AI と転職
転職活動のAIツール、一覧の前に見る3つのこと
「転職活動 AIツールおすすめ10選」に並ぶものは、同じことができる道具ではありません。求人につながるか、材料をどう渡すか、登録した先はどこか。各社の公式ページで確かめた内容から、用途ごとの選び方を整理します。
公開 2026年9月20日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・求人を探す工程は、求人につながっている道具でないと進まない
- ・書類を書く工程は、自分の材料をそのまま渡せる道具が向く
- ・登録した先が転職サイトか人材紹介かで、その後に起きることが変わる
転職活動の AI ツールを探して一覧を開くと、ChatGPT と、自己 PR を作る機能と、転職サイトの新機能が同じ表に並んでいます。順位が付いていても、どれを使えばいいのかは決まりません。できることの範囲が、道具ごとに違うからです。
先に結論だけ書きます。求人を条件で絞って探す工程は、求人につながっている道具でないと進みません。書類の下書きは、自分の経歴をそのまま貼れる道具が向きます。 そのうえで、一覧で見かけた知らないサービスを見分けるには、次の 3 つを公式ページで確かめます。
- いま募集している求人につながるか(求人検索や求人提案の機能が説明されているか)
- 自分の経歴をどう渡すか(自由に文章を貼れるか、選択肢から選ぶか)
- 会員登録の先が何の事業者か(転職サイトか、人材紹介か)
以下は、3 社の公開情報と法令を読んで整理したものです。使って出力を比べたわけではありません。
1. いま募集している求人につながるか
ChatGPT や Claude、Gemini のような汎用の対話型 AI は、求人を条件で絞り込む検索サービスとして提供されているものではありません(各社の仕様ページは確認していません)。Web を検索できる設定なら求人ページにたどり着くことはありますが、募集の状況をまとめて絞り込む使い方は想定されていません。
求人につながる側の例としては、キャリビーが公式ページで、AI との対話で強みや価値観を整理したうえで、適職診断、年収・市場価値診断、求人提案、書類・面接対策までを 1 つのサービスで提供すると書いています(キャリビー、2026 年 9 月 20 日確認)。
注意したいのは、転職サイトが出した AI の機能が、そのまま求人の提案をするとは限らないことです。ビズリーチが 2026 年 7 月 1 日に提供を始めた「キャリア相談AI機能」は、リリースを読む限り、会員が登録した職務経歴を読み込んで志向や強みを整理する機能で、求人の提案は説明されていません(サービス本体は求人を扱っています)。提供はアプリのみとされています(ビズリーチのプレスリリース、2026 年 9 月 20 日確認)。
見分け方は、公式ページに求人検索や求人提案の説明があるかどうかです。求人が出てくるサービスなら、次はその求人がどこまでの範囲なのか(そのサービスが扱うものだけか)を確かめます。
2. 自分の経歴をどう渡すか
同じ「AI で自己 PR を作る」でも、渡し方が違います。
マイナビ転職の「マイナビ AI Pencil」(マイナビが提供する執筆支援サービスの総称で、マイナビ転職では自己 PR 文章の提案機能として使えます)は、職種・業種・強みの 3 つを選ぶ形です。公式ページは「選択肢から選ぶだけなので、『何を書けばいいかわからない...』という心配はありません。」と案内し、同時に「提案された文章をベースに、具体的なエピソードや数値を追加してパーソナライズしましょう」とも書いています。利用は無料ですが、マイナビ転職の会員登録が必要で、「登録いただいている情報を学習データに利用することはありません」とも記載があります(マイナビAI Pencil、2026 年 9 月 20 日確認)。
選択式は、渡す材料が要らない代わりに、出てきた文章に自分の経験を足す作業が後に残ります。これは公式ページ自身が案内している流れです。
汎用の対話型 AI なら、職務経歴書でも走り書きでも、持っているものをそのまま貼れます。渡した材料の量がそのまま出力の具体性になるので、書き上げるところまで持っていきたいならこちらです。渡す材料の作り方は転職でAIに使うプロンプトに書きました。
3. 会員登録の先が何の事業者か
AI の機能を使うのに会員登録が要るサービスでは、登録した先が何の事業者かで、その後が変わります。上に挙げた 3 社でいえば、マイナビ AI Pencil はマイナビ転職の会員登録が前提で、ビズリーチのキャリア相談AI機能は会員向けのアプリの機能、キャリビーは登録して対話を始める形です。いずれも、登録した時点でそのサービスの会員になります。
どこまでが求人サイトで、どこからが人材紹介かは見た目では分かりにくいところです。厚生労働省が示している職業紹介と募集情報等提供の区分と、運営元の調べ方は、AIにキャリア相談すると何が返ってくるかに整理しました。
料金の見方
人材紹介(有料職業紹介事業者)は、原則として求職者から手数料を取れません。職業安定法の第三十二条の三第二項は「有料職業紹介事業者は、前項の規定にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならない」と定めています。例外は、手数料を求職者から徴収することが「当該求職者の利益のために必要であると認められるとき」として厚生労働省令で定める場合に限られます(e-Gov 法令検索の職業安定法、2026 年 9 月 20 日確認)。
一方、求人広告の形で運営している転職サイトは、この条文の対象ではありません。求職者向けの有料プランを置いているところもあります。ビズリーチには「ビズリーチプレミアム」があり、プレミアムステージの料金は Web 決済で 5,478 円(税込)/30 日、App Store 決済で 5,500 円(税込)/月と書かれています。スタンダードステージは無料です(ビズリーチプレミアム、2026 年 9 月 20 日確認)。
料金の有無は、そのサービスがどの枠組みで運営されているかを示すもので、出力の質とは別の話です。
当サイト PREVIO を運営する株式会社 OurStory も、有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-319443)です。上の条文の対象で、例外の手数料も取っていないので、求職者からは料金を受け取りません。掲載している求人と登録された経歴を突き合わせて提案する、この記事でいえば「求人につながる」側のサービスです。
用途から選ぶ
| やりたいこと | 向いている道具 |
|---|---|
| 職務経歴書や志望動機を書き上げる | 経歴をそのまま貼れる道具(汎用の対話型 AI) |
| 最初の 1 文が出てこないので、下書きの形だけ欲しい | 選択式のツールでも始められる |
| 自分に合う求人を探す | 求人検索や求人提案があると書かれている道具 |
| 自分の経歴を読ませて整理する | 経歴を渡せる道具(汎用の対話型 AI、または経歴を登録するサービス) |
どの道具から始めても、出てきた文章に自分の経験を足す作業は残ります。マイナビの公式ページも、提案された文章にエピソードや数値を追加するよう案内しています。
確かめた範囲
- 3 社の公開情報(キャリビーの公式ページ、ビズリーチのプレスリリースと料金ページ、マイナビ AI Pencil の公式ページ)と、e-Gov の職業安定法を読んで書いています。実際に使って出力を比べたものではなく、優劣を比べた一覧でもありません
- 確認日はいずれも 2026 年 9 月 20 日です。機能も料金も変わるので、選ぶときは各社のページを開いてください
- 挙げた 3 社は、3 つの問いの例として選んだものです。網羅していません
- 汎用の対話型 AI(ChatGPT、Claude、Gemini など)については、各社の仕様ページを確認していません。「求人検索のサービスとして提供されているものではない」という限りで書いています
よくある質問
転職相談に使う AI はどれがおすすめですか
相談の中身によります。自分の経歴を細かく渡して整理したいなら、材料を全部渡せる汎用の対話型 AI か、経歴を登録できるサービスです。相談の先で求人まで見たいなら、求人につながっているサービスを選ぶことになります。AI に相談したときに何が返ってくるかは、AIにキャリア相談すると何が返ってくるかで実際に試しています。
AI の転職サービスは無料で使えますか
人材紹介の形で運営しているサービスは、原則として求職者から手数料を取れません(上の節)。一方、転職サイトには求職者向けの有料プランを置いているところがあり、面接練習のアプリのように求職者から料金を取る形のサービスもあります。無料かどうかは、サービスごとに料金ページを見るのが確実です。
ChatGPT に希望の給与や企業の情報を渡せば、自分に合う会社を判断してもらえますか
渡した情報の範囲で答えは返ってきますが、いま出ている求人の条件と照らした答えにはなりません。求人につながっていない道具だからです。返ってきた会社名や年収の見立てをどう扱うかは、転職活動でAIに「行けそうな会社」を聞いた後にやることに書きました。