転職の判断

出戻り転職は後悔する?前の会社に戻りたい時に確かめること

転職して数か月で前の会社に戻りたくなった人向けに、出戻りで後悔するかどうかの分かれ目と、元同僚・元上司・人事・今の会社に連絡する順番、元上司に送る最初の一通の文面例をまとめました。再入社した300人の調査から、年収の変化や、以前の部下と職位が逆転していた人、周囲に良く思われていないと感じた人の割合も紹介します。

公開 2026年11月4日 · PREVIO 編集部

この記事で分かること

  • ・出戻りで後悔するかどうかは、前に辞めた理由が戻った後も続くかで分かれると考える理由。自分から申し出る人も珍しくないこと
  • ・元同僚 → 元上司 → 人事の書面 → 今の会社の順で動く理由と、元上司への最初の一通の文面例
  • ・戻っても変わらないことと失うもの、戻った人の年収と周囲の目の実際、条件の聞き方と 3 つの選択肢の比べ方
目次開く
  1. 01自分から申し出るのは珍しくない。後悔しにくいかは戻りたい理由で見る
  2. 02連絡は元同僚 → 元上司 → 人事の書面 → 今の会社の順で
  3. 03戻っても変わらないことと失うもの
  4. 04年収は額より上がり方を聞き、3 つの選択肢を同じ表で比べる
  5. 05戻らない場合は、別の会社か、今の会社で働き方を変える
  6. 06よくある質問
  7. 07この記事の数字と出典について

前の会社には 7 年いた。昇給が小さく、この先も上がりそうにないと思って転職した。それから 5 か月、新しい会社では仕事を 1 人で抱え、夜も週末も連絡が来る。前の会社の元同僚と話した帰りに、戻れるなら戻りたい、と初めて思った(例は架空です)。

出戻りで後悔するかは、前に辞めた理由が、戻った後も続くかどうかで分かれると考えます。通勤の近さや、仕事を何人かで分担できる体制など、前の会社にしかない良さを理由に戻るなら、後悔しにくいと考えます。給与の上がり方が理由で辞めて、今の会社がきついから戻るなら、給与の上がり方は戻っても変わらないので、同じことでまた悩みやすくなります。

自分から戻りたいと申し出ること自体は珍しくありません。人事 661 社に聞いた 2018 年の調査では、72% が一度辞めた社員を再雇用したことがあり、受け入れたきっかけの最多は本人からの直接応募でした。

動くなら、順番はこうです。

  1. 元同僚に、今の職場の様子を聞く
  2. 元上司に、戻る余地があるかを相談する
  3. 会社(人事)の選考を受け、条件を書面で受け取る
  4. 今の会社に伝えるのは最後

元上司への最初の一通は、辞めた理由を自分から先に書きます。前の会社から声をかけられて迷っている場合は、出戻りの打診が来た時に確かめることにまとめました。

自分から申し出るのは珍しくない。後悔しにくいかは戻りたい理由で見る

まず、受け入れる会社の側の数字です。エン・ジャパンが人事担当者向けサービスの利用企業 661 社に聞いた 2018 年の調査では、72% が一度辞めた社員を再雇用したことがあり、受け入れたきっかけの最多は本人からの直接応募(59%)でした。受け入れた理由の上位は、即戦力を求めていたこと(72%)と、人となりが分かっていて安心なこと(68%)です(「企業の出戻り(再雇用)実態調査2018」)。

戻った本人の側でも、自分から動いた人は少数派ですが、珍しくはありません。パーソル総合研究所が過去 5 年以内に元の会社へ再入社した正社員 300 人に聞いた調査(2019 年 12 月)では、会社や元上司・元同僚に誘われて戻った人が計 48.0%、自分から相談した人が計 27.7% でした(「コーポレート・アルムナイ(企業同窓生)に関する定量調査 結果報告書」)。エン・ジャパンが 2024 年に『エン転職』の利用者 4,353 人に聞いた調査でも、出戻りの経験者のうち 24% は自分から企業側に相談していました(「『エン転職』ユーザー4300人に聞いた「出戻り転職」意識調査ー『エン転職』ユーザーアンケートー」)。

では、戻って後悔しにくいのはどんな場合か。戻りたい理由ごとに見ます。

前の会社にしかない良さがあるなら、戻る理由になります。 通勤が近い、仕事を何人かで分担できる体制がある、一緒に働きたい人がいる。こうした良さは、戻れば取り戻せる見込みがあります。ただ、再入社した人のデメリットとして、職場の雰囲気が以前と変わっていた(33.3%)と、会社の方針が以前と変わっていた(32.3%)は、それぞれ 3 割強が選んでいるので、今も残っているかは元同僚に確かめます。パーソル総合研究所の調査でも、再入社した人の満足度は、同僚・上司・働きやすさの面で離職前より上がっていました。

戻りたい理由が今の会社のつらさだけなら、前の会社は候補の 1 つです。 今の会社を辞めるなら、前の会社のほかに、別の会社に移る選択肢もあります。別の会社と比べても前の会社の方がいいと言えるなら、戻る意味があります。2024 年のエン・ジャパンの調査では、出戻りの理由として、辞めた理由になった待遇や風土が改善されていたことを選んだ経験者は 6% で、転職先でうまくいかなかったことを選んだ人(11%)より少ない結果でした。

いちばん後悔しやすいと考えるのは、給与の上がり方が理由で辞めて、今の会社が合わないから戻る組み合わせです。戻れば、辞める理由になった給与の仕組みのもとで働くことになり、今の会社で上がった年収も手放しやすくなります。それでも戻りたいかを、連絡の前に一度決めておきます。

連絡は元同僚 → 元上司 → 人事の書面 → 今の会社の順で

いきなり元上司に送るのでも、人事に応募するのでもなく、まず元同僚に話を聞きます。

1. 元同僚には、戻れるかではなく、今の職場の様子を聞きます。 元同僚は採用を決める立場にないので、戻れるかを聞いても答えは出ません。聞くのは、次のような事実です。後任は入ったか、部署の体制は変わったか、元上司はこの先も残りそうか、自分が辞めた理由(給与の上がり方など)は変わったか、出戻った人はいるか。

元同僚に話せば、元上司に伝わる前提で動くのが安全です。困るのは、戻りたいらしいという噂だけが先に届き、辞めた理由と戻りたい理由を自分の言葉で話す前に印象が決まることです。元同僚には、まだ迷っていること、元上司には自分から話すので今は伏せてほしいことを伝え、間を空けずに元上司に連絡します。

2. 元上司には、戻る余地があるか、どの部署・どの仕事ならあるかを相談します。 パーソル総合研究所の調査では、自分から動いて再入社した人の相談先は、以前の上司(12.7%)が、同僚(8.7%)や会社(6.3%)より多くなっていました(いずれも再入社した 300 人のうちの割合)。公式の制度を使った人は 4.0% です。2018 年のエン・ジャパンの調査でも、本人からの直接応募に次ぐきっかけは在職時の上司の紹介(31%)です。採用に影響力のある人が後押ししてくれると、話は進みやすいと考えます。

3. 人事の選考で、条件を書面で受け取ります。 戻る時は新しく採用される扱いになる例があり、その場合は書類選考や面接を経て、処遇が改めて決まります。契約を結ぶ時には、働く場所と仕事の内容、その変更の範囲も示すことになっています(「2024年4月から労働条件明示のルールが変わりました」)。

4. 今の会社に伝えるのは、書面を受け取って戻ると決めてからです。 先に辞めると伝えると、前の会社に断られた時に行き先が無くなります。

最初の一通は辞めた理由を自分から先に書く

元上司への最初の連絡は、短いメッセージで時間をもらい、中身は電話か会って話すのが無難です。たとえば次のように書けます(作った例文です)。

ご無沙汰しています。退職の際は引き止めていただいたのに、給与を理由に出ていきました。そのうえでのご相談で恐縮ですが、もう一度そちらで働く余地があるか、15 分ほどお話を伺えないでしょうか。

辞めた理由を先に書くのは、同じ理由でまた辞めないかを、元上司がいちばん気にすると考えるからです。そこに触れずに戻りたいとだけ書くと、虫のいい話に見えます。戻る側の不安も大きく、パーソル総合研究所の調査では、再入社する時に上司・同僚・部下が受け入れてくれるか心配だった人が 41.3% いました。辞めた経緯という、いちばん触れにくい話を先に済ませておく方が、話は進めやすくなります。

話す時、今の会社のきつさは事実を短く伝えます。何人体制で何を担っていて、夜や週末はどうなっているか、までです。会社や人の悪口にはしません。悪口を言うと、不満があればまた辞める人だと受け取られかねません。

戻っても変わらないことと失うもの

戻った後のことを、変わらないこと・失うもの・時間とともに薄れたという声があることに分けると、次のとおりです。

分け方中身どうなるか
変わらない前に辞めた理由(給与の上がり方、昇格の順番)、辞めていた間に動いた社内の序列戻っても同じ仕組みの中に入る
薄れたという声がある戻った直後のぎこちなさ、出戻りした人として見られる居心地の悪さ体験談の声で、薄れるかを測った調査は見当たらない
失う今の会社で上げた年収、前の会社で積んだ勤続・有休・等級の扱い、元の席改めて決まる。扱いは会社の規程しだい

年収は、上がった人と下がった人が同じくらいの割合で、大きい会社ほど下がった人の割合が高い結果でした。 パーソル総合研究所の調査で、再入社後の報酬を離職時と比べると、上がった人が 31.3%、変わらない人が 42.3%、下がった人が 26.3% です。1,000 人以上の会社では、下がった人の割合が 32.9% に増えます。これは自分から戻った人に限らない数字です。満足度も、同僚・上司・働きやすさは上がった一方、給与・報酬・評価は離職前と比べて上がっていませんでした。

辞めていた間に、社内の序列は動きます。 同じ調査で、再入社した人が挙げたデメリットに、以前の部下と職位が逆転していたこと(29.7%)があります。昇進・昇格に不利だと感じた人も 29.0% います。

周囲に良く思われていないと感じた人は 3 割弱です。 戻った後に、出戻りしたことを周囲に良く思われていないと感じた人は 28.3% で、7 割はこの項目を選んでいません。同じ設問では、職場の雰囲気が以前と変わっていた(33.3%)、キャリアについて相談しにくい(27.7%)、仕事について質問しにくい(25.3%)も挙がっています。受け入れた会社の人事に聞くと、周りの社員の反応は 83% が良好と答えていますが、これは人事の見方で、本人がどう感じたかの数字ではありません。気まずさが何か月で消えるかを追った調査は見当たりません。

勤続・有休・退職金は、戻る会社の規程で決まります。 有休は、法の最低基準では、6 か月以上続けて勤め 8 割以上出勤した人に 10 日付くとされています(「年次有給休暇をとる条件は?パート労働者でももらえますか?|Q&A|確かめよう労働条件|厚生労働省」)。法の最低基準は雇い入れの日から数えるので、別の会社で働いた期間を挟んだ再入社なら、通常は再入社の日から数えることになると考えられます。前に働いていた期間を足すかどうかは会社の扱いによるので、人事に確かめる項目にします。再入社の制度を公表している会社でも、処遇はキャリアや知識に応じて個別に決め、試用期間を 6 か月置く例があります(「ジョブ・リターン」)。

前と同じ部署・仕事に戻れるとは限りません。 辞めた後に後任が入っていれば、戻る先が変わることがあります。

年収は額より上がり方を聞き、3 つの選択肢を同じ表で比べる

元上司と話す時は、年収を戻してほしいと頼むより、昇給の仕組みを聞く方がよいと考えます。戻るならどの等級からの想定か、その先はどういう順番で上がるのか。辞めた理由を先に伝えた後なら、上がり方を聞くことは、同じ理由でまた辞めないかを自分で確かめることになり、お金の話だけをしているようには聞こえにくくなります。

等級は、元上司との段階で想定まで聞いてかまいません。確定するのは人事の選考で、書面を受け取った時です。

決める時は、戻る、別の会社に移る、今の会社に残る、の 3 つを同じ表に並べ、年収の差以外も比べます。

並べる行前の会社に戻る別の会社に移る今の会社に残る
年収人事の書面の額内定の額今の額
その先の上がり方元上司・人事に聞いた仕組み面接で聞いた仕組み上長に聞いた見通し
通勤と残業の時間前の実績と今の体制面接で聞いた体制今の実績
家のことに使える日数週に何日か週に何日か週に何日か

年収の行だけを見ると、今の会社に残るのがいちばん高く見えることがあります。時間や今後の上がり方まで並べると、差の見え方が変わることがあります。年収が下がることに家族の同意が得られず、家計の面で戻るのが難しいなら、選択肢は別の会社に移るか、今の会社で働き方を変えてもらうかです。どちらの場合も、年収が高くても、それが何人分もの仕事を 1 人で引き受けることの対価になっていないかを見ます。

戻らない場合は、別の会社か、今の会社で働き方を変える

今の会社のつらさが慣れで軽くなるかは、何がつらいかで分かれます。 社内の道具の使い方や、誰に聞けばいいかが分からないといったことは、慣れれば減っていきます。会社の方針が急に変わることや、それを 1 人で受け止めなければならない体制は、慣れでは変わりません。見分け方は転職先が合わないと感じた時の見分け方に詳しく書きました。上長に、人を増やす予定があるか(いつ、何人)と、決まったことが何日前に自分に来るかを聞きます。時期をぼかした答えが返ってきたら、今期中か、採用の枠や予算は出ているかを聞き返します。それでも時期も人数も出てこなければ、当面は今の体制が続くと見てよいと考えます。

別の会社に移るなら、面接で担当の人数と連絡の受け方を確かめます。 その部署に何人いるか、夜間や休日の連絡を誰が受けるか。今の会社と同じつらさがないかは、ここで見当がつきます。

数か月で辞めた職歴は、職務経歴書に評価の言葉ではなく体制の事実で書きます。業務量が過大だった、は読む人の解釈しだいで、忙しいと辞める人に読まれかねません。何名体制で何を担当していたかは、読む人によって受け取り方が変わりにくい事実です。そのうえで、次にどんな仕事をしたいかを添えます。たとえば、1 名体制で何から何までを担当、複数名で分担し腰を据えて取り組める案件を希望、という形です。

よくある質問

出戻り転職は気まずい? 気まずさはいつまで続く?

再入社した 300 人の調査では、戻った後に出戻りしたことを周囲に良く思われていないと感じた人は 28.3% で、7 割はこの項目を選んでいません。気まずさが何か月で消えるかを追った調査は見当たりません。ぎこちなさは時間とともに薄れたという体験談がある程度です(声をかけられて戻った人の話です)。

出戻りはやめとけと言われるのはなぜ?

辞めた理由が戻っても残るからだと考えます。給与の上がり方や昇格の順番が理由で辞めたなら、戻れば同じ仕組みの中に入ります。辞めていた間に以前の部下が上の職位に就いていることもあり、再入社した人の 29.7% が、以前の部下と職位が逆転していたと答えています。前の会社にしかない良さを理由に戻るなら、この心配は小さくなります。

出戻りすると年収は下がる?

下がる人ばかりではありません。再入社した 300 人の調査で、報酬が下がった人は 26.3%、変わらない人は 42.3%、上がった人は 31.3% でした。1,000 人以上の会社では下がった人が 32.9% に増えます。転職して上がった年収は、前の会社の給与の決め方に入り直すので、そのまま持ち帰れるとは限りません。

3 か月や半年で戻るのは早すぎる?

何か月以内なら戻れる、早く戻る方がうまくいく、といったことを示した調査は見当たりません。期間より、辞めた理由が残っていないかと、後押ししてくれる元上司や元同僚がいるかで決まると考えます。入って数か月で自分から言い出すのは気が引けますが、それだけで断られる根拠もありません。

出戻りを断られたらどうする?

今後再雇用する予定はないと答えた少数の会社(5%)のコメントには、辞めた時の不満が戻って解消するのか疑問、辞める時に周りに迷惑をかけている、という声があります。断られても、今の会社にまだ伝えていなければ席は残っています。別の会社に移るか、今の会社で働き方を変えるかを、同じ表で比べ直します。

前の会社にはどこに連絡すればいい? メールは?

人事に直接応募するより、元同僚に今の職場の様子を聞き、元上司に相談する方が進めやすいと考えます。最初の一通は短く、辞めた理由を先に書き、話は電話か会って、が無難です。文面の例は最初の一通に載せました。

出戻りの志望動機はどう言えばいい?

辞めた理由と、戻りたい理由を、それぞれ自分の言葉で短く言います。辞めた理由を伏せると、また同じ理由で辞めないかが分からず、相手は判断できません。戻りたい理由は、今の会社への不満ではなく、前の会社でやりたい仕事や、前の会社の働き方の良さを挙げます。

この記事の数字と出典について

  • エン・ジャパンの 2018 年の調査は、『人事のミカタ』を利用する企業 661 社の人事担当者が 2018 年 2〜3 月に答えたものです。周りの反応は人事の見方で、本人の感じ方ではありません
  • パーソル総合研究所の調査は 2019 年 12 月に行われ、過去 5 年以内に元の会社へ再入社した正社員 300 人(20 歳以上 59 歳未満、在職期間 3 か月以上)が対象です。年収・職位・感じ方の割合は、誘われて戻った人を含めた全体の数字で、自分から戻った人だけの集計はありません。数か月の短期で戻った人だけの数字もありません
  • エン・ジャパンの 2024 年の調査は、『エン転職』の利用者 4,353 人が 2024 年 5〜6 月に答えたものです
  • 何か月以内なら戻れるかの基準を示した調査、出戻った人がその後また辞める割合、戻った後にもう一度転職する時にどう見られるかの資料は、見つかりませんでした
  • 勤続年数・有休・退職金を通算するかは会社の規程しだいで、通算する会社の割合は分かりません。有休の日数は法の最低基準で、会社によって多く付けている場合があります
  • 後悔するかが辞めた理由と戻りたい理由で分かれるという見方、連絡の順番、条件の聞き方は、書き手の判断です。後悔と退職理由の関係を測った資料は見当たりません
  • 出典は 2026 年 11 月 4 日に確認しました
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