職種の求人市場

リモートと年収、どちらが求人を狭めているか 東京の求人を職種別に数えた

リモートと年収の両方を条件にすると候補が減ります。当サイトの掲載求人を職種別に数えたところ、どちらがより削っているかは職種で違いました。自分の条件で同じことを数える手順も書きます。

公開 2026年9月20日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • 年収とリモートのどちらが候補を狭めているかは、職種によって違う
  • 年収600万円以上とフルリモートの両方は、どの職種でも5%前後かそれ以下
  • 求人サイトの年収の絞り込みで、下限が低い求人が混ざることがある
目次開く
  1. 01求人票にリモートの語が入るのは、掲載の40%
  2. 02どちらが候補を狭めているかは、職種で違う
  3. 03「フルリモート」まで絞ると、どの職種も5%前後
  4. 04自分の条件で数える
  5. 05確かめた範囲
  6. 06よくある質問

リモートで働ける職場に移りたい。ただ、いまの年収は下げたくない。この 2 つを条件にすると候補が減るのは分かっていても、どちらがどれだけ削っているかは、探しているうちは見えません。

先に断っておくと、この記事で数えたのは求人票に書かれた条件です。応募して実際に提示される年収がどうなるかは扱っていません。そのうえで、当サイト PREVIO に掲載中の東京の求人を職種別に数えると、年収とリモートのどちらが候補を狭めているかは、職種によって違いました。 経理ではリモートのほうが、カスタマーサポートでは年収のほうが削っていて、向きが逆になっています。

求人票にリモートの語が入るのは、掲載の40%

まず全体です。当サイトに掲載中の求人(勤務地も職種も絞らない)のうち、仕事内容・待遇・勤務地詳細のどこかに「リモート」「在宅」「テレワーク」のいずれかの語が出てくるものは 40%、「フルリモート」または「完全在宅」が出てくるものは 5% 未満でした(2026 年 9 月 20 日時点。割合は 5% 単位に丸めています。ただし 5% を下回るものは丸めずに「5% 未満」と書いています)。

日本生産性本部の第 19 回「働く人の意識調査」(2026 年 7 月 6〜7 日、雇用されている 20 歳以上 1,100 名)では、テレワークの実施率は「過去最低の14.5%」でした(日本生産性本部、2026 年 9 月 20 日確認)。求人票に語が書いてある割合と、いま働いている人が実施している割合は、測っているものが違います。募集の段階で 40% に語が出ていても、入ってから在宅で働ける人が 4 割いるという意味にはなりません。

どちらが候補を狭めているかは、職種で違う

東京の求人で、年収の下限が書かれているものを職種別に数えました。それぞれの職種のその求人を 100% として、条件ごとの割合です。

職種年収 600 万〜リモートの語あり両方
バックエンドエンジニア55%55%30%
IT コンサルタント50%50%25%
経理55%40%20%
法人営業40%40%20%
採用40%40%15%
カスタマーサポート20%40%10%

(2026 年 9 月 20 日時点。東京の求人のうち、年収の下限が書かれているもの。年収の下限が 100 万円未満・3,000 万円超のものは、単位の取り違えとみられるので除いています。「年収 600 万〜」は求人票の年収の下限が 600 万円以上。600 万円は例として置いた線です。割合は 5% 単位に丸めています)

読み方は、2 列目と 3 列目の大小です。両方の条件から年収を外すと 3 列目の値に、リモートを外すと 2 列目の値になります。値が小さいほうの列に当たる条件が、候補を狭めています。

差がはっきり出たのは 2 職種でした。経理は、年収 600 万円以上が 55%、リモートの語ありが 40%。小さいのはリモートのほうなので、リモートの条件が削っています。両方だと 20% ですが、リモートの条件を外せば 55% です。

カスタマーサポートは逆です。リモートの語ありが 40% あるのに、年収 600 万円以上が 20% しかありません。両方は 10%。ここでリモートを外しても 20% にしかならず、年収の条件を外したほうが 40% まで増えます。この職種でリモートを諦めても、候補はあまり戻りません。

残りの 4 職種は、2 列目と 3 列目が丸めた値で同じになりました。丸める前の差も 5 ポイント以内なので、どちらか一方が犯人とは言えません。2 つの条件が重なって削っている形です。この場合は、下の手順で自分の年収の線を入れて数え直すと差が出ることがあります。

年収の線を動かしたときの増え方も数えました。法人営業で、年収 600 万円以上とリモートの両方だと 20%、年収の線だけを 500 万円に下げると 30% です。同じところからリモートの条件だけを外すと 40% になります。この職種では、年収を 100 万円下げるより、リモートの条件を外すほうが候補は増えました。

「フルリモート」まで絞ると、どの職種も5%前後

リモートの語には、週 1 回の在宅も入っています。条件の強さは 3 段あると考えたほうが近いです。フルリモート、何らかのリモート、問わない、の 3 段です。

年収 600 万円以上を保ったまま、リモートの段を上げていくとどうなるか。同じ母集団(東京の求人で年収の下限が書かれているもの)に対する割合です。

職種年収 600 万〜かつリモート年収 600 万〜かつフルリモート
バックエンドエンジニア30%5%
IT コンサルタント25%5% 未満
経理20%5% 未満
法人営業20%5% 未満
採用15%5% 未満
カスタマーサポート10%5% 未満

(同じ条件、5% 単位に丸めた値)

年収 600 万円以上とフルリモートの両方を満たす求人は、この 6 職種のどれでも 5% 前後かそれ以下でした。 一方、フルリモートを「週に何日か出社でもいい」まで緩めると、職種によっては 20〜30% まで戻ります(左の列)。年収かリモートかの二択ではなく、リモートの段を 1 つ下げるという選び方があります。

自分の条件で数える

同じことは、自分が使っている求人サイトでもできます。件数を 4 通り並べるだけです。

  1. 職種と勤務地だけで検索して、件数を控える。職種は、サイトの職種カテゴリから選ぶ。フリーワードに職種名を打つと件数が大きく変わります。控えるのは検索結果の画面に出る件数です。絞り込みのチェックボックスの横に出ている件数は、ほかの条件を無視した全国の数字であることがあります
  2. 1 に年収の条件を足した件数
  3. 1 にリモートの条件を足した件数
  4. 1 に両方を足した件数

4 からリモートを外すと 2 に、年収を外すと 3 になります。2 と 3 のうち件数が小さいほうの条件が、候補を狭めています。 年収の線は、自分が下げたくない額で引いてください。

狭めているほうが分かったら、その条件を 1 段だけ緩めて 4 を数え直します。リモートなら「完全在宅のみ」から「リモート可」へ、年収なら 50 万円刻みで 1 つ下げて、件数がどれだけ戻るかを見ます。戻り方が小さいなら、その条件は緩めても効かないので、もう一方を見直すか、勤務地や職種の側を動かすことになります。

件数を並べる前に、サイトの作りを確かめてください。マイナビ転職で Web デザイナー・東京の求人を数えたとき、次の 3 つで数字が変わりました。4 つ目は、そもそも絞り込みが無い場合の話です。

年収の絞り込みで、下限が低い求人が混ざることがある。 マイナビ転職の年収の絞り込みは「初年度年収」という名前です。「500 万円以上」で絞った一覧の先頭には、初年度の年収が「350〜800 万円」「300〜700 万円」と書かれた求人が並びました。エン転職で品質保証・東京・年収 600 万円以上を絞ったときも、33 件のうち下限が 600 万円以上だったのは 5〜6 件でした。

これは注意で済む話ではなく、2 と 3 の大小が逆転することがあります。上のエン転職の例では、絞り込んだままの件数は 2 が 33 件、3 が 13 件でリモートのほうが狭めているように見えますが、下限で数え直すと 2 は 5〜6 件になり、年収のほうが狭めていることになります。2 の件数が 3 より大きく出たときは、2 の一覧を開いて、年収表示の下の端が自分の線を超えている求人だけを数え直してください。月給だけが書かれていて年収の下の端が読めない求人は、数から外して「判定できない」として残します。

リモートの絞り込みが 1 種類とは限らない。 同じサイトに「リモートワーク可」と「完全在宅勤務・フルリモートワーク可」の 2 つがあり、件数が違いました。キーワードに「リモート」と打つと、どちらとも違う件数になります。まず広いほう(「リモート可」に当たるもの)で 4 通りを数えて、そのうえで狭いほう(完全在宅)に切り替えて 3 と 4 だけを数え直すと、リモートの段を 1 つ上げたときの落ち方が見えます。狭いほうが 0 件になることもあります(エン転職の品質保証・東京では 0 件でした)。0 件なら、その職種と勤務地では完全在宅の募集が出ていない、というのが結果です。

勤務地の数え方が 2 通りあることがある。 同じサイトに「東京都以外でも同時に募集中の求人」と「東京都のみで募集中の求人」のタブがあり、後者に切り替えるとリモートの件数が大きく落ちました。どちらのタブで数えるかも決めておきます。タブが無いサイトでは、勤務地を絞っても「全国 24 都府県」のような全国募集の求人が混ざります(エン転職の品質保証・東京では、41 件のうち目視で 5〜6 件)。4 通りとも同じ混ざり方をするので比較はできますが、件数そのものは多めに出ます。

リモートの絞り込みが見当たらないサイトもある。 doda の詳細条件のページを開いた範囲では、リモート・在宅・テレワークの項目が見当たりませんでした。その場合はキーワードで代用することになりますが、絞り込みとキーワードでは件数が変わるので、4 通りとも同じやり方でそろえます。

確かめた範囲

  • 求人の集計は当サイトの掲載求人が対象で、転職市場全体を代表するものではありません。2026 年 9 月 20 日時点の掲載分です
  • 全体の 40%・5% は勤務地も職種も絞らない掲載全体の割合、職種別の 2 つの表は東京の求人のうち年収の下限が書かれているものだけの割合です。年収の記載がない求人は表に入っていません
  • 「年収の下限が 600 万円以上」は、年収 600 万円を下げずに済む求人の数ではありません。下限 500 万円・上限 800 万円の求人でも 600 万円で決まることはありますし、逆に下限 600 万円でも手当や賞与の扱いで手取りが変わります。下限で切るのは、確実な側だけを数える保守的な数え方です
  • リモートの語の照合は、仕事内容・待遇・勤務地詳細に「リモート」「在宅」「テレワーク」のいずれかが出てくるかどうかです。文脈は見ていないので、「リモート不可」「在宅勤務なし」と書いてある求人も同じ 1 件に数えています(こうした否定形を含む求人は、リモートの語を含む求人の 1% 前後でした。「リモート不可」「在宅勤務なし」の 2 語だけなら 0.9%、ほかの言い回しまで広げると 1.0% です)。「在宅手当」のように勤務形態そのものを指さない使われ方も入っています(「リモートワーク」「在宅勤務」「テレワーク」という勤務形態の語に限ると、リモートの語を含む求人の 75% ほどになります)
  • 求人票にリモートと書かれていないことは、その職場でリモートができないことを意味しません
  • 表の読み解きは件数の増減の話で、増えた求人が自分の経験や希望に合うかどうかは別です
  • 500 万円の線は、「リモート 転職 年収 下がる」で検索したときの関連する質問に「フルリモートで年収500万円の仕事はありますか」が出ることに合わせました(2026 年 9 月 20 日に確認)
  • 求人サイトの作りの確認は、マイナビ転職で Web デザイナー・東京、エン転職で品質保証・東京の条件について、それぞれ 1 度ずつ試したものです。doda は詳細条件のページを開いてリモートの項目が無いことを確かめただけです。ほかのサイトでも同じ作りになっているかは確かめていません
  • リモートにすると年収が下がるかどうかは、この記事では確かめていません

よくある質問

リモートにすると年収は下がりますか

この記事では確かめていません。同じ職種でリモートの求人と出社の求人の年収を比べる集計はしていないためです。代わりに使えるのは上の表で、年収の下限が 600 万円以上でリモートの語もある求人が、その職種の何割あるかは分かります。自分の年収の線で数え直す手順は「自分の条件で数える」に書きました。

フルリモートで年収500万円の仕事はありますか

職種によります。当サイトの東京の掲載求人(年収の下限が書かれているもの)で、「フルリモート」「完全在宅」の語が入り、年収の下限が 500 万円以上のものは、バックエンドエンジニアで 10% ほど、法人営業・経理・カスタマーサポートでは 5% 未満でした(2026 年 9 月 20 日時点、5% 単位に丸めた値)。

年収とリモートのどちらを先に緩めるべきですか

自分の職種で数えてから決められます。上の手順で 2(職種と勤務地に年収を足したもの)と 3(職種と勤務地にリモートを足したもの)の件数を比べて、小さいほうの条件が候補を狭めています。職種によって向きが変わるので、一般の答えはありません。

求人サイトの「年収500万円以上」で絞れば、年収が下がらない求人だけが出ますか

サイトによります。マイナビ転職で「500 万円以上」に絞ったときは、下限が 300 万円台の求人も一覧に並びました(2026 年 9 月 20 日に確認)。絞り込んだ後に、一覧の年収表示の下の端を見てください。

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