職種の求人市場
社内SEから転職 発注側経験の明記はITコンサルに多く、PMでは開発経験も確かめる
社内SEからITコンサル、PM・PMO、プリセールス・CSへ転職するとき、応募資格で発注側の経験、顧客折衝、開発経験がどう書かれるかを比べます。割合で行き先を決めず、求人ごとに規模・回数・立場を確かめ、狙う移り先と職務経歴書の書き方を決めます。
公開 2026年9月29日 · 集計 2026年9月29日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること
- ・発注側の経験を必須の応募資格で明記する会社は、ITコンサルでは約15〜20%、PM・PMOでは約5%、プリセールス・CSでは5%未満
- ・顧客折衝の記載は3職種とも約25〜35%。開発経験はITコンサル約40%、PM・PMO約半数、プリセールス・CS約10%だが、PL/PM経験や選択肢の一項目も含む
- ・割合で行き先を決めず、実際の求人で経験の規模・回数・発注側か受注側かを確かめ、ベンダー管理の書き方と質問を決める
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知恵袋などの個人の投稿では、経験が広く浅いという悩みや、社内SEになると自社業務に特化したシステムの経験を他社へアピールしづらいのではないかという懸念が出ます。発注側の経験を明記する会社はITコンサルに多く、開発経験を書く会社はPM・PMOで約半数でした。転職する人は、この割合の大小ではなく、各職種の実際の求人で、自分の経験が必須要件に当たるかを規模・回数・立場まで比べて移り先を決めます。
例に使うのは、製造業の情報システム部門で6年働く人です。ERP刷新1件で、利用部門の要件取りまとめと、ベンダーPMへの要件伝達、進捗確認、受入確認を担当しました。普段は問い合わせ対応とPC管理が中心で、コードを書いた経験や社外顧客との折衝経験はありません。
社内SEから転職するとき、割合は求人で探す記載に使う
最初に見るのは、応募者が経験を積んだ勤務先や立場を、企業が「事業会社のIT部門」「情シス」「ユーザー側」「発注側」などと応募資格に明記しているかです。
| 移り先 | 発注側経験を必須欄で明記する会社 |
|---|---|
| ITコンサル | 約15〜20% |
| PM・PMO | 約5% |
| プリセールス・CS | 5%未満 |
開発・実装・プログラミングの経験を必須欄に書く会社の割合も、職種ごとに違います。
| 移り先 | 開発経験を必須欄に書く会社 |
|---|---|
| ITコンサル | 約40% |
| PM・PMO | 約半数 |
| プリセールス・CS | 約10% |
顧客・クライアント相手の折衝や提案を必須欄に書く会社は、3職種とも約25〜35%でした。PM・PMOだけに特有の要件ではありません。開発経験の3つの値には、業務系システム開発のPL/PM経験や、選択肢のどれか一つを満たせばよい「いずれか」の一項目として開発経験を置く求人も数えています。このため、実作業を求める会社の割合より高く出る可能性があります。ITコンサルとプリセールス・CSは抜き取りで原文を確認していません。
表と本文の求人DBの割合は、2026年9月29日時点で当サイトPREVIOに掲載中の3職種を、勤務地を絞らず掲載上の会社名単位で全件集計したものです。該当する求人を1件以上出す会社を数え、社内SEそのもの、インフラ・SRE、SIerのSEは題名の語で除きました。ただし、PM・PMOには事業会社のIT部門のPM求人も含まれます。約15〜20%などの幅は、原文確認の結果を反映しています。3職種の求人を出す会社は重なるため、割合は足しません。
厚生労働省のjob tagは、ITコンサルへ至る実務経験としてユーザー企業、コンサルティング企業、IT企業などを並べています(「ITコンサルタント - 職業詳細」、2026年9月29日確認)。入口が一つではないという説明で、上の割合の根拠ではありません。
この割合は、求人で最初に探す記載を決めるために使います。発注側の経験を明記していなくても、「いずれか」に立場を限らないプロジェクト推進経験があれば、候補は残ります。
ITコンサルは、発注側経験の明記とほかの必須要件を両方読む
ITコンサルでは、「ユーザー側SAP導入のご経験(情報システム部門等)」や「受託開発側(もしくは発注側)でプロジェクトを管理、推進した経験」のように、経験した側を明記する行があります。
集計式で発注側の経験を拾えたITコンサルの会社のうち、約80%では同じ記載の周辺に導入、プロジェクト、要件定義、企画、推進、リードなどの語がありました。運用、保守、ヘルプデスク、サポートなどがある会社は約10%で、その多くは導入やプロジェクトの語も並びました。この2つの割合は、集計式で拾えた会社だけを分母にして5%単位に丸めています。例の人はERP刷新の要件取りまとめを先に置き、問い合わせ対応とPC管理は後ろに分けます。運用を消すのではなく、応募資格に近い導入の事実を先に読めるようにするためです。
発注側経験の明記があっても、導入経験だけを見ればよいわけではありません。顧客折衝や2つ目の表にある開発経験に加え、要件定義を必須欄に書くITコンサルの会社は約35%でした。この値は集計式による抽出で、抜き取りの原文確認をしていません。発注側で要件をまとめた経験と、受注側で設計・実装した経験は別に照らします。SIerやコンサルティングファームでの経験を書く行があっても、「いずれか」の別項目まで読んでください。
職務経歴書では「社内SE6年」とまとめず、ERP刷新で誰の側に立ち、何を決め、何を進めたかを出します。求人に「大規模」「複数プロジェクト」とあれば、ERP刷新1件で満たすとは決めず、想定する予算・利用者・案件数を確認します。
発注側経験が歓迎欄にある場合もあります。必須要件を満たす根拠にはしませんが、実際に経験した事実なら職務経歴書の先頭側へ置く材料にできます。「ベンダーコントロールのみの経験は不可」という記載は、IT・SIer出身者向けの行の断りで、同じ求人に事業会社出身者向けの別の行がありました。この一文だけで社内SEが対象外とは読みません。
PM・PMOは、開発経験とプロジェクトの向きを確かめる
PM・PMOでは、開発経験の行と、誰のプロジェクトを管理した経験なのかを分けて見ます。「業務系システム開発のPL/PM経験」なら開発案件の管理を、「設計・実装経験」なら実作業を問う行です。後者を、発注側で進捗を管理した経験へ置き換えません。
ベンダー側から見れば、事業会社の情シスは顧客です。例の人が「顧客PMとの折衝」とだけ書くと、受注側で顧客を担当したように立場が逆転します。「発注側の社内SEとして、受注側のベンダーPMと調整」と書き、求めるPM経験に含まれるかを確認対象にします。
「クライアントのプロジェクトに限る。自社内プロジェクトの経験のみは不可」と向きを明記する求人もあります。同じPMでも勤務先は一つではなく、厚生労働省のjob tagはSIer、ソフトウェア開発企業、一般企業の情報システム部門などを挙げています(「プロジェクトマネージャ(IT) - 職業詳細」、2026年9月29日確認)。目の前の仕事内容と応募資格で向きを確かめます。
プリセールス・CSは、営業と数値目標の行も先に読む
プリセールス・CSでは、発注側経験の明記が5%未満でも候補から外しません。ただし、顧客折衝や開発経験の語と、「いずれか」と書いてあるかだけを見るのも不十分です。
実際の必須欄には、「IT業界での、下記いずれかのご経験(年数は不問)」「B to B システム・ITサービスのセールスの経験(3年以上)」「定量目標を業務上追った経験を持ち、通算で100%以上の達成率の方」のように、IT業界での就業、営業経験、数値目標の達成を求める行があります。これらの割合は数えていません。社内SEの導入経験では埋まらない独立した必須行なら見送り、「いずれか」の一項目なら、自分が当たる別の項目を探します。3年以上とあれば、該当する営業経験が3年未満の人は満たしません。社内SEの在籍年数を足さないでください。
社内の利用部門から要望を聞き、説明した経験も、社外顧客への折衝・提案へ置き換えません。社内の利用部門を顧客に含むかは確認対象にします。一方、CS求人の「いずれか」にある「ITシステム導入・業務改善に関するプロジェクトに携わった経験」なら、例の人の経験を照らせます。
発注側の経験を明記しない求人は、規模・回数・立場まで読む
発注側経験も顧客折衝も必須欄にない会社は、3職種を合わせると約6割でした。この中には、受注側の勤務先だけを書く求人、必須欄がほぼ空の求人、表記の違いで発注側経験の記載を拾えなかった求人が混ざるため、「社内SE経験を数えない会社」「立場を書かない会社」とは呼べません。
一般的なプロジェクト経験の行は、三つに分けます。
| 見る点 | 求人で探す記載 | 経歴で出す事実 |
|---|---|---|
| 規模 | 予算、利用者、チーム、拠点 | 分かる数字だけ |
| 回数 | 1件、複数、継続、直近何年 | 案件数と期間 |
| 立場 | 発注側、受注側、社内、社外顧客 | 誰の側で誰と動いたか |
予算を知らなければ推測せず、6年在籍したことを6年の導入経験とは数えません。「コンサル/SIer/ベンダーの立場での業務システム導入経験」と、事業会社での経験を求める別の箇条が並び、すべて必要か、どれか一つでよいかを示す接続語がなければ企業に確認します。
応募資格のどこかにベンダーコントロール、ベンダーマネジメント、ベンダー管理、ベンダー折衝、ベンダー調整などを書く会社は、ITコンサルとPM・PMOでは約5〜10%、プリセールス・CSでは5%未満でした。最初に示した求人DBと同じ日付・対象・会社単位ですが、この数字だけは必須欄に限らず歓迎欄も含みます。語がある割合で、選考で評価される割合ではありません。
応募資格の全行をさらに細かく照らす手順は、運用保守から転職する求人の読み方で確認できます。
実際の求人から、狙う移り先と経歴書の1行を決める
ITコンサル、PM・PMO、プリセールス・CSから、実際の求人を1件ずつ選びます。一つの求人にシニア・ジュニア、部長候補、マネージャー・コンサルタントなど役職別の必須要件があれば、応募する役職の行だけを選びます。経験年数や管理職経験がどの区分に当たるか書かれていなければ、確認に残します。そのうえで求人を1件ずつ表へ写します。
| 求人 | 判定 | 残る確認 | 先頭に置く事実 |
|---|---|---|---|
| 求人A(ITコンサル) | 満たす | 規模と案件数 | ERP刷新の要件取りまとめ |
| 求人B(PM・PMO) | 確認 | 開発経験の意味、発注側PMを含むか | ベンダーPMとの調整 |
| 求人C(プリセールス・CS) | 満たさない | 別の「いずれか」があるか | 該当なし |
必須要件は「満たす・満たさない・確認」に分けます。3年以上に2年しかない、BtoB営業が必須なのに経験がない、設計・実装が必須なのに発注側の管理しかしていない場合は「満たさない」です。意味や範囲が曖昧なら「確認」に残します。
「いずれか」に「経営管理業務に強い興味関心をお持ちの方」のような意欲の項目があり、実際に該当するなら、そのまとまりは満たすと読めます。ただし、別に並ぶ独立した必須行の代わりにはなりません。「必須要件は特にありません」という求人は、必須に当たる事実を探さず、仕事内容が希望に合うかで候補にします。
歓迎欄に「事業会社側でITソリューション導入やDXプロジェクトを企画・推進した経験」「PMの経験(社内・社外問わず)」とあれば、候補にする必須要件ではなく、職務経歴書で先に出す事実の選択に使います。必須と歓迎の見出しがなく、中黒や箇条書きだけが並ぶ場合は、すべて必要か「いずれか」かを確認します。
必須要件に「満たさない」がない求人を残し、仕事内容が希望に近い移り先へ絞ります。同程度なら「確認」が少ない求人を選びます。例の求人Aを選ぶなら、職務経歴書には「製造業の情報システム部門で、ERP刷新1件の発注側担当として利用部門の要件を取りまとめ、ベンダーPMへ伝達。進捗・課題と受入結果を確認」と書きます。残る質問は一つに絞り、「この要件で想定する予算・利用者・案件数を教えてください」と聞きます。予算や人数、選定や最終決定は、事実がなければ足しません。
この読み方で分からないこと
この記事の割合から分かるのは、当サイトの掲載求人にある応募資格の書き方までです。書類通過率や採用率、ベンダーコントロールが選考でどれだけ評価されるか、日本の求人全体の構成は分かりません。
必須と歓迎は、「歓迎」「尚可」「あると」などの語が最初に出る位置より前を必須、後を歓迎として機械的に分け、該当語がなければ全文を必須として扱いました。発注側経験の周辺語は前後60字を確認しています。抜き取りの原文確認は無作為ではなく、表記の拾い漏れもあり得ます。会社名の拠点・旧社名表記で同じ会社が別に数えられる場合もあります。
SIerのSE求人は題名だけで切り分けられず、数えていません。社内SEからSIerへ移りやすいか、何歳までなら移りやすいかも、この数字からは答えられません。
よくある質問
社内SEからキャリアチェンジできますか?
発注側経験が当たるITコンサル求人、発注側のPM経験を確認できるPM・PMO求人、立場を限らないプロジェクト推進が「いずれか」に入るプリセールス・CS求人はあります。各職種を1件ずつ読み、営業・開発・年数など満たさない独立した必須行がないか、規模・回数・立場の確認で決まるかを分けて候補を選んでください。
社内SEからSIerへ転職するのは難しいですか?
この記事ではSIerのSE求人を数えていないため、難しさは答えられません。受注側の経験を書く行があっても、「いずれか」の別項目に立場を限らない経験が並ぶ場合があります。応募資格を最後まで読んで判断してください。
社内SEの経験は職務経歴書でどうアピールしますか?
「社内SE6年」「ベンダー管理」とまとめず、発注側か受注側か、対象システム、案件数、自分が決めた・依頼した・確認したことを書きます。歓迎欄に発注側経験があれば、その事実を先頭に置く判断にも使えます。