市場価値と年収
AIスキルが応募要件にある求人の年収は高い? ほかの要件まで満たすか確かめる
同じ職種で比べると、応募要件にAIの語がある求人の提示年収は同じか高い結果でした。英語などを求める求人も同水準で、本人の年収上昇を示す比較ではありません。ほかの要件まで満たすかを確かめます。
公開 2026年9月26日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・同じ職種で比べた範囲では、AIの語がある求人の提示年収は、ない求人と同じか高かった
- ・英語・SaaS・マネジメントを求める求人も同じ水準で、AIだけによる差とは言えない
- ・重なりを分けても差は残るが、AIを身につけた人の年収が上がるかは分からない
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応募要件に「生成 AI の活用経験」とある求人を見つけ、ほかより年収も高い。AI を使える人向けだから高いのか、自分にもその金額が当てはまるのかが気になります。
当サイト PREVIO の掲載求人を同じ職種で比べると、AI の語がある求人の提示年収は、ない求人と同じか高い結果でした。ただ、英語・SaaS・マネジメントを求める求人も同じくらい高く、その重なりを分けても差は残ります。
その求人の金額を自分に当てはめるには、AI の語だけでなく、英語・管理経験・業界など、ほかの応募要件も自分の経歴と照らします。
AIの語がある求人の提示年収は、同じか高かった
職種をそろえても、比べたすべての職種で、AI の語がある求人の年収下限と上限の中央値は、ない求人と同じか高い結果でした。ただし、英語・SaaS・マネジメントを求める求人も同じくらい高く、AI の語はそうした求人と重なっています。求人どうしを比べた数字なので、同じ人が AI を身につける前後の年収差でもありません。
管理部門・人事・事務・営業・カスタマーサポート・マーケティングから、年収下限の中央値の差を抜き出すと、次のようになります。金額は、AI の語がある求人の中央値から、ない求人の中央値を引いたものです。
| 職種 | 年収下限の中央値の差 |
|---|---|
| 法人営業 | +50 万円 |
| その他営業関連職 | +100 万円 |
| カスタマーサクセス | +100 万円 |
| 採用 | +100 万円 |
| その他管理関連職 | +100 万円 |
| その他マーケティング・企画・広報関連職 | +100 万円 |
| 商品企画・商品開発 | 0 万円 |
年収上限の中央値の差は 0〜300 万円で、100〜200 万円の職種が多くなりました。エンジニアやコンサルタントの職種でも、AI の語がある側が同じか高い向きでした。
この集計は、2026 年 9 月 26 日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人を全件対象にしています。応募要件の欄が空でなく、年収の下限と上限がともに 100〜5,000 万円の範囲にある求人だけを使い、先頭に登録された職種で 1 求人を 1 職種に数えました。AI の語は、応募要件の欄にある「AI」「AI」「ChatGPT」「Copilot」「Claude」「Gemini」で判定し、一定数以上を比べられる職種に絞っています。勤務地は絞っていません。中央値は 50 万円単位に丸め、掲載件数と分母は公開していません。
検索すると、JAC Recruitment がハイクラスの転職・採用を前提に実施した「企業の採用担当者がハイクラスに求めるAIスキルと市場価値」という調査も見つかります。AI スキルがオファー年収に「非常に影響する」と答えた人は 34.9%、「ある程度影響する」は 54.6%で、合わせて 89.5% でした(「AIスキルは"必須要件"へ──約9割が年収に影響と回答」、2026 年 9 月 26 日確認)。これは 2026 年 4 月 22〜23 日に、中途採用に関わる企業の採用担当者・人事責任者 1,017 人を対象にしたインターネット調査です。採用担当者の意見を集めた数字で、求人票の提示額でも、AI を身につけて年収が上がった人の割合でもありません(「AIスキルは“必須要件”へ── 年収にも影響する評価軸の変化」、2026 年 9 月 26 日確認)。
英語・SaaS・マネジメントとの重なりをどう読むか
AI の語だけを取り出すと、何が年収の差につながっているのかは分かりません。そこで、事務・管理部門・営業・マーケティング系の求人をまとめ、応募要件にあるほかの語と並べました。
| 応募要件にある語 | 年収下限の中央値 |
|---|---|
| AI の語 | 600 万円 |
| AI の語なし | 500 万円 |
| 英語 | 600 万円 |
| SaaS | 600 万円 |
| マネジメント | 600 万円 |
AI の語がある求人は、年収下限の中央値が 600 万円、上限が 950 万円でした。AI の語がない求人は下限 500 万円、上限 800 万円です。ただし、英語・SaaS・マネジメントの語がある求人は、いずれも下限 600 万円、上限 900 万円で、AI の語がある求人とほぼ同じ水準でした。これは 2026 年 9 月 26 日時点の当サイト PREVIO の掲載中求人を全件集計した結果です。対象は、当サイトの職種分類で管理部門・人事・事務・営業・カスタマーサポート・マーケティングのいずれかを含み、エンジニア・PM・コンサルタントを含まない求人です。そのうち、応募要件の欄が空でなく、年収の下限と上限がともに 100〜5,000 万円の求人だけを数えました。語ごとのグループは重なっており、1 件の求人が英語と SaaS の両方に入ることがあります。金額は 50 万円単位に丸め、掲載件数と分母は公開していません。
さらに、英語・SaaS・マネジメントのどれかがある求人と、どれもない求人に分けてから、AI の語の有無を比べました。
| 英語・SaaS・マネジメント | AI の語 | 年収下限の中央値 |
|---|---|---|
| どれかあり | あり | 600 万円 |
| どれかあり | なし | 600 万円 |
| どれもなし | あり | 550 万円 |
| どれもなし | なし | 450 万円 |
どれかがある求人では、AI の語の有無で下限は同じでした。どれもない求人では、AI の語がある側が 100 万円高く、ほかの三つの語との重なりを分けても差は残りました。上限も、どちらの分け方でも AI の語がある側が同じか高い結果です。
それでも、残った差を AI の効果とは呼べません。AI に関わるサービスを扱う会社や職、応募要件を詳しく書く会社など、今回分けていない違いが残るからです。目の前の求人では、「AI」と書いてあることだけでなく、英語、管理経験、扱うサービス、顧客、任される役割まで一緒に読みます。
自分が見ている求人で、提示年収を当てはめてよいか確かめる
応募要件に AI の語があったら、次の三つに分けて職務経歴書と照らします。
- AI について何を求めているか。 生成 AI を日常業務で使った経験なのか、導入を進めた経験なのか、AI に関わるサービスを顧客へ提案した経験なのかを読みます。
- 一緒に書かれた要件は何か。 英語、SaaS、マネジメントのほか、特定の業界や顧客を担当した経験を拾います。
- 自分の経歴のどこに書いてあるか。 要件ごとに、職務経歴書の会社・役割・実績を一つ対応させます。対応する記載がなければ、満たしたことにはしません。
仮に、法人営業とチームの管理経験は職務経歴書にある一方、AI に関わるサービスの提案と英語での商談は書かれていないとします。この場合、AI の語があるというだけで、その求人の提示年収を自分の金額としては読みません。法人営業と管理経験が重なる求人の金額としては参考にしつつ、足りない二つが選考で問われる前提で見ます。
反対に、AI について求められている仕事と、ほかの応募要件の両方に職務経歴書の記載を対応させられるなら、その求人は自分に近い求人として読めます。それでも上限まで提示されるという意味ではないため、年収の幅のどこに決まるかは、給与欄と選考後の書面で確かめます。幅の読み方は求人票の年収上限をもらえる人は分からないで扱っています。
この比較で分からないこと
この記事の数字から分かるのは、当サイトの掲載求人で、応募要件に AI の語がある側とない側の提示年収にどちら向きの差があったかまでです。
集計の単位は人ではなく求人です。同じ人が AI を身につける前後を追っていないため、AI を学べば本人の年収が上がるとは言えません。求人票の年収は募集時に書かれた幅で、内定時の提示額でもありません。
職種別の差が偶然の範囲かどうかは検定していません。AI の語がある求人が少ない職種ほど、少数の求人で中央値が動きやすくなります。1 件に複数の職種が登録されていても先頭の職種だけを数えたため、二つ目以降の職種には反映していません。
「AI」という語が、仕事で AI を使う話なのか、AI に関わるサービスや分野の話なのかも分けていません。英語・SaaS・マネジメントとの重なりを分けた後にも、会社、職、求人の詳しさなど別の違いが残ります。当サイトの掲載求人を数えた結果で、日本の求人全体の構成でもありません。
したがって、この差は応募先を読む手がかりにはなりますが、AI スキルによる年収上昇の予測には使えません。
職務経歴書を送って確かめる
ここまでの手順で確かめたのは、目の前にある 1 件の求人と自分の経歴の重なりです。当サイト PREVIO の「あなたの経歴、最高でいくら?」では、職務経歴書を掲載中の求人と照らした結果を見られます。
職務経歴書のファイルを送ると、職種と勤務地が職務経歴書から読み取られます。返ってくるのは、いまの経歴で候補になりやすい年収帯、年収・年間休日・福利厚生・役職を件数つきで並べたもの、この先の行き先です。会員登録は要らず、企業に公開されることもありません。登録しなければ、送った経歴は一定期間後に自動で削除されます。
数字は掲載中の求人から数えていますが、この記事の表と同じ集計ではありません。年収は求人票に書かれた上限と下限を数えたもので、内定の見込みではありません。予想した金額ではなく、いま出ている求人を数えた結果として読みます。
よくある質問
AI スキルがあると、転職で年収は上がりますか?
この記事の集計では判断できません。目の前の求人では、AI について求められる仕事に加えて、英語・SaaS・マネジメントなど、ほかの応募要件も自分の経歴と照らしてください。
提示年収の差は、AI のおかげですか?
AI の語と重なりやすい英語・SaaS・マネジメントの有無で分けても、差は残りました。ただし、AI に関わるサービスを扱う会社や職など、ほかの違いを分けていないため、AI が差を生んだとは言えません。