AI と転職
面接で「応募書類や面接準備にAIを使いましたか」と聞かれたら 使った人・使わなかった人の回答例
面接で応募書類や準備に AI を使ったか聞かれたとき、正直に答えると不利になるのか。企業が公表する利用ルールをもとに、推敲、初稿、面接練習、事実確認をどう伝えるかを、使った人・使わなかった人の回答例で示します。
公開 2026年9月21日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・企業の公表ルールを4場面で確かめ、面接では使った範囲を正直に伝える
- ・採用側の受け止めは一律ではなく、使った範囲と自分で確かめた内容まで説明する
- ・使った人も使わなかった人も、そのまま使える回答例から自分の答えを用意できる
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面接で「応募書類や面接準備に AI を使いましたか」と聞かれると、「使った」と言えば不利か、「使っていない」と言えば疑われるかの二択に見えます。正直に話したときの受け止めは一律ではありません。使った人は使った場面と確かめた内容まで、使っていない人は事実と準備を答えます。企業が応募者向けに公表した AI 利用ルールには、大きな利用の開示を勧め、質問には正直な回答を求めるものがあります。
AIに任せた場面を4つに分ける
まず、自分の使い方を応募書類、課題・試験、面接準備、面接中の 4 つに分けます。「AI を使った」とひとまとめにすると、文法を直しただけなのか、面接中に回答を作らせたのかが伝わりません。
| 場面 | 公表ルールから読める線 | 面接前に書き出すこと |
|---|---|---|
| 応募書類 | 自分の経験に沿った推敲や構成整理は認める。初稿や全文の作成は企業によって線が違い、経験・実績の捏造は認めない | AI が書いた部分と、自分で事実を確かめて直した部分 |
| 課題・試験 | 明示的な許可がない限り、AI に解かせない | 使ったか。許可があったなら何に使ったか |
| 面接準備 | 企業研究、想定質問、模擬面接などは認める | 練習に使った内容と、自分で用意した回答 |
| 面接中 | 明示的な許可がない限り、リアルタイムの回答作成に使わない | 面接中に使っていないか |
この表は、IBM 「応募の流れとヒント」、アメリカン・エキスプレス 「AI Guidelines at American Express」、Anthropic 「Guidance on Candidates' AI Usage」、West Monroe 「Job Applicant AI Use Policy & Guidelines」、LinkedIn 「Collaborating with AI during LinkedIn’s hiring process」を 2026 年 9 月 21 日に確認して整理したものです。公表しているこの 5 社では、自分の経験に基づく推敲と面接準備を認め、存在しない経験を作ることと、許可のない面接中の利用を認めない点が共通しています。
これは公表している 5 社それぞれのルールを並べたもので、応募先のルールでも、日本の中途採用に共通する基準でもありません。応募先が別のルールを示していれば、そちらが先です。
応募書類は、推敲と初稿を分けます。 最初の下書きを AI に任せた場合は、単なる誤字の修正と同じには扱えません。Anthropic は最初の下書きを自分で作るよう求め、IBM は自分で内容を作らずに応募書類全体を AI に作らせることを認めていません。アメリカン・エキスプレスも、自分で書いたカバーレターの推敲は認めますが、全体の作成は認めていません。一方、LinkedIn は、実際の経験や成果を正確に反映することを条件に、履歴書やカバーレターの下書きと推敲を認めています。
つまり、「AI に初稿を書かせたが、自分で確認したから、どの会社でも推敲と同じ扱いになる」とは言えません。初稿や全文を任せたなら、その事実を回答に入れます。まだ提出前なら、元の経歴と一行ずつ照らし、自分が説明できない記述や、実際より大きく見える役割を落として、自分の言葉で書き直します。
面接では使った範囲を正直に伝える
IBM は、AI を大きく活用した応募書類は開示を勧める一方、文法やレイアウトのような軽微な編集は開示不要としています。ただし、構成全体を組み替えた場合がどちらに入るかまでは書いていません。軽微と言い切れるか迷うなら、使った側として話すのがこの記事の目安です。「構成の整理に使い、事実は自分で確認した」と言えば、利用の大きさを自分で判定しなくても事実を伝えられます。
開示について具体的に書いているのは、IBM のほか、質問されたら利用・不使用を正直に答えるよう求める West Monroe です。LinkedIn は透明性を勧めています。また、IBM は AI が作った内容を開示せず、自分が作ったものとして提出することも認めていません。
AIを使った人への評価は一律ではない
「使った」と答えたら不利になるかは、ひとつの数字では決められません。採用側の調査にも、利用を条件つきで認める回答と、AI らしい応募書類を理由に落とした経験の両方があります。
doda を運営するパーソルキャリア株式会社は、同じリリースで生成 AI による職務経歴書作成機能も紹介しています。同社が 2024 年 7 月 29 日〜8 月 1 日に、中途採用の責任者や選考に関わる 500 人へ聞いた調査では、生成 AI で自己 PR や職務経歴書を作ることについて、「どのような活用方法であっても良い」が 36.0%、「活用した上で自身に合わせた調整を行うのであれば良い」が 52.4% でした。合わせると約 9 割ですが、半数を超える回答は「自分に合わせて調整するなら」という条件つきです(doda 「転職サービス「doda」、ビジネスパーソンと企業の「生成AI」活用調査 企業の生成AI活用は6割、未活用企業も5割が今後導入検討 個人の活用は2割に留まるも、転職後の活用ニーズは5割超」、2026 年 9 月 21 日確認)。
生成 AI 学習コミュニティを運営する株式会社SHIFT AI が 2026 年 5 月 20〜24 日に実施した調査では、中途採用担当者 248 人の 52.0% が、生成 AI で作った可能性が高い書類を理由に「落としたことがある」と答えました。この 52.0% は「ある(主な理由)」21.8% と「ある(内容の薄さ)」30.2% の合計で、AI らしさ自体を主な理由にした経験を示すのは 21.8% です。AI 生成と思われる書類への対応(複数回答、中途 248 人)では、「面接でスキル・経験を深掘り」が 34.7%、「AI 生成かどうかにかかわらず文章の質で評価」が 33.9%、「内容に問題がなければ通過」が 30.6%、「AI 生成の可能性が高い場合は評価を下げている」が 28.2% でした(株式会社SHIFT AI 「【採用担当者503名に調査】新卒採用担当の64.0%が"AI書類"で選考落とし経験あり」、全国 25〜69 歳の採用・人事担当者へのインターネット調査、2026 年 9 月 21 日確認)。出典の題名は新卒の数字ですが、ここで挙げたのは同じ調査に含まれる中途採用担当者の回答です。
2 つは設問、調査年、実施主体が違うため、採用側が肯定から否定へ変わったという比較には使えません。読み取れるのは、受け止めが一律ではないことです。使った事実だけで結果を予想するより、何を任せ、内容の正しさをどう確かめたかを説明できるようにしておくほうが、次の質問に備えられます。
使った人・使わなかった人の回答例
使った人は「利用の有無 → 使った場面 → 自分で確かめて直した内容 → 使わなかった場面」の順に話します。使っていない人は、利用していない範囲と、実際にした準備を答えます。
回答例:構成整理と面接練習に使った人
経理を 8 年経験した人が、自分の箇条書きから職務経歴書の構成を整え、想定質問を作るために AI を使ったとします。AI が「決算早期化を主導」と書いた箇所は、実際の役割に合わせて「担当」に戻し、成果の数字は実績資料で確かめました。志望動機は AI を使わずに書いています。
はい。職務経歴書は、自分で書いた経歴の箇条書きをもとに、構成と表現を整えるために AI を使いました。内容は一つずつ確認し、「決算早期化を主導」と実際より大きく書かれた部分は「担当」に戻し、成果の数字は実績資料で確認しました。想定質問の作成にも使いましたが、志望動機は自分で書き、課題や面接中には使っていません。
「構成整理」を軽微な編集と決めつけず、使った事実を伝えています。どこを直したかまで話せるので、「具体的には」と続けて聞かれても、確認した箇所を答えられます。
回答例:初稿から使った人
最初の下書きから AI に任せた場合は、「表現を整えただけ」と小さく言い換えません。公表ルールでは企業によって線が違うため、初稿を作らせたことと、その後に自分が行った確認を分けます。
はい。職務経歴書は、自分の経歴メモを渡して、最初の下書きを AI に作らせました。その後、元のメモと一行ずつ照らし、AI が加えた実績を削って、自分が担当した範囲に書き直しました。志望動機と面接の回答は自分で作り、課題や面接中には使っていません。
この回答は、初稿を AI に任せた使い方が応募先に認められると保証するものではありません。隠さずに事実を伝え、自分がどこまで内容を引き受けたかを示す回答です。
回答例:AIを使っていない人
使っていない人は、使わなかった理由を先回りして弁明する必要はありません。利用の有無を答え、自分が実際にした準備を添えます。
いいえ。応募書類の作成にも面接準備にも AI は使っていません。職務経歴書は過去の実績資料と自分のメモを確認して作り、面接では書類に書いた経験を自分で説明できるように練習しました。
転職サービスの自動作成や例文提案を使った場合、その機能が AI を使っているか本人には分からないことがあります。そのときは「自分で生成 AI は使っていません。転職サービスの作成支援は使いましたが、AI を使う機能かは確認できていません」と、分かる範囲を区切って答えます。
課題でAIを使う前後の確認
構成案を出させることが「課題を解かせる」に当たるかは、5 社の公表ルールから一律には決められません。まだ使っていない、または提出前なら、作業を止めて採用担当者か案内にある問い合わせ先へメールで確認します。
選考課題で生成 AI を使ってよい範囲を確認したいです。構成案の検討、文章の推敲、回答の作成のうち、認められる範囲と、利用した場合に申告が必要かを教えてください。
すでに使った、または提出した場合も面接まで待たず、同じ相手へメールで使った範囲を伝えて指示を求めます。
課題の構成案を考える際に AI を使いました。回答本文は自分で作成しましたが、事前に利用可否を確認できていませんでした。この使い方が許可される範囲か、今後どう対応すべきか教えていただけますか。
応募先の考えは求人票だけでは分からない
求人票に AI の記載がなければ、利用してよいとも、禁止されているとも判断できません。
2026 年 9 月 21 日時点の当サイト PREVIO の掲載求人では、選考中に応募者が生成 AI を使う課題・面接や、AI ツールの利用を認める記載は、全求人の 5% 未満でした。AI 模擬面接の案内と AI リテラシーの試験は、応募者自身が AI を使う記載ではないため、この 5% 未満の利用例には含めていません。応募書類での AI 利用ルールと、応募者による AI 利用の禁止は見つかりませんでした。この割合は掲載求人全体に占める比率を 5% 刻みで示す目安で、5% に届かないため「5% 未満」としています。
これは、掲載企業にルールがないという意味ではありません。求人票には書かず、自社の採用サイトや応募後の案内に載せている会社があります。ルールが見つからない場合も、利用の範囲を説明できるようにし、課題については上の確認文で採用担当者に尋ねます。
確かめた範囲
求人票の集計は、2026 年 9 月 21 日に当サイト PREVIO で掲載中だった全求人が対象です。選考の欄では、AI・生成 AI・ChatGPT・Claude・Gemini などの語がある文を目視し、応募者自身が AI を使う記載だけを分けました。応募書類については、選考、応募要件、仕事内容、求人の PR の 4 欄で、AI と応募書類を表す語が同じ文の近い位置にある記載を確認しました。禁止の見落としを減らすため、利用禁止の確認だけは福利厚生も加えた 5 欄を対象にしました。
この方法では、離れた箇所に書かれたルールや別の表現は拾えません。選考の欄が空の求人も多く、企業の採用サイトにだけあるルールは対象外です。
この答え方で分からないこと
採用担当者の調査からも、面接官がなぜ「AI を使いましたか」と聞くのかは分かりません。書類の内容を本人が説明できるか確かめたい、AI の使い方を知りたい、といった理由は考えられますが、ここで確認した一次情報が示した意図ではありません。
また、正直に答えた人と隠した人を比べた調査ではないため、この答え方で合格しやすくなるとは言えません。回答例の目的は、相手の評価を予測することではなく、自分が AI に何を任せ、何を自分で確かめたかを事実どおり話せるようにすることです。
よくある質問
AIを使ったのに「使っていない」と答えたら、バレますか?
AI を使った文章なら確実に見抜かれる、とは言えません。だからといって、見抜かれないことを理由に隠すのも違います。実際に使っていないなら「使っていない」と答え、使ったなら、利用の範囲と自分で確認した内容を答えてください。AI で書いた職務経歴書の見分け方については、AIで書いた職務経歴書はバレるかで扱っています。
面接練習にAIを使った場合も伝えますか?
聞かれた範囲が「応募書類」だけなら、書類での利用を答えます。「転職活動や面接準備で使いましたか」と聞かれたなら、模擬面接や想定質問の作成に使ったことも含めます。確認した 5 社は面接準備での利用を認めていますが、応募先が別のルールを示していればそちらに従います。
応募先がAI利用のルールを公表していない場合は?
求人票に書いていないだけでは、許可とも禁止とも判断できません。採用サイトや応募後の案内を確認し、課題や試験で使ってよいか迷う場合は、始める前に採用担当者へ確認してください。面接で利用を聞かれたら、公表ルールがなくても事実どおりに答えます。