AI と転職
ChatGPTで書いた志望動機からAI利用がバレるかは断定できない 自分の経験ではない文を提出前に探す
ChatGPTで書いた志望動機がAI利用だと見抜かれるかは断定できません。ただし、自分の経験ではない文は提出前に探せます。確認用プロンプトで求人票にも職務経歴書にもない部分を抜き出し、志望動機の全ての文を求人票・職務経歴書・自分の体験と照らす方法を紹介します。
公開 2026年9月26日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・志望動機からAI利用を見抜けるかは断定できないが、自分の経験ではない文は提出前に探せる
- ・AIによる判定では、架空の経歴で丸投げした6通の求人票にも職務経歴書にもない部分は約束・考え・評価に偏り、自分の出来事はほぼなかった
- ・志望動機の全ての文を読み、会社や仕事の説明、自分の過去と評価、これからしたいことの3つに分けて確かめる
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ChatGPTに求人票と職務経歴書を渡して作った志望動機。このまま出すと、AIを使ったことが応募先にバレるのでしょうか。確認した調査の範囲では、文章からAI利用を見抜ける割合は分からず、バレるともバレないとも断定できません。ただし、自分の経験ではない文は提出前に探せます。確認用プロンプトで求人票にも職務経歴書にもない部分を出し、一覧に出なかった文も含めて「会社や仕事の説明」「自分の過去と評価」「これからしたいこと」に分けます。
まだ志望動機を作っていない場合は、ChatGPTで志望動機を作る手順から始められます。
志望動機からAI利用がバレるかは断定できない
採用担当者が文章を読んで「AIを使ったのでは」と感じることはあります。ただし、それが実際のAI利用を正しく見抜いた結果かどうかは別です。
生成AIの学習コミュニティや企業向けAI活用支援を行う株式会社SHIFT AIが、採用・人事担当者503名へ行った調査では、中途採用担当者の66.9%が、候補者の応募書類にAI利用を「感じる」と答えています。理由の上位は、具体的なエピソードや数字が伴っていないことと、文章が整いすぎて候補者ごとの差が見えないことでした(「【採用担当者503名に調査】新卒採用担当の64.0%が"AI書類"で選考落とし経験あり」、2026年9月26日確認)。リンク先の題名は新卒採用の選考結果ですが、ここで使った66.9%は同じ調査に載っている中途採用担当者の別の回答です。SHIFT AIが応募書類全体について担当者の感覚を尋ねた調査で、実際にAIで書かれたかとは照合していません。志望動機が見抜かれる割合や、選考への影響を示す数字でもありません。
中途採用担当者では、具体性のなさと、整いすぎた文章はほぼ同じ割合で理由に挙がっています。この記事では前者に対応し、志望動機の各文に自分の経験があるかを確認します。言葉づかいの見直しはAIっぽい文章を直す手順で扱っています。
丸投げした6通は、約束・考え・評価に偏った
「丸投げ」は、求人票と職務経歴書を貼り、「志望動機を400字で書いてください」と頼むだけです。例に使ったのは、転職支援を4年、事業会社で採用を約6年半経験した架空の人事担当者です。この経歴を、架空求人2件へ3回ずつ渡しました。
求人票の一節と、返ってきた志望動機の冒頭を並べます。
| 求人 | 求人票の一節 | 志望動機の冒頭 |
|---|---|---|
| A社 | 飲食店・小売店向けのシフト管理と勤怠のクラウドサービスを開発・提供 | 貴社を志望する理由は、店舗で働く方々を支えるSaaSの成長を、人材・組織づくりの面から加速させたいからです。 |
| B社 | 昨年から基幹システムの刷新と工場の自動化を進めており、社内でITの人材を育てる方針に切り替えました | 貴社が基幹システムの刷新と工場の自動化を進め、社内でIT人材を育成する方針へ転換されている点に、大きな魅力を感じ志望いたしました。 |
冒頭は求人票の会社概要や課題に沿い、中ほどには経歴、末尾には求人票の仕事内容に寄せた抱負が入りました。
作成と判定には、ChatGPTの画面ではなくOpenAIの開発者向けの入口から、別のモデル(gpt-5.6-sol)を使いました。ブラウザやアプリのChatGPTで同じ結果になるかは試していません。6通を次の確認プロンプトで延べ7回判定すると、求人票にも職務経歴書にもない部分は約束・考え・評価に偏り、自分の出来事はほぼありませんでした。丸投げでは、本人が応募先を選んだきっかけが入りにくい結果です。
判定結果の一部を抜き取り、求人票と職務経歴書へ手作業で照らすと、「年間80名の採用計画を着実に推進する」のような求人票の言い換えまで「両方にない」と出たため、件数ではなく読み直す文の候補として使います。
求人票と職務経歴書にない部分を分けるプロンプト
手元に、志望動機の下書き、応募先の求人票、職務経歴書の3つを用意します。氏名、住所、電話番号、メールアドレス、取引先の担当者名など、確認に要らない個人情報は外してください。
次のプロンプトを送り、3か所の括弧を自分の文章に置き換えます。
志望動機の下書きと、応募先の求人票と、私の職務経歴書を貼ります。
志望動機の中に、求人票にも職務経歴書にも書いていないことがどれだけあるかを調べてください。
Web 検索や外部の資料、ツールは使わず、貼った文章だけを見て答えてください。
志望動機を 1 文ずつ上から順に見て、次の形で 1 行 1 文を書き出してください。
志望動機の文(そのまま引用)| 求人票にも職務経歴書にも無い部分 | 種類
- 「求人票にも職務経歴書にも無い部分」には、その文のうち、求人票にも職務経歴書にも書いていない部分をそのまま引用してください。言葉づかいが違うだけで同じ内容が書いてあるものは含めません。無ければ「無し」と書きます
- 無い部分が 1 文に 2 つ以上あるときは、「/」で区切って全部書いてください
- 「種類」には、無い部分それぞれについて、次のどちらかを書きます(2 つ以上あるときは同じ順に「/」で区切る)
- 出来事:いつ・どこで・誰が・何をしたか、何を見たかが書いてある
- 出来事以外:これからの約束、考え、評価、一般的な説明
- 良し悪しの評価や、どう直すべきかは書かないでください
- 書き直した文は出さないでください
---
【志望動機の下書き】
(ここに志望動機を貼る)
---
【求人票】
(ここに求人票を貼る)
---
【職務経歴書】
(ここに職務経歴書を貼る)
返ってくるのは、志望動機の文、両方にない部分、種類を縦線で分けた一覧です。ただし、求人票にある言葉を自分の経験として書いた文などは抜けるため、一覧に出なかった文も後で一文ずつ読みます。
B社向けの出力には、次の行がありました。左端が志望動機の文、中央が抜き出された部分、右端が種類です。
これらの経験を生かし、生産技術・品質保証職への理解も現場との対話を通じて深めながら、工場見学を含む選考体験と中途採用向けの発信を整備します。|これらの経験を生かし/生産技術・品質保証職への理解も現場との対話を通じて深めながら|出来事以外/出来事以外
一覧は、削る文をAIに決めてもらうものではありません。左端の文と求人票、職務経歴書を自分で読み比べるために使います。
「出来事」と出た部分も、職務経歴書の事実に戻す
延べ7回の判定で「出来事」と出た部分は2件ありました。どちらも、職務経歴書にある項目を、そこには書いていない言い方へ広げた部分で、本人が志望先を選んだ体験ではありません。
1つは、職務経歴書の「カジュアル面談から選考・オファー面談までのフロー設計とKPI管理」が、志望動機では「事業計画を採用KPIに落とし込み」に変わった部分です。もう1つは、「採用管理システムの導入」が「拡大期に必要な採用基盤を整えてきました」に広がった部分でした。
反対に、「出来事以外」と出たから削るとも限りません。先ほどの出力でも、中央には「これらの経験を生かし」という断片だけが出ています。断片ではなく、左端の文を一文まるごと読みます。
職務経歴書の該当箇所と比べ、仕事、相手、範囲、成果が広がっていれば、実際にした範囲へ直します。職務経歴書になくても覚えがあるなら、当時の記録や記憶で説明できるかを確かめます。
体験を入れて書いた作例では、その体験が「出来事」と出た
求人票にも職務経歴書にもない部分が、すべて誤りとは限りません。志望動機には、職務経歴書に書き切れなかった体験が入ることもあるからです。
同じ架空の人事担当者について、体験を先に入れて作例を1通書きました。人材紹介会社にいたころ、メーカーの社内SE求人を紹介したエンジニアが、最終面接の前に辞退したという設定です。作例は次の文から始まります。
人材紹介会社にいたころ、メーカーの社内SEの求人を紹介したエンジニアの方が、最終面接の前に辞退したことがあります。
理由を聞くと、工場のどこでシステムが使われているのか想像できず、入社後の仕事が思い浮かばなかったとのことでした。
同じプロンプトで3回判定すると、引用した出来事と理由は毎回「出来事」に入りました。この作例から分かるのは、体験を入れた文が「出来事」と判定されたことまでです。
AIはその出来事が本当にあったかを知りません。本人が記録や記憶と照らして、真偽と範囲を決めます。
確認プロンプトは求人票にある業務を拾えない。全ての文を3つに分ける
プロンプトの出力だけでは、確認は終わりません。抜き出されたかどうかにかかわらず、志望動機を上から一文ずつ読み、誰について何を述べた文かを次の3つに分けます。
| 3つの分類 | 照らし合わせるもの | 見直す目印 |
|---|---|---|
| 応募先の会社や募集する仕事 | 求人票 | 書かれていない事業、課題、仕事内容を足している |
| 自分の過去と、自分についての評価 | 職務経歴書、当時の記録・記憶。「強み」「培った理解」は、それを示す仕事や結果 | 担当していない業務、広がった範囲、根拠のない評価がある |
| 応募先でこれからしたいこと | そう考えたきっかけとなる自分の体験と、求人票の仕事内容 | なぜしたいのか、応募先でできるのかを説明できない |
この分け方でプロンプトの見落としを拾えた実例があります。別の架空の事務職の経歴と総務・労務求人で、丸投げした志望動機1通を1回判定しました。職務経歴書と志望動機の該当箇所は次のとおりです。
| 書類 | 原文 |
|---|---|
| 職務経歴書・職務要約 | 機械部品メーカーで総務・人事・経理のバックオフィス全般を12年担当した後、ベンチャー企業のコーポレート部で総務アシスタントとして勤務しています。給与計算・社会保険手続きなどの人事労務と、Excel・Google Workspace を使った事務作業の効率化が得意です。 |
| 職務経歴書・職務経歴 | ・総務・人事(主任)2015年4月〜2021年3月:全従業員120名分の給与計算(奉行クラウド)、社会保険手続き、入退社手続き、年末調整、健康診断の手配、社内規程整備の補佐。パート・アルバイトの採用実務。後輩2名のOJT指導 |
| 志望動機 | 機械部品メーカーで12年間、総務・人事・経理に携わり、うち6年間は主任として120名分の給与計算、社会保険・雇用保険、入退社、年末調整などを担当してきました。 |
12年、主任6年、120名分とほかの業務は職務経歴書で確認できますが、「雇用保険」は求人票にしかありません。そのためプロンプトは、この文を「無し」と判定しました。自分の経験を述べた文なので、雇用保険を担当した記録や記憶がなければ見直します。
最後に、見直すと決めた文をそのまま残さず、次のいずれかで処理します。
- 経験はあるが範囲が広がっているなら、実際に担当した範囲へ戻す
- 職務経歴書にない実体験なら、いつ、どこで、誰に、何をしたかを自分の事実で書き直す
- 裏付けられる経験や理由がないなら、その文を消す
全ての文を照らし合わせ、見直す文をこの3通りで処理できたら完了です。各文を自分の資料や体験で説明できれば、面接で理由や経験を深掘りされても、その事実から答えられます。
この確認では分からないこと
志望動機の作成で確認したのは、架空の人事担当者と求人2件から作った6通、別の架空の事務職と求人から作った1通です。丸投げの依頼には、測定条件をそろえるため、Web検索や外部の資料・ツールを使わない条件も加えました。判定では、この7通に加えて体験を入れた作例1通を使いました。確認プロンプトは、人事の6通に延べ7回、体験入り作例に3回、事務職の1通に1回使いました。試行日は2026年9月26日です。
「出来事」はプロンプト内の定義による分類で、実体験の証明ではありません。採用担当者の評価や、言い回しを直した場合は測っていません。会社の端末やアカウントに利用履歴が残る経路は、会社のPCでChatGPTに転職書類を書かせると、どこに残るかで扱っています。