が2行にも3行にも分かれたことになります。たとえば「勤怠・シフト管理、応対品質の評価、月約15件のクレーム二次対応を通じ、〜」の1文は、3行に分かれました。
この切り分けは AI にやらせているので、件数は実行するたびに変わります。同じ下書きをもう一度分けさせたときは、全体が11行から9行になりました。減ったのは、強みを宣言している冒頭の文から「顧客対応」と「現場改善」を切り出さなくなった分と、チャット対応の立ち上げを「マニュアル作成」「オペレーター教育」に分けずに1件にした分です。どの文が「経験の記述なし」になるかも回ごとに違います。件数そのものより、自分の400字がいくつの話に散っているかを目で見るための一覧です。参考までに、架空の経歴2通の下書き6通(各1回)では、「経験の記述なし」を除いて7件から10件の間に並びました。
もう1つ、根拠の列に引用が付いていても、その文が引用を超えていることがあります。上の一覧では「状況を冷静に整理し、相手に応じた解決策を提示する力を磨きました」にクレーム二次対応の行が引かれていますが、経歴に書いてあるのは引き継いだ件数だけで、冷静に整理したとは書いていません。引用が付いているかどうかではなく、引用と文が同じことを言っているかを見てください。
公的な案内が自己PR欄について言っていること
厚生労働省のマイジョブ・カードは、職務経歴書の自己PR欄を「応募者のキャリアやスキルのうち、特に強調したいことを端的に伝えられる項目」と説明しています。何を書くかについては「職務経歴の中からアピールしたいもの、転職先で活かせると判断したものをピックアップして記述します。職務経歴そのものは別欄に書くので、ここでは少し違う情報を加えるのも良いでしょう」とあり、注意点として「一文にいろいろな要素を詰め込みすぎると、理解しづらい文章になります」も挙げられています(職務経歴書における自己PR欄の必要性と書き方について、2018年4月作成・2022年10月投稿、2026年9月19日確認)。
丸投げで返ってきた400字弱は、職務経歴に書いた行をもう一度並べたもので、少し違う情報は入っていません。渡したのは職務経歴と希望の3行だけなので、AI には、応募先がどこを見るかに合わせて強調を変える材料がありません。実際、出力の締めは希望の3行をなぞった文になっています。
同じ案内は「アピールポイントが複数あるなら、見出しを立てて分けて書くのも良い方法です」とも書いていて、1つに絞れとは言っていません。1つに絞るのはこの記事のやり方です。複数を見出しで分けて書く場合も、1つずつについてやることは下の手順と同じになります。
面接では、提出した職務経歴書の記載内容に基づいて質問されることが多い、という案内もあります(職務経歴書の作り方、ハローワーク、2026年9月19日確認)。自己PRを1つに絞れば、深掘りしてほしい話題を自分で前に出せます。
どれを選ぶか
応募先が決まっているなら、基準は求人票です。仕事内容の欄と必須要件の欄を読んで、そこに近いものを一覧から1つ選びます。この手順では求人票を AI に渡していないので、読んで選ぶのは自分です。上の例は求人票がまだ無い段階なので、この人の希望(社内の業務改善に関わる仕事)に近い「手順書再構築」を選びました。同じ経歴でも、応募先がカスタマーサポートの管理職なら「チーム管理」や「応対品質評価」を選ぶことになります。
応募先ごとに変えるのは、まず選ぶエピソードです。一覧を1回作っておけば、2社目からは選び直して、次の節の質問に答えるところだけをやり直せます。ハローワークの同じパンフレット(職務経歴書の作り方)にも、職務経歴書の内容は応募先企業の知りたいことや求めていることに応じて記載することが必要だと書かれています。
一覧を見て、選べる候補が無いこともあります。「経験の記述なし」の行が多く、残りも1行で言い切れる作業ばかり、という状態です。そのときは下書きを作り直すより、職務経歴書の側から事実を洗い出すところに戻ります(自己分析をAIでやる手順とプロンプト全文)。
選んだ1つについて質問させるプロンプト
同じ会話の続きで、次のように送ります。
この中から「(ここに選んだ経験を書く)」の 1 つに絞ります。
まず、この経験について、職務経歴書に書いていないことを 5 つ質問してください。いつ・どこで・誰と・何を見て・どう判断したかを聞く質問にしてください。この時点では自己PRを書かないでください。
私が 5 つに答えたら、答えた内容とこの経験だけを使って、自己PRを 400 字で書いてください。答えていないことと、他の経験は入れないでください。
かぎかっこの中には、一覧に出てきた名前をそのまま入れます。同じ名前が2行あるときは、その行の引用文も一緒に貼ります。返ってきたのは、自己PRではなく質問5つでした。ここで質問を飛ばして自己PRが返ってきたら、「まだ自己PRは書かないでください。質問を5つだけ返してください」と送り直します。
2023年のいつ頃、どのようなきっかけで手順書の再構築に着手しましたか?
どの部署・チームや業務現場で、手順書の再構築を進めましたか?
誰と関わり、それぞれどのような役割分担で進めましたか?
どのような記録、数値、問い合わせ内容、現場の声などを見て、従来の手順書に課題があると気づきましたか?
60件の回答例について、何を掲載・修正し、どのような形にするかを、どんな基準や考え方で判断しましたか?
職務経歴書に書いていないことなので、AI はこの答えを知りません。知らないまま書かせると推測で埋まります。当時の資料を見ながら、自分で答えます。この例では、次のように答えました。
1. 2023 年の 6 月です。新人が 4 人入った月に、同じ質問が何度も私に回ってきて、手順書を見ても答えが載っていないことに気づきました。
2. 携帯電話の契約者向けの窓口チームです。手順書は共有フォルダの Excel で、目次が無く、新人はほとんど開いていませんでした。
3. 先輩のスーパーバイザー 1 人と、ベテランのオペレーター 2 人です。私が質問の集計と全体の構成を担当し、回答文はオペレーター 2 人に読んでもらって直しました。
4. エスカレーションの記録を 3 か月分見返しました。同じ内容の質問が多い順に並べると、上のほうの 60 件で大半を占めていました。
5. 「新人が自分で判断できるか」を基準にしました。言い方の例を並べるのではなく、画面のどこを見て、どの条件ならどう答えるかまで書く形にしました。載せるのは、1 か月に 3 件以上来た質問だけに絞りました。
この5つを送ると、返ってきた自己PRです。
2023年6月、携帯電話の契約者向け窓口に新人4人が入り、同じ質問が何度も私に回ってきました。共有フォルダのExcel手順書を確認すると、目次がなく、必要な回答も載っていないため、新人はほとんど開いていませんでした。そこで、エスカレーション記録を3か月分見返し、同じ内容の質問を多い順に整理しました。その結果、上位60件が大半を占めていたため、月3件以上寄せられた質問に絞って回答例をまとめました。先輩のスーパーバイザー1人、ベテランオペレーター2人と進め、私は質問の集計と全体構成を担当しました。回答文はオペレーター2人に読んでもらい、修正しました。作成時は「新人が自分で判断できるか」を基準に、言い方の例を並べるのではなく、画面のどこを確認し、どの条件ならどう答えるかまで記載しました。この再構築により、新人が独り立ちするまでの期間は3か月から2か月に短縮しました。課題を見極めて形にできました。
触れている業務は1つになり、代わりに、手順書に目次が無かったこと、月3件以上の質問に絞ったこと、画面のどこを見るかまで書いたことが入りました。どれも職務経歴書には書いていない、答えて初めて出てきた中身です。面接で手順書のことを聞かれたときに話す材料と、同じものになります。
ただし、この出力もそのままは使えません。出す前に、次の3つで見ます。5つの答えにも、選んだ経験についての職務経歴の記述にも無いことが混ざっていないか。答えていない因果を言い切っていないか。最後の1文が応募先につながっているか。
この例では、答えていない因果が2か所ありました。1つは「共有フォルダのExcel手順書を確認すると、目次がなく、必要な回答も載っていないため、新人はほとんど開いていませんでした」。答えたのは「目次が無く、新人はほとんど開いていませんでした」までで、目次が無いから開かなかったとは答えていません。もう1つは「この再構築により、新人が独り立ちするまでの期間は3か月から2か月に短縮しました」。職務経歴に書いてあるのは「作り直した後、〜短くなった」で、それが原因だとまでは書いていません。他に理由が無かったと言い切れないなら、「再構築後、独り立ちまでの期間は3か月から2か月になりました」に戻します。
同じ種類のつなぎが、もう1か所あります。「上位60件が大半を占めていたため、月3件以上寄せられた質問に絞って」。答えたのは、多い順に並べると上のほうの60件で大半を占めていたことと、載せるのは月3件以上来た質問に絞ったことの2つで、前者だから後者にしたとは答えていません。
最後の「課題を見極めて形にできました。」は、3つ目に当たります。字数合わせのように浮いていて、応募先につながっていません。ここは、この経験で分かったことを応募先でどう使うかに書き換える場所です。冒頭に「私の強みは〜です」のような宣言が付いて返ることもあります。強みを言うこと自体が悪いのではなく、後ろの事実で裏づけられていないものを外します。「月3件以上」のような数量の条件は、自分の記録で確かめてから出します。
直すと、たとえばこうなります。これは AI の出力ではなく、上の400字を手で直したものです。
2023年6月、携帯電話の契約者向け窓口に新人4人が入り、同じ質問が何度も私に回ってきました。共有フォルダのExcel手順書には目次がなく、新人はほとんど開いていませんでした。エスカレーション記録を3か月分見返し、同じ内容の質問を多い順に整理したところ、上のほうの60件で大半を占めていました。載せるのは月3件以上来た質問に絞り、「新人が自分で判断できるか」を基準に、言い方の例を並べるのではなく、画面のどこを確認し、どの条件ならどう答えるかまで書きました。質問の集計と全体構成は私が担当し、回答文はベテランのオペレーター2人に読んでもらって直しました。再構築後、新人が独り立ちするまでの期間は3か月から2か月になりました。手順や判断の基準が人によって違う仕事を、使われる形に直していくことが、私のできることです。
答えた中身が入っていて、他の経験が混ざっていなければ、これが出す自己PRです。応募先が変わったら、一覧に戻って選び直します。
AIが出した自己PRを履歴書の欄に入れるとき
職務経歴書用に作った400字を、履歴書にそのまま使うのは勧めません。厚生労働省の履歴書様式例には「自己PR」という欄が無く、「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」が1つの欄になっています(履歴書様式例、2026年9月19日確認)。ハローワークは、この欄に ①応募先企業を選択した理由 ②自分の経験・能力のアピール ③意欲 を盛り込むと案内しています(応募書類の作り方(履歴書)、2026年9月19日確認)。
3つを入れる欄なので、自己PRの分は短くなります。上の400字から残すのは、応募先の仕事内容の欄に書いてあることと重なる部分です。例で言えば、手順書を作り直したこと自体より、どういう基準で作り直したか(新人が自分で判断できるか)のほうが、応募先の仕事と重なります。
測った範囲
この記事に載せた出力は、2026年9月に OpenAI のモデル(gpt-5.6-sol)を開発者向けのコマンドライン経由で呼び出して得たものです。例外は2つで、第1節の最後に書いた1回は ChatGPT のウェブ版(有料プランにログインした状態、モデルは既定のまま、思考の深さの設定は「中程度」)、いちばん最後に載せた400字は AI の出力ではなく、こちらで手で直したものです。回答にかける手間の設定(reasoning effort)は medium を指定し、毎回、履歴を持たない新しい会話で実行しました(一覧から最後の400字までは、1つの会話の続きです)。この入口はコマンドを実行できる環境なので、モデルを直接呼び出すだけの条件とは違います。丸投げの6回のうち3回は、モデルが自分の出力の字数を数えるためにコマンドを使っていました。文字数は空白と改行を除いて数えています(丸投げの出力は、コールセンターの経歴で357字・401字・400字、物流センターの経歴で399字・373字・400字)。渡した職務経歴は、この記事のために作った架空のもので、実在の人のものではありません。
比較に使ったのは、上の2通の経歴に丸投げを3回ずつ実行した6回と、その6通の下書きを一覧にした6回(うち1通はもう一度)、絞ってから書かせた2回です。このほかに、数字がほとんど無い短い経歴(学校事務)、資格職の経歴(歯科衛生士)、ホテルのフロントの経歴の3通でも、丸投げから最後の400字まで1回ずつ通しました。合わせて架空の経歴は5通です。あとの3通でも、一覧が返り、質問が5つ返り、選んだ1つだけに触れた400字前後が返りました。
主な結果は架空の経歴2通・1つのモデル・1つの設定で出したものなので、AI 全般の傾向とは言えません。触れている行の判定は、経歴の行に書いた業務が出力に出てくるかを1行ずつ突き合わせました。読者が使う ChatGPT や Claude のアプリでどうなるかは測っていません。手元で確かめる場合は、上の2本のプロンプトを自分の書類で実行して、下書きが職務経歴の何行に触れているかと、1つに絞ると何が足りないかを見てください。
よくある質問
自己PRで ChatGPT を使うとバレますか
検出ツールで機械的に判定されるかどうかは、応募先が何を使っているか分からないので確かめようがありません。採用・人事担当者503名への調査(株式会社SHIFT AI のリリース、同社が実施した自社のインターネット調査、2026年5月実施、2026年9月19日確認)では、応募書類が AI 生成だと感じる理由として、具体的なエピソードや数字が伴っていないことと、整いすぎて差がつかないことが挙がっています。担当者がそう感じた理由を聞いた調査で、実際に AI が使われたかを確かめたものではありません。数字と、出す前に自分で直せることは、別の記事に書きました(AIで書いた職務経歴書はバレるか)。
ChatGPT で自己PRは作れますか
下書きは作れます。ただし、職務経歴書に書いていないこと(いつ・何を見て・どう判断したか)は AI が知らないので、そこは自分で足すことになります。この記事の手順は、足す場所を質問の形で出させるものです。
ChatGPT に整えてもらった文と、自分で書いた文はどちらがいいですか
判断の基準は文体ではなく、書いた内容が自分の経歴に戻れるかどうかです。整った文でも、職務経歴に書いていない中身が入っていれば、面接で話す材料と同じものになります。自分で書いた文でも、「コミュニケーション能力があります」で止まっていれば、面接ではその具体例を聞かれることになります。
職務経歴書をそのまま貼っていいですか
氏名、住所、電話番号、メールアドレス、顧客企業の担当者名は削ってから貼ってください。個人情報保護委員会は、一般の利用者における留意点として、生成 AI サービスに入力した個人情報が機械学習に利用され、正確または不正確な内容で出力される可能性があること、および事業者の利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認し、入力する情報の内容等を踏まえてサービスの利用について適切に判断することを挙げています(生成 AI サービスの利用に関する注意喚起等、令和5年6月2日、2026年9月19日確認)。勤務先の名前、正確な在籍期間、珍しい役職や実績は、組み合わせると本人や会社が分かることがあるので、ぼかすか外します。在籍企業の未公開の数値や案件の固有名詞は、勤務先の就業規則や秘密保持の取り決めで扱いが決まっていることがあります。入力したデータが学習に使われるかどうかと保存期間も、サービスと契約と設定で違います。使っているサービスと勤務先の定めを確認してください。