AI と転職

AIとの壁打ちで自己分析を進める手順 AIの質問に自分で答え、話した事実を職務経歴書に足す

AIとの壁打ちで自己分析を進める手順です。AIに古い時期の仕事を1問ずつ質問してもらい、「覚えていない」と答えた後の進め方、まとめを自分の回答と照合する方法まで、プロンプト全文と出力例で紹介します。

公開 2026年9月23日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • AIに古い時期の仕事を1問ずつ質問してもらい、職務経歴書に書いていない事実を探す
  • 思い出せない項目は「覚えていない」とそのまま答え、別の角度の質問へ移る
  • AIのまとめを自分の回答と照らし、確信の度合いと追記先まで自分で決める
目次開く
  1. 01AIとの壁打ちで古い時期の仕事を1問ずつ質問してもらう
  2. 02「覚えていない」は、そのまま答える
  3. 03話した事実をまとめ、自分の答えと照らす
  4. 04質問とまとめが指示どおりか確かめる
  5. 05頼み方を指定すると最初の返事はどう変わるか
  6. 06よくある質問

職務経歴書を読み返すと、仕事の名前は書いてあっても、そのとき誰と進めたか、何を使ったか、何がきっかけだったかは抜けています。AIとの壁打ちで自己分析を進めるなら、この書いていない事実を自分の回答から探します。AIに古い時期の仕事を1問ずつ質問してもらい、最後に回答と照らすと、職務経歴書へ足す1行を選べます。

学生時代の経験から考える就活向けの方法に対し、職歴のある転職者は職務経歴書の行を質問の起点にできます。例にするのは、2009年から2021年まで事務を担当し、2021年から総務アシスタントとして働く架空の人です。職務経歴書に書いた事実を一度に抜き出すなら、AIで自己分析するプロンプトで整理できますが、この記事では書いていない場面をAIの質問に答えながら探します。

AIとの壁打ちで古い時期の仕事を1問ずつ質問してもらう

職務経歴書を用意したら、次のプロンプトの末尾に貼ります。氏名や連絡先など、AIに渡す必要のない情報は先に外してください。

これから職務経歴書を貼ります。自己分析のために、聞き手をお願いします。

進め方:
- 質問は 1 回に 1 つだけにしてください。私が答えてから、次の質問をしてください
- 質問は、職務経歴書に書いてある行を 1 つ選び、その仕事の場面を聞く形にしてください(誰と / 何を使って / 何がきっかけで / その前はどうやっていたか / いつ頃か、のどれか 1 つ)
- 私が答えたら、私が言った事実だけを 1 行でまとめてから、次の質問に進んでください
- 私が「覚えていない」と答えたら、同じことを聞き直さず、思い出す手がかりになる別の角度(その頃の部署の人数、使っていたソフト、忙しかった時期、よく来た問い合わせ など)から 1 つだけ聞いてください
- 強み・向いている仕事・褒める言葉・励ましの言葉は、私が「まとめて」と言うまで書かないでください
- 職務経歴書に書いていないことを、事実として足さないでください

最初の質問は、いちばん古い時期の行のうち、結果や数字が書かれていない行から選んでください。

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(ここに職務経歴書を貼る)

3回のうち1回で最初に返ってきた質問が、次です。

2009年4月〜2015年3月の「請求書発行」は、主に誰とやり取りしながら進めていましたか?

ほかの2回は、同じ古い期間の「電話応対」について、相手や問い合わせの内容を1つだけ聞きました。

職務経歴書から外す情報の範囲は、職務経歴書をAIに渡す前の準備で扱っています。

「覚えていない」は、そのまま答える

質問への答えは、整った文章にしなくてかまいません。覚えている事実と、曖昧な部分を分けて返します。最初の質問に対する回答は、次の内容でした。

営業課から毎月の出荷データをもらって、それを見て請求書を作っていました。月末に営業課の係長に確認してもらってから発送していました。

AIは答えを1行にまとめ、次の質問を1つ出しました。

事実:毎月、営業課から出荷データを受け取って請求書を作成し、月末に営業課の係長の確認を得てから発送していた。

「請求書発行」には、どのソフトや道具を使っていましたか?

次の質問には、こう答えました。

最初は手書きの台帳から転記してWordで作っていたと思いますが、途中からExcelの管理表にしました。いつ切り替えたかは覚えていないです。

AIは、覚えていない切り替え時期を聞き直さず、事務担当の人数へ角度を変えました。

事実:当初は手書き台帳から転記してWordで請求書を作り、途中からExcelの管理表に切り替えたが、切り替え時期は覚えていない。

Excelの管理表に切り替えた頃、同じ一般事務の担当者は何人くらいいましたか?

毎回、AIが次の質問へ進む前に置く1行も、自分の答えと見比べます。上の例では、回答にあった「Wordで作っていたと思います」から「と思います」が消えています。「と思います」が消えた、答えていない場面が加わった、という変化があれば、その場で「私が答えた確信の度合いを変えず、答えていない場面を足さずに書き直してください」と返します。

何問で終えるかに決まった正解はありません。この記事の例では3回答えた後にまとめへ進みましたが、3問が最適だと確かめたものではありません。追記したい仕事について話せたところで、次のプロンプトへ進みます。

話した事実をまとめ、自分の答えと照らす

対話をいったん整理するときは、同じ会話の続きに次を送ります。AIが出した次の質問が残っていても、答えずにこのプロンプトを送ってかまいません。

まとめてください。ここまでの会話で私が答えた内容だけを使って、次の 2 つを出してください。

1. 職務経歴書に足せる行: 職務経歴書のどの行に足すかを示し、私が答えた事実を 1 行 1 件で書く。数字は私が言ったものだけを使う
2. 思い出せなかったこと: 私が「覚えていない」と答えた項目のうち、その後の答えでも埋まらなかったもの

私が答えていないことは書かないでください。強みの名前は、まだ付けないでください。

まとめを照合できるように、元の職務経歴書で関係する2行と、本人が返した3つの答えを先に並べます。

職務経歴書の行:

・電話応対、来客対応、請求書発行、備品管理、伝票起票、データ入力

・Excel で請求書管理表・顧客マスタを整備し、手作業を削減

本人の答え:

  1. 営業課から毎月の出荷データをもらって、それを見て請求書を作っていました。月末に営業課の係長に確認してもらってから発送していました。
  2. 最初は手書きの台帳から転記してWordで作っていたと思いますが、途中からExcelの管理表にしました。いつ切り替えたかは覚えていないです。
  3. 事務は3人いて、請求書は私ひとりの担当でした。そういえば、Excelに切り替えたのは、取引先が増えて転記ミスで請求金額を1回間違えたのがきっかけでした。取引先は100社くらいあったと思います。

この3回答の後に返ったまとめが、次です。

1. 職務経歴書に足せる行

追記先:「電話応対、来客対応、請求書発行、備品管理、伝票起票、データ入力」

- 営業課から毎月受け取る出荷データを基に請求書を作成し、月末に営業課の係長の確認を得て発送
- 事務担当3人のうち、請求書発行を1人で担当
- 取引先は約100社

追記先:「Excelで請求書管理表・顧客マスタを整備し、手作業を削減」

- 当初は手書き台帳から転記してWordで請求書を作成し、途中からExcel管理表へ切り替え
- 転記ミスで請求金額を1回間違えたことをきっかけに、Excel管理表へ切り替え

2. 思い出せなかったこと

- Wordでの請求書作成からExcel管理表へ切り替えた時期

照合では、まとめの各行の出どころになった文を、自分の3回答の中から探します。出どころが見つからない行は削除します。この例では、1行目は答え1、手書き台帳とWordは答え2、担当人数・取引先・転記ミスは答え3が出どころです。「思い出せなかったこと」の切り替え時期も答え2にあります。

出どころが見つかった行を、次の4点で確かめます。

  1. 自分の行為か、自分の担当か: 周囲の状況だけの行は落とします。「事務担当は3人」は部署の状況なので、それだけでは足しません。「取引先は約100社」も、自分が100社すべてを担当したと確認できなければ担当実績にしません。他人の役割や、周囲で多かった問い合わせも同じです。一方、「請求書発行を1人で担当」は自分の担当として残せます。
  2. 元の行にまだ書いていないか: すでに「請求書発行」とあるため、その言い換えだけは足しません。営業課からデータを受け取り、係長の確認後に発送していた流れは、元の行にない事実です。
  3. 確信の度合いが同じか: 「100社くらい」と言い切って答えたなら「約100社」で概算は残ります。しかし「100社くらいあったと思います」の「約100社」は、概算を残しても自信の弱さが消えています。確認前のメモなら「取引先は100社前後だったと記憶しています」まで戻します。「Wordで作っていたと思います」も、「当初は手書き台帳から転記し、Wordで作っていたと記憶しています」とします。2本の対話のうち、推量を含む回答をした1本では断定が強まり、もう1本の回答には「と思います」のような推量がなかったため、この変化を確かめられませんでした。
  4. 追記先が合うか: AIが選んだ行は候補です。自分の行為ではない情報が特定の仕事に付いた場合や、別の仕事について答えた内容が混ざった場合は、移すか削ります。

この4点は、追記候補に残す前提です。4点を通った行から、自分がしたことか自分の担当で、職務経歴書のその行にまだ書いていない事実を選びます。例の人物なら、仕事の流れと自分の担当をまとめて次の1行を足します。3回答を照合して書き直した例です。

・営業課から毎月受け取る出荷データを基に請求書を作成し、営業課の係長の確認後に発送。事務担当3人のうち、請求書発行を1人で担当

この1行は、元の職務経歴書にない仕事の流れと、残せると判断した1人担当の事実を含みます。取引先数は担当範囲が確定せず、Excelへの切り替え時期は思い出せなかったため、入れていません。

切り替え時期のように思い出せなかった項目は、手元の記録で確かめる候補に残します。同じ職務経歴書で進めた2本目の対話では、「名前は忘れました」と答えたソフト名が「思い出せなかったこと」に入りませんでした。2つ目のプロンプトが「『覚えていない』と答えた項目」に限る書き方だったことが影響した可能性があります。残したい項目は「ソフト名は覚えていないです」と書くと拾われやすいと考えられます。

質問とまとめが指示どおりか確かめる

プロンプトを書いても、質問の形が毎回そろうとは限りません。事務以外に、介護と施工管理の架空の職務経歴書でも質問を試しました。次のどれかが起きたら、先へ進む前に1文で直します。

質問が一度に2つ以上来た。 この記事のプロンプトを送った3回では起きませんでしたが、起きた場合は「質問を1つだけにして、私が答えるまで次へ進まないでください」と返します。

複数の仕事を並べて、どれを話すか自分に選ばせた。 施工管理の例では、AIは数字のない行を1つ選びましたが、「工事写真整理、施工図チェック、品質記録、近隣対応、職長会議の議事録作成」のうち、最初に担当した仕事を本人に選ぶよう聞きました。指定した5つの角度のどれでもない質問です。「選んだ行の中から仕事を1つ選び、誰と・何を使って・何がきっかけで・その前はどうしていたか・いつ頃か、のどれか1つを質問してください」と返します。

職務経歴書の側に、条件を満たす行がない。 介護の例では、いちばん古い期間が人数を含む1行だけでした。AIはその中の「看取りケア」を選び、「主に誰と連携していましたか?」と1問を返しました。「結果や数字が書かれていない行」という条件を満たす選択肢がなかったため、「数字が書かれていてもよいので、いちばん古い時期から1行選んでください」と条件を変えます。

1行の事実整理が、自分の答えより強くなった。 「と思います」が消えた、推測が事実になった、答えていない場面に寄せられた、と気づいた時点で、「『覚えていない』は、そのまま答える」の節にある修正文を返します。

試した範囲は、OpenAIのgpt-5.6-solをCodex CLI(コマンドラインから使う開発者向けのツール)で使った架空の経歴です。ChatGPTの画面とは別の環境です。最初の質問は事務の経歴で3回、対話の続きは2本、介護と施工管理では各1本です。この聞き方で実在の人が何年も前の仕事を思い出しやすくなるか、自己分析や転職の結果が変わるかは確かめていません。

頼み方を指定すると最初の返事はどう変わるか

1つの架空の職務経歴書をOpenAIのgpt-5.6-solに渡し、自己分析の壁打ち相手になってほしいとだけ伝えた3回と、強みを出さず1問ずつ聞くよう指定したこの記事のプロンプト3回を比べました。前者では本人が答える前に強みの仮説が並び、後者では本人が答える質問が1つ返りました。

見るところ壁打ち相手とだけ頼んだ3回この記事のプロンプトを送った3回
本人が答える前強みの仮説が3〜4個並んだ強みは出なかった
答えを求めた最初の質問今後の希望・実現したいこと古い期間の請求書発行か電話応対
最初の返事で答えを求めた質問の数(選択肢・穴埋めは数えない)4問・2問・1問1問・1問・1問

左側の回答にも、過去の仕事を聞く質問や、職務経歴書の書き方への指摘は含まれていました。強みの内容が間違いとは言えず、職務経歴書の要約としては合っています。右側で評価が出なかったのは、まとめるまで書かないよう指示したためです。この比較で確認できたのは、最初の返事が「AIによる評価」から「自分が答える1問」に変わったことまでです。自己分析の質や、昔の仕事の思い出しやすさは比べていません。

AIが挙げた職種や仕事を求人の言葉と照らす手順は、AIの自己分析はどこまで使えるかで扱っています。

よくある質問

ChatGPTで同じ会話を続けながら使えますか

職務経歴書と1つ目のプロンプトを送った会話で質問に答え、そのまま同じ会話に2つ目のプロンプトを送ります。ただし、ChatGPTのアプリや別のモデルで、同じ質問やまとめが返るかは確かめていません。質問が1つか、答えていない事実が足されていないかを、その都度見てください。

AIとの壁打ちは自己分析に意味がありますか

この記事で確認した意味は、職務経歴書に書いてある仕事を起点に、本人が答える質問を1つずつ出させられることです。最後は自分の回答に戻り、何を職務経歴書へ足すかを決めます。自己分析の質が上がるかは測っていません。

「厳しく評価して」と頼んだほうがよいですか

この記事では、古い時期の仕事について質問を1つ出してもらい、自分が事実を答えます。強みを選ぶ作業は範囲外です。AIが挙げた職種や仕事を求人の言葉と照らすのは、この質問と回答を終えた後の別の手順です。

5年・10年前の仕事をまったく思い出せない場合はどうしますか

「覚えていない」とそのまま答え、部署の人数、使っていたソフト、忙しかった時期、よく来た問い合わせのような別の角度を1つ聞いてもらいます。それでも出なければ、「思い出せなかったこと」に残し、空欄のまま次へ進みます。

勤務先や在籍期間、実績の数字も覚えていない場合はどうしますか

勤務先や在籍期間は記録で確かめる領域です。担当件数や売上は、自分の手元や職場の資料でしか確かめられない場合があります。対話で推測せず、数字が必要か、どの記録を見るかを分けてください。詳しい仕分けは職務経歴書の実績、数字を覚えていないときにあります。

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