職種の求人市場
法務はきつい? 会社を移って続けるなら契約審査は残りうる、法務の人数・担当範囲は会社で違う
企業法務がきつくて辞めたい人が、つらい場面を法務に残る役回り、会社ごとに比べる値、今は分けられない場面に整理する記事です。求人票では、法務の人数・担当範囲、学ぶ費用の補助、残業の数字が書かれているかと、その書き方を手がかりとして読みます。評価の仕方や繁忙月の実残業を含め、比べるのは面接で聞いた、今の職場と同じ単位の値です。
公開 2026年9月29日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・辞めたい場面を3〜5個、今の職場の人数・回数・担当範囲・実残業と一緒に書き、法務に残る役回り、会社ごとに比べる値、今は分けられない場面に置く
- ・法律相談、契約審査、法改正対応、株主総会前や個別案件の繁忙は残りうる一方、法務の人数、担当範囲、評価、学ぶ費用、資格の扱い、実残業は応募先で確かめる
- ・企業法務の求人を1件開いて体制・仕事内容・応募条件・勤務時間を読み、空欄や食い違いを今の職場と同じ単位の面接質問にする
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法務の人数・構成をどの求人にも書いていない会社は約65%です。2026年9月29日時点の当サイト掲載中の企業法務求人を会社単位で集計し、5%単位に丸めました。例にするのは、法務4年、法務部2人、弁護士資格なしで、締結直前の契約相談に「法務はきつい」と感じる架空の社員です。会社を移って法務を続けるなら、契約審査や法律相談は残りうる一方、法務の人数、担当範囲、案件へ関わり始める時点は会社で違います。辞めたい場面を3〜5個書き出して人数や件数を添え、求人票で読めない値を面接で比べます。
法務を辞めたい場面を、今の職場の値にする
「板挟みがつらい」「契約書チェックばかり」のままでは、応募先との違いを比べられません。最近辞めたいと思った場面を3〜5個選び、人数、回数、仕事の割合、判断した人、平常月と繁忙月の実残業を添えます。
この社員の値は架空ですが、後の求人票と面接でも同じ単位を使います。
| 辞めたい場面 | 今の職場の値 | 比べる単位 | 確認先 |
|---|---|---|---|
| 締結直前に相談され、問題を伝えると「止める部署」と言われる | 直近1か月で締結3日前以降の相談が12件。法務の意見が通らなかった案件が3件 | 月の件数・相談が来た時点・決めた人 | 契約管理表、案件の記録 |
| 法的な論点を相談できず、実質一人で整理する | 直近1か月の法務内の相談は0件。社内に弁護士はおらず、顧問弁護士への相談は月2回まで。最終判断は管理部長 | 専任人数・相談相手・相談回数・最終判断者 | 組織図、相談記録、決裁記録 |
| 契約審査ばかりで担当が広がらない | 直近3か月は契約審査が仕事の8割(国内7割、英文1割)。本人は月45件で、機関法務は担当なし | 期間・仕事の割合・一人あたりの件数 | 予定表、契約管理表、担当表 |
| 評価されにくく、勉強も業務外になる | 評価4項目のうち法務の仕事を直接見る項目は0。法改正の確認は業務外に月6時間、書籍費は自己負担 | 評価項目・月の時間・費用 | 評価票、予定表、経費精算 |
| 株主総会前に残業が増える | 平常月20時間、株主総会前の月42時間 | 同じ担当者の月の実残業 | 勤怠、担当表 |
担当が広すぎる人は、たとえば「契約審査、株主総会、規程改定、個人情報対応を一人で担当」と、分野ごとの時間の割合や月の件数を添えます。担当が狭い場合も広い場合も、分野名だけでなく、同じ期間の割合と件数で比べます。
分からない値は推測で埋めません。「相談相手なし」ではなく、誰に何回相談し、誰が決めたかを書きます。件数を記録していなければ、契約管理表や予定表から直近1か月だけ数えます。さかのぼれない値は「未記録」とし、面接でも同じ直近1か月を対象に聞きます。
同じ悩みの中に、法務に残る役回りと会社ごとに比べる値がある
一つの悩みに複数の原因があるなら、原因ごとに行を分けます。法律相談や契約審査そのものなら「法務に残る役回り」、人数、担当の割合、相談が来る時点、決める人なら「会社ごとに比べる値」です。相手や出来事が曖昧で原因を分けられない場合は、「今は分けられない場面」に置きます。
| 場面 | 最初に置く場所 | そう置く理由 | 次に確かめる値 |
|---|---|---|---|
| 各部門から法律相談を受け、リスクを伝える | 法務に残る役回り | 法律相談への対応は企業法務の仕事に含まれる | 相談の分野 |
| 締結直前にだけ相談が来て、「止める部署」と言われる | 会社ごとに比べる値 | 相談が来る時点と、意見が割れた後の決め方は会社による | 相談が来た時点・最終判断者 |
| 法的な見方を会社の行動へつなげる判断が重い | 法務に残る役回り | 企業法務の記事で、正解が一つではない判断が難しさとして挙げられている | 判断した案件の種類 |
| 同僚や上長に相談できず、一人で決める | 会社ごとに比べる値 | 専任人数、相談相手、決裁は会社の体制で決まる | 専任人数・相談先・決裁者 |
| 未経験で異動し、教わる相手がいない | 会社ごとに比べる値 | 入社後に教える人と確認の流れは会社の体制による | 教える人・確認の頻度・独り立ちまでの流れ |
| 問題を防いでも成果が見えにくい | 法務に残る役回り | 問題を未然に防ぐ仕事は、売上のように件数だけで成果を表しにくい | 自分が残した記録 |
| 評価項目に法務の予防や判断が入らない | 会社ごとに比べる値 | 評価項目と評価者は会社が決める | 項目・評価者・昇給実績 |
| 法改正や判例を追う | 法務に残る役回り | 動向の調査と社内への共有は仕事に含まれる | 担当する法分野 |
| 勉強が業務外で、費用も自己負担になる | 会社ごとに比べる値 | 業務内の時間と費用補助は会社で確かめる | 月の時間・費用 |
| 契約書を作成・審査する | 法務に残る役回り | 契約審査は企業法務の仕事に含まれる | 契約の種類 |
| 契約審査が仕事の大半で、他の分野を担当できない | 会社ごとに比べる値 | 担当分野、件数、交代の仕方は配属先で違う | 分野別の割合・件数・交代例 |
| 契約審査、株主総会、規程改定、個人情報対応を一人で持つ | 会社ごとに比べる値 | 担当分野と分担する人数は会社の体制による | 分野別の割合・件数・分担例 |
| 総務や人事の仕事まで持つ | 会社ごとに比べる値 | 法務以外の兼務は会社の分担による | 法務以外の仕事の割合 |
| 弁護士資格がなく不安になる | 会社ごとに比べる値 | 個別求人の必須条件と入社後の扱いを分けて確かめる | 必須・歓迎・担当・等級 |
| 株主総会前や個別案件で仕事が増える | 法務に残る役回り | job tag は、株主総会前や個別事案などの事情がなければ残業は多くないと説明している。この記事では、その事情がある時期を残りうる繁忙に置く | 忙しくなる時期 |
| 株主総会前の実残業が42時間になる | 会社ごとに比べる値 | 人数、分担、準備期間で時間数は変わる | 平常月・繁忙月の実残業 |
| 法務内の人間関係がつらい | 今は分けられない場面 | 相手、出来事、相談後の変化が分かれていない | 相手・出来事・相談後の変化 |
「会社ごとに比べる値」は、会社を移れば必ず軽くなるという意味ではありません。「今は分けられない場面」は、最近の出来事を一つ選び、相手、出来事、相談後の変化を足してから置き直します。
たとえば社長に「スピードを落とすな」と言われただけなら、原因が分からないため「今は分けられない場面」です。相談が締結直前に来たことや、法務と事業部の意見が割れた後の決め方が原因なら「会社ごとに比べる値」、リスクを伝える仕事そのものがつらいなら「法務に残る役回り」へ置き直します。
法律相談、契約審査、法改正対応、株主総会前の繁忙は残りうる
会社を選び直しても、法務の仕事として残りうる部分があります。厚生労働省 job tag の「企業法務担当 - 職業詳細」は、企業が直面する法律問題への対応として、契約書の作成・審査・締結交渉、各部門からの法律相談、訴訟・係争への対応、顧問弁護士など外部の専門家との相談を挙げています(2026年9月29日確認)。
同じ職業説明は、立法・判例の動向を調べて社内へ伝えることも日常的な仕事としています。法律相談を受けること、契約を審査すること、法改正を追うこと自体が一番つらいなら、会社を移ってもゼロになるとは見込みません。
job tag は、残業は株主総会前や個別事案があるなどの事情がなければ多くないと説明しています。これは、事情がある月の実残業や応援する人数、平常月から増える幅を示したものではありません。この記事では、株主総会前や個別事案がある時期を残りうる繁忙に置き、時間数と体制は会社ごとに比べる側へ置きます。
法務の人数と、案件へ関わり始める時点は面接まで確かめる
求人票から法務の人数や相談先が読める場合はありますが、書かれていない会社のほうが多くあります。人数が読めても、誰が最終判断するかまでは別です。
以下は、2026年9月29日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人から、職種に法務・コンプライアンスを含み、題名から企業法務と読める求人を勤務地不問・会社単位で全件集計した結果です。題名から事業企画・コンサル・営業・エンジニアと読める求人、法律事務所・特許事務所・士業法人の求人、題名にコンプライアンス・ガバナンスの語しかない求人などは除外しました。最後の類型は大半が金融機関の求人です。「書く」は対象求人のどれか1件に記載がある会社、「記載なし」はどの求人にも記載がない会社を指します。割合は5%単位に丸め、5%未満は「5%未満」とします。
| 求人票にある記載 | 書く会社 | 読めること | まだ読めないこと |
|---|---|---|---|
| 法務の人数・構成 | 約35% | 部署やチームの人数の手がかり | 配属先の専任人数、最終判断者 |
| 少人数と読める記載 | 約15% | 専任0〜2人、一人目、兼任、立ち上げなど | 一人法務の会社の割合 |
| 法務の人数・構成の記載なし | 約65% | 求人票では体制を確認できない | 実際の人数、直近の増減 |
| 社内に弁護士がいるという記載 | 約5% | 社内に資格者がいる手がかり | 相談できる分野、担当、頻度 |
| 外部弁護士とのやり取り | 約30% | 外部弁護士と関わる仕事がある手がかり | 相談できる範囲、予算、頻度 |
少人数と読める記載を「一人法務の求人の割合」とは読みません。人数・構成自体を書かない会社があるためです。社内に弁護士がいるという記載も、本人が日常的に相談できることまでは示しません。
外部弁護士については、顧問弁護士に相談できる体制の説明と、「代理弁護士との折衝」「外部弁護士との連絡」という担当業務を分けます。後者だけでは、法務担当が判断に迷ったときの相談相手なのか、訴訟などの連絡窓口なのかが分かりません。
事業との関わり方を書く会社は、同じ2026年9月29日時点・同じ対象・同じ会社単位の全件集計で約15%でした。同じ集計対象の会社全体を分母にすると、「企画段階から」「検討段階から」「初期段階から」など、関与の時点を書く会社は約5%です。約15%の残りには「事業部門と密に連携」「伴走」など、関係を示しても時点を示さない記載があります。
「新規事業の立ち上げ支援」、アイデアを練る段階から議論への参加を求める説明、「伴走」という言葉だけで、契約書が来る前から相談が来るとは決めません。求人票では手がかりまで読み、面接では、直近の案件で法務が呼ばれた時点、法務の意見が通らなかったときに決めた人、法務の上長と最終判断者を聞きます。
担当分野の名前を、仕事の比重と読まない
仕事内容に多くの法務分野が並んでいても、入社後に同じ割合で担当するとは限りません。契約、機関法務、知財、訴訟、M&A、英文契約は、まず仕事名として読みます。
次の割合は、2026年9月29日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人を、前節と同じ対象・除外範囲・会社単位で全件集計し、5%単位に丸めたものです。「書く会社」は対象求人のどれか1件に語がある会社です。この数字は語の有無であり、担当時間や件数の比重ではありません。
| 仕事内容にある語 | 書く会社 | 求人票から読めること | 面接で聞くこと |
|---|---|---|---|
| 契約 | 約95% | 契約に関わる仕事がある | 契約審査の割合・件数・種類 |
| コンプライアンス・内部通報 | 約60% | 業務名としての記載 | 実際に担当する範囲 |
| 株主総会・取締役会・機関法務・登記 | 約55% | 業務名としての記載 | 年間の分担と繁忙月 |
| 知財・商標・特許 | 約45% | 業務名としての記載 | 自分が担当する割合 |
| 訴訟・紛争・係争 | 約45% | 業務名としての記載 | 社内と外部弁護士の分担 |
| M&A・組織再編 | 約30% | 業務名としての記載 | 入社後に担当する案件 |
| 英文・海外 | 約30% | 業務名としての記載 | 国内・英文契約の割合 |
表のM&Aと英文・海外は、会社紹介にあるM&Aによる事業拡大や「海外展開」といった語を除き、法務の業務と読める記載を数えた割合です。それでも、担当の比重は分かりません。
契約審査の件数を数字で書く会社は、同じ集計で約5%でした。書き方にはチーム全体の月件数と、一人あたりの年件数が混じるため、そのまま横に並べられません。面接では、今の職場と同じ期間・一人あたりの件数、ひな形の割合、同じ期間の分野別の割合を聞きます。
担当が広すぎる場合は、契約審査だけでなく、株主総会、規程改定、個人情報対応など今持っている分野を並べます。面接では、それぞれを誰が持つか、直近3か月の時間の割合、担当を分け直した直近の例を聞きます。
題名から総務・人事・経理・経営企画などとの兼務が読める会社も、同じ集計で約5%でした。これは題名の記載だけを数えた割合で、本文にある兼務を網羅していません。法務以外の仕事がないとは読まず、入社後に使う時間の割合を聞きます。
仕事内容に国内契約、別の欄に英文契約と書かれている場合は、どちらが入社後の主担当か判断できません。「国内契約が中心で、英文も一部ある」のか、「配属でどちらかに分かれる」のかを「確認できず」として残します。
評価、学ぶ時間、資格の扱いは求人票だけで決めない
「評価されにくい」「学ぶ費用が自分持ちになる」「資格がないと不利か」は、求人票で読める範囲と面接で聞く内容がそれぞれ違います。制度名や資格の語から、入社後の評価まで決めないようにします。
評価制度・人事評価の語を書く会社は、2026年9月29日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人を前節と同じ対象・会社単位で全件集計すると約5%でした。この語に当たる会社のうち求人内容を確認できた範囲では、いずれも全社共通の制度の説明でした。残る会社と、この語を使わない会社は確認していないため、「法務の評価基準を書く会社はない」とは言えません。昇給の語を書く会社は同じ集計で約30%ですが、法務の評価項目や昨年の昇給実績までは示しません。
書籍購入、セミナー、勉強会の費用補助を書く会社は、同じ2026年9月29日時点・同じ対象・会社単位の全件集計で約20%でした。書いていない会社に補助がないとは限りません。また、費用補助があっても、法改正を調べる時間を業務内に取れるかは別です。
弁護士資格・司法試験・法曹資格の語が応募条件のどこかにある会社は、同じ2026年9月29日時点・同じ対象・会社単位の全件集計で約45%でした。この数字には、必須だけでなく歓迎条件や、弁護士資格以外の条件と並べ、どれかを満たせばよいとする条件も含みます。**資格そのものを必須とし、代わりを認めない求人を出す会社は約10%**です。
厚生労働省 job tag の「企業法務担当 - 職業詳細」は、企業法務への就業に学歴や資格は特に必要とされないと説明する一方、現在はそれほど多くはない弁護士資格保有者や法科大学院修了者の中途採用が、特に大規模企業を中心に増える傾向としています(2026年9月29日確認)。これは職業一般の説明で、個別求人の必須条件を打ち消すものではありません。
資格の語がない求人を「資格不問」とは読みません。「法学部卒」を求める記載は、弁護士資格とは別の学歴要件です。弁護士会費の会社負担を書く会社と、「弁護士資格の有無は問わない」と明記する会社は、同じ集計でそれぞれ5%未満でした。資格の有無で担当、等級、給与がどう変わるかは求人票からほとんど読めないため、面接で分けて聞きます。
残業は、固定残業時間でなく法務部門の実績を比べる
株主総会前や個別案件で忙しくなる場面が残っても、残業時間まで同じとは限りません。今の職場と比べるのは、会社全体の平均や固定残業時間ではなく、配属予定の法務部門の実績です。
求人票の残業時間は、全社平均、他部署、配属予定先の数字が混じり、そのまま今の職場の値とは比べられません。月の残業時間の数字を書く会社は、2026年9月29日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人を前節と同じ対象・会社単位で全件集計すると約15%でした。数字があっても対象を確かめ、配属予定の法務部門でなければ面接で聞きます。この結果から「法務は残業が少ない」「法務は残業が多い」とは言えません。
求人票の固定残業時間は、給与に含む時間外手当を計算するための時間です。実際にその時間だけ残業したという記録ではありません。「固定残業30時間」と今の実残業30時間を並べず、実残業の対象が全社、部門、配属予定先のどれかを見ます。
面接では、配属予定の法務部門について、直近の平常月と株主総会前の月の実残業を聞きます。訴訟や大型案件があった月なら、そのときの人数、応援、担当の変え方も同じ月単位で聞きます。
企業法務の求人を1件開き、読めることと空欄を分ける
最初に書いた場面のうち、「会社ごとに比べる値」に置いたものだけを持って、企業法務の求人を1件開きます。欄の名前ではなく内容で探し、次の4種類に分けて記載、空欄、食い違いを残します。法務の体制が「PRポイント」「部署の人数」「1日の流れ」に書かれている場合も見落とさないようにします。
1. 仕事内容
契約審査、法律相談、機関法務、知財、訴訟、M&A、英文・海外など、自分が変えたい担当分野を拾います。件数や割合がなければ、仕事名だけが分かった状態です。
外部弁護士は、相談できる体制か、訴訟代理人などとの連絡業務かを分けます。「新規事業の立ち上げ支援」「伴走」「事業部門と密に連携」は、契約書が届く前から相談される時点の説明とは限りません。「企画段階から」「検討段階から」「初期段階から」のように時点が明記されているかを見ます。
2. 組織と募集背景
法務の人数、専任か兼任か、一人目・立ち上げかを読みます。人数が書かれていなければ空欄です。部署名や管理部門全体の人数を、法務の専任人数として扱いません。
法務の上長、最終判断者、直近の退職者、外部弁護士へ相談できる予算は、書かれている前提にしません。見当たらなければ面接へ回します。
3. 応募条件と待遇・制度
弁護士資格が必須、法務経験との選択肢、歓迎のどれかを分けます。資格の語がなければ資格不問とはせず、法学部卒などの学歴要件も別に読みます。
評価制度、昇給、書籍・セミナー費、弁護士会費は、制度があるという手がかりです。法務の評価項目、利用実績、業務内に学ぶ時間までは別に聞きます。
4. 勤務時間と給与
残業時間の対象が全社、部門、配属予定先のどれかを確認します。固定残業時間は実残業から外します。株主総会前などの繁忙と残業を結びつけた説明がなければ、平常月と繁忙月を面接で聞きます。
欄が空、仕事内容と別の欄が食い違う、会社全体の平均しかない、将来の予定しかない場合は「確認できず」とします。書いていないことを「ない」とせず、食い違いを推測で埋めません。「(2024年8月21日時点)」のように記載時点が古ければ、その日付を残し、現在の人数や分担は面接で聞きます。
読めない値を、今の職場と同じ単位の面接質問にする
求人票を読んだ後は、最初の表に書いた値と同じ対象・期間・単位で質問します。「体制は整っていますか」「幅広く経験できますか」では、答える人の基準と比べることになります。
質問を作る前に、いちばん変えたい値について「今より少なくしたい」「この数以下にしたい」「相談回数を増やしたい」と希望する向きや上限を決めます。
| 場面 | 今の職場の値 | 求人票で見ること | 面接で聞く質問 |
|---|---|---|---|
| 判断を一人で背負う | 直近1か月の法務内の相談は0件。顧問弁護士への相談は月2回まで。最終判断は管理部長 | 法務の人数、社内外の弁護士 | 法務の専任は何人ですか。直近1か月に外部弁護士へ相談できる上限と、実際に相談した回数は何回でしたか。直近の難しい案件では誰が最終判断しましたか |
| 締結直前の相談と板挟み | 直近1か月で締結3日前以降が12件。意見が通らなかった案件が3件 | 企画・検討段階からの関与、事業部との連携 | 直近1か月で、締結3日前以降に法務へ来た契約は何件でしたか。法務の意見が通らなかった案件は何件で、誰がどう決めましたか |
| 契約審査への偏り | 直近3か月は契約審査8割(国内7割、英文1割)。本人は月45件、機関法務なし | 担当分野、件数、兼務 | 直近3か月の国内契約、英文契約、機関法務などの割合はどのくらいでしたか。一人あたりの月の契約審査件数は何件でしたか |
| 評価されにくい | 評価4項目のうち法務を直接見る項目は0 | 評価制度、昇給 | 法務の評価項目は何で、誰が評価しますか。昨年の評価でリスク予防や法律相談をどう扱い、昇給へどう反映しましたか |
| 勉強が業務外になる | 業務外に月6時間、書籍費は自己負担 | 書籍・研修費、勤務時間 | 直近1か月に業務外で法改正の確認へ使った時間は一人何時間でしたか。書籍や研修の費用はいくらまで使いましたか |
| 資格がない不安 | 弁護士資格なし | 必須・歓迎・経験との選択肢、学歴要件 | 資格の有無で担当する案件、等級、給与は変わりますか。資格がない人が直近で担当した案件を教えてください |
| 株主総会前の残業 | 平常月20時間、株主総会前42時間 | 実残業の対象、固定残業との違い | 配属予定の法務部門では、直近の平常月と株主総会前の月の実残業は何時間でしたか。その月は何人で、誰が応援しましたか |
担当が広すぎる人は、今持っている分野と直近3か月の割合を伝え、「契約審査、株主総会、規程改定、個人情報対応は誰が担当し、配属予定者の直近3か月の仕事でそれぞれ何割でしたか。担当を分け直した直近の例はありますか」と聞きます。未経験で教わる相手がいない人は、「未経験で入った人には誰が教え、直近1か月は週何回確認しましたか」と聞きます。
答えが会社全体の数字なら、配属予定の法務部門へ絞って聞き直します。答えが得られなくても「その会社にはない」とはせず、「確認できず」と残します。面接後は、優先する値が希望する向きへ変わり、避けたい値が上限を超えないかを今の職場と同じ単位で比べて、選考を続けるか決めます。
この見分け方で分からないこと
当サイトの集計は、日本の企業法務求人全体を示すものではありません。掲載中の求人では、上場企業・上場準備の会社・大手グループの正社員求人が目立ちますが、上場の有無は数えていません。中小企業の総務兼務の法務が少ないとも言えません。題名にコンプライアンス・ガバナンスの語しかない求人は対象外で、その大半は金融機関の求人です。
会社単位の集計は、同じ会社が対象求人を複数出すほど、どれか1件が「書く会社」に入りやすい数え方です。
求人票と面接で分かるのは、書かれた内容と説明時点の体制・実績までです。入社後も同じ人数、担当範囲、評価、資格の扱い、残業が続くとは限りません。会社を変えれば全部解けるとも、法務を辞めるしかないとも判定できません。
よくある質問
法務部の仕事はきついですか?
職種名だけでは決まりません。法律相談、契約審査、法改正対応、株主総会前や個別案件の繁忙は残りうる一方、法務の人数、相談相手、担当範囲、評価、学ぶ費用、繁忙月の実残業は応募先で確かめます。
一人法務は会社を変えれば楽になりますか?
一律には言えません。求人票に少人数と読める記載があっても、判断を誰と分けられるかまでは分かりません。法務の専任人数、最終判断者、社内外の相談相手を面接で聞きます。
弁護士資格がないと企業法務へ応募できませんか?
資格がないだけで一律に応募できないとは言えません。個別求人で、資格そのものが必須なのか、歓迎条件なのか、事業会社での法務経験との選択肢なのかを分けて読みます。
企業法務は激務ですか?
「激務」と一律には言えません。求人票の残業時間には全社平均や他部署の値が混じる場合があります。固定残業時間ではなく、配属予定の法務部門について、平常月と株主総会前・個別案件があった月の実残業を聞きます。
求人票で確かめる場面を一つ選ぶ
最初に書いた3〜5個の場面のうち、「会社ごとに比べる値」に置いたものから、いちばん変えたい場面を一つ選んでください。その場面について求人を1件読み、空欄を今の職場と同じ単位の質問にします。